2026年版・6-3

応用:コンクリート工の施工管理の一問一答

1級土木施工管理技士「施工管理法(応用能力)」から、応用:コンクリート工の施工管理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-3

コンクリートの打込みに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①1層当たりの打込み高さは、40〜50cmを標準とする。
  • ②型枠内のコンクリートは、棒状振動機で横に移動させる。
  • ③シュートは、材料分離の少ない斜めシュートを標準とする。
  • ④打込み中の表面にたまった水は、そのまま埋め込んでよい。
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正解 ①1層当たりの打込み高さは、40〜50cmを標準とする。
解説
コンクリートの打込みは、練り混ぜたコンクリートを型枠のすみずみまで、材料を分離させずに行き渡らせる作業です。ここでの失敗はあとから直せないため、手順が細かく定められています。
1層当たりの打込み高さを40〜50cmとするのは、締固めに使う棒状振動機(内部振動機)の有効な締固め範囲がおおむねこの程度だからです。1層を厚くしすぎると下のほうまで振動が届かず、締固め不足による空隙(じゃんか)が残ります。逆に薄くしすぎると打重ねの回数が増え、層と層の境目が多くなって弱点をつくりやすくなります。
また、コンクリートは打ち込む位置のすぐ近くにおろすのが原則です。振動機で横に流すと、重い粗骨材がその場に残り、モルタル分だけが先に流れていく材料分離が起きます。シュートも、斜めに流すと途中で分離しやすいため縦シュートを標準とし、やむを得ず斜めシュートを用いるときは傾きを一定に保って分離を防ぎます。打込み中に表面へ上がってくる水はブリーディング水で、そのまま埋め込むと内部に強度の低い層を残すため、スポンジやひしゃくで取り除いてから次の層を打ちます。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の打込みに関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「型枠内のコンクリートは、棒状振動機で横に移動させる。」は誤りです。振動機で横移動させると粗骨材とモルタルが分かれるため、型枠内での横移動は行わず、打込み位置の近くにおろします。
「シュートは、材料分離の少ない斜めシュートを標準とする。」も誤りです。分離が少ないのは縦シュートで、こちらが標準です。斜めシュートは流下の途中で分離しやすく、やむを得ない場合に限って用います。
「打込み中の表面にたまった水は、そのまま埋め込んでよい。」も誤りです。たまるのはブリーディング水であり、埋め込むと内部に強度の低い層や空隙を残すため、取り除いてから打ち込みます。
問26-3

コンクリートの締固めに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①棒状振動機は、下層のコンクリートに10cm程度挿入する。
  • ②棒状振動機の挿入間隔は、一般に50cm以下を目安とする。
  • ③棒状振動機は、引き抜くときにできるだけ素早く引き抜く。
  • ④1箇所当たりの振動時間は、5〜15秒程度を目安とする。
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正解 ③棒状振動機は、引き抜くときにできるだけ素早く引き抜く。
解説
締固めは、打ち込んだコンクリートに振動を与えて流動させ、粗骨材の間に閉じ込められた空気を追い出して、鉄筋や型枠のすみずみまで密実に充填する作業です。強度も水密性も耐久性も、この作業の出来に大きく左右されます。
棒状振動機を引き抜くときは、穴が残らないように徐々に引き抜くのが正しい方法です。素早く引き抜くと、振動機が抜けたあとの空洞をコンクリートが埋め戻す時間がなく、内部に細長い空隙が残ります。この空隙は外から見えないうえ、水や塩分の通り道となって鉄筋の腐食を早めます。
あわせて覚えておきたいのが、下層への挿入と挿入間隔です。下層に10cm程度差し込むのは、上下の層の境目を振動でなじませ、打重ね部が弱点にならないようにするためです。挿入間隔を50cm以下とするのは、1本の振動機が有効に締め固められる範囲がその程度だからで、これより広げると締固めの効かない部分が残ります。1箇所5〜15秒という目安は、短すぎれば空気が抜けきらず、長すぎれば振動によって粗骨材が沈み材料分離を起こすためです。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の締固めに関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「棒状振動機は、下層のコンクリートに10cm程度挿入する。」は適当です。上下の層を一体化させ、打重ね部が弱点になるのを防ぎます。
「棒状振動機の挿入間隔は、一般に50cm以下を目安とする。」も適当です。振動が有効に及ぶ範囲が限られるため、これを超える間隔では締固め不足の部分が残ります。
「1箇所当たりの振動時間は、5〜15秒程度を目安とする。」も適当です。短ければ空気が抜けず、長すぎれば粗骨材が沈んで材料分離を招きます。
問36-3

