コンクリートの打込みに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- ①1層当たりの打込み高さは、40〜50cmを標準とする。
- ②型枠内のコンクリートは、棒状振動機で横に移動させる。
- ③シュートは、材料分離の少ない斜めシュートを標準とする。
- ④打込み中の表面にたまった水は、そのまま埋め込んでよい。
答えと解説を見る
コンクリートの打込みは、練り混ぜたコンクリートを型枠のすみずみまで、材料を分離させずに行き渡らせる作業です。ここでの失敗はあとから直せないため、手順が細かく定められています。
1層当たりの打込み高さを40〜50cmとするのは、締固めに使う棒状振動機(内部振動機)の有効な締固め範囲がおおむねこの程度だからです。1層を厚くしすぎると下のほうまで振動が届かず、締固め不足による空隙(じゃんか)が残ります。逆に薄くしすぎると打重ねの回数が増え、層と層の境目が多くなって弱点をつくりやすくなります。
また、コンクリートは打ち込む位置のすぐ近くにおろすのが原則です。振動機で横に流すと、重い粗骨材がその場に残り、モルタル分だけが先に流れていく材料分離が起きます。シュートも、斜めに流すと途中で分離しやすいため縦シュートを標準とし、やむを得ず斜めシュートを用いるときは傾きを一定に保って分離を防ぎます。打込み中に表面へ上がってくる水はブリーディング水で、そのまま埋め込むと内部に強度の低い層を残すため、スポンジやひしゃくで取り除いてから次の層を打ちます。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の打込みに関する規定によります)
他の選択肢が不適切な理由
「型枠内のコンクリートは、棒状振動機で横に移動させる。」は誤りです。振動機で横移動させると粗骨材とモルタルが分かれるため、型枠内での横移動は行わず、打込み位置の近くにおろします。
「シュートは、材料分離の少ない斜めシュートを標準とする。」も誤りです。分離が少ないのは縦シュートで、こちらが標準です。斜めシュートは流下の途中で分離しやすく、やむを得ない場合に限って用います。
「打込み中の表面にたまった水は、そのまま埋め込んでよい。」も誤りです。たまるのはブリーディング水であり、埋め込むと内部に強度の低い層や空隙を残すため、取り除いてから打ち込みます。