コンクリートの運搬及び打込みに関する次の(イ)〜(ニ)の記述のうち、適当なものの数はいくつか。 (イ)練混ぜから打終わりまでの時間は、外気温が25℃を超えるときは1.5時間以内を標準とする。 (ロ)許容打重ね時間間隔は、外気温が25℃以下のときは2.5時間を標準とする。 (ハ)コンクリートポンプの輸送管の径は、粗骨材の最大寸法が大きいほど小さくする。 (ニ)打込みに先立ち、鉄筋及び型枠が設計どおりに配置されていることを確認する。

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ③3個
解説
運搬と打込みの時間管理は、コンクリートが固まり始める前に、必要な締固めを終わらせるための決まりです。時間を超えるとワーカビリティー(打込みやすさ)が失われ、締固めても密実になりません。
(イ)は適当です。練混ぜから打終わりまでの時間は、外気温25℃を超えるときは1.5時間以内、25℃以下のときは2時間以内が標準です。気温が高いほど水和反応が速く進み、固まるまでの余裕が短くなるため、暑いときほど時間を厳しくします。
(ロ)も適当です。許容打重ね時間間隔は、外気温25℃以下で2.5時間、25℃を超えるときで2時間が標準です。これは、先に打った層が固まりかけてから次の層を打つと、両者が一体にならずコールドジョイントという不連続な面が生じるためです。
(ハ)は誤りです。輸送管の径は、粗骨材の最大寸法が大きいほど大きくします。管が細いと大きな骨材が引っかかって閉塞(管詰まり)を起こすためで、圧送距離が長い場合も径を大きくして圧力損失を減らします。
(ニ)も適当です。打込み後は鉄筋のかぶりや型枠の位置を直せないため、着手前の確認が欠かせません。
したがって適当なものは(イ)(ロ)(ニ)の3個です。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の運搬・打込みに関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1個」は誤りです。誤っているのは輸送管の径に関する記述だけで、残る3つはいずれも標準の取扱いに合っています。
「2個」も誤りです。時間に関する2つの記述はどちらも標準どおりで、打込み前の確認も適当であるため、適当なものは3つになります。
「4個」も誤りです。輸送管の径は粗骨材の最大寸法が大きいほど大きくする必要があり、この記述だけが誤っています。
問46-3

コンクリートの打継目の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①打継目は、できるだけせん断力の大きい位置に設けるのがよい。
  • ②水平打継目では、旧コンクリートのレイタンスを取り除く。
  • ③鉛直打継目は、打継面を乾燥させてから新しく打ち込む。
  • ④打継面は、型枠を締め直さずにそのまま打ち継いでよい。
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正解 ②水平打継目では、旧コンクリートのレイタンスを取り除く。
解説
打継目は、コンクリートを一度に打ち終えられないときに生じる、先に打った部分と後から打つ部分の境目です。ここは一体化が不十分になりやすく、ひび割れや漏水、鉄筋腐食の起点になりやすい弱点なので、位置の選び方と面の処理が重要になります。
水平打継目でレイタンスを取り除くのは、そこが強度をもたないためです。レイタンスとは、ブリーディング水とともに表面へ浮き上がった微細な粒子がつくる、ぜい弱な薄い層のことです。これを残したまま打ち継ぐと、その面で新旧のコンクリートが縁を切られた状態になり、すべりや漏水を招きます。硬化前であれば高圧の空気と水で、硬化後であればワイヤブラシやチッピングによって取り除き、粗骨材が適度に露出した健全な面を出します。
打継面は打込みの直前に湿潤状態にしておきます。乾いた面に打つと、新しいコンクリートの水分が旧コンクリートに吸い取られ、境目の水セメント比が変わって付着が悪くなるためです。ただし、たまった水はあらかじめ取り除きます。位置はせん断力の小さい箇所を選び、打継面を圧縮力の方向と直角にするのが原則です。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の打継目に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「打継目は、できるだけせん断力の大きい位置に設けるのがよい。」は誤りです。打継面はせん断に弱いため、せん断力の小さい位置を選びます。やむを得ず大きい位置に設けるときは、ほぞや溝、差し筋によって補強します。
「鉛直打継目は、打継面を乾燥させてから新しく打ち込む。」も誤りです。打継面は湿潤状態にし、ワイヤブラシ等で処理したうえでセメントペーストやモルタル等を塗って一体化を図ります。
「打継面は、型枠を締め直さずにそのまま打ち継いでよい。」も誤りです。型枠は打込みの圧力でわずかに広がっているため、締め直さないと打継部に段差やすき間ができ、そこから漏水やのろ漏れが生じます。
問56-3

コンクリートの養生に関する次の(イ)〜(ニ)の記述のうち、適当なもののみを全てあげている組合せはどれか。 (イ)普通ポルトランドセメントを用いる場合、日平均気温15℃以上での湿潤養生期間は5日を標準とする。 (ロ)早強ポルトランドセメントを用いる場合の湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより長くする。 (ハ)膜養生剤による養生は、コンクリート表面の水光りが消えた直後に散布する。 (ニ)養生中のコンクリートには、有害な振動や外力を与えないようにする。

  • ①(イ)(ロ)
  • ②(イ)(ハ)(ニ)
  • ③(ロ)(ハ)
  • ④(ロ)(ハ)(ニ)
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正解 ②(イ)(ハ)(ニ)
解説
養生とは、打ち込んだコンクリートが硬化していく初期の期間に、水分を保ち、適当な温度に保ち、衝撃や荷重から守る作業です。セメントは水と反応して強度を出すため、乾いてしまうと反応が止まり、表面がもろくなり、ひび割れも増えます。
(イ)は適当です。普通ポルトランドセメントの湿潤養生期間は、日平均気温15℃以上で5日、10℃以上で7日、5℃以上で9日が標準です。気温が低いほど水和反応が遅いので、必要な日数が長くなります。
(ロ)は誤りです。早強ポルトランドセメントは水和反応が速く、短い日数で必要な強度に達するため、養生期間は普通ポルトランドセメントより短くできます。日平均気温15℃以上で3日が標準です。逆に高炉セメントB種などの混合セメントは反応が遅いため、普通より長い養生が必要です。
(ハ)も適当です。膜養生剤は表面に膜をつくって水分の逸散を防ぐものなので、表面の水が引いて水光りが消えた直後という時期が重要です。早すぎると膜が水に流され、遅すぎるとすでに乾燥が進んでしまいます。
(ニ)も適当です。硬化の初期に振動や荷重が加わると、まだ弱いセメントの結合が切れ、強度が回復しません。
したがって適当なものは(イ)(ハ)(ニ)です。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の養生に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)(ロ)」は誤りです。早強ポルトランドセメントの養生期間は普通ポルトランドセメントより短くできるため、(ロ)を含む組合せは成立しません。
「(ロ)(ハ)」も誤りです。(ロ)が誤りであるうえ、正しい(イ)と(ニ)が抜けています。
「(ロ)(ハ)(ニ)」も誤りです。(ハ)と(ニ)は適当ですが、誤りである(ロ)を含み、適当な(イ)を欠いています。
問66-3

型枠及び支保工の取外しに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①梁の下面の支保工は、圧縮強度14.0N/mm²以上を確認して外す。
  • ②厚い部材の鉛直面のせき板は、圧縮強度14.0N/mm²で取り外す。
  • ③せき板の取外しは、荷重を受ける部分から先に行うのがよい。
  • ④型枠の取外し時期は、気温にかかわらず一定としてかまわない。
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正解 ①梁の下面の支保工は、圧縮強度14.0N/mm²以上を確認して外す。
解説
型枠と支保工は、コンクリートが自分の重さと施工中の荷重を支えられるようになるまでの仮の支えです。したがって取外しの時期は日数ではなく、コンクリートが実際に到達した圧縮強度で判断します。
基準となる強度は、その面がどれだけの力を受けるかで三段階に分かれています。厚い部材の鉛直またはそれに近い面など、ほとんど自重を支えていない面は3.5N/mm²です。薄い部材の鉛直に近い面や45度より急な傾きの下面は5.0N/mm²です。そして橋や建物のスラブ及び梁、45度より緩い傾きの下面は14.0N/mm²で、これが最も高い値になります。梁の下面は部材の重さをそのまま支えている場所なので、この14.0N/mm²が適用されます。早く外すとたわみやひび割れが生じ、最悪の場合は崩落につながります。
強度の確認には、現場で同じ条件に置いた供試体の圧縮強度試験を用います。同じ日数でも気温が低ければ強度の発現は遅れるため、日数だけで判断してはいけません。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の型枠及び支保工の取外しに関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「厚い部材の鉛直面のせき板は、圧縮強度14.0N/mm²で取り外す。」は誤りです。この面が受ける力は小さく、必要な圧縮強度は3.5N/mm²です。14.0N/mm²はスラブや梁の下面に適用される値です。
「せき板の取外しは、荷重を受ける部分から先に行うのがよい。」も誤りです。順序は逆で、荷重を受けない部分のせき板から先に外し、荷重を受ける部分は最後に外します。
「型枠の取外し時期は、気温にかかわらず一定としてかまわない。」も誤りです。気温が低いほど水和反応が遅く強度の発現も遅れるため、同じ日数でも到達強度は異なります。時期は圧縮強度で判断します。
問76-3

暑中コンクリート及び寒中コンクリートに関する次の(イ)〜(ニ)の記述のうち、適当なものの数はいくつか。 (イ)暑中コンクリートは、日平均気温が25℃を超えることが予想されるときに適用する。 (ロ)暑中コンクリートの打込み時のコンクリート温度は、40℃以下を標準とする。 (ハ)寒中コンクリートは、日平均気温が4℃以下となることが予想されるときに適用する。 (ニ)寒中コンクリートでは、練上がり温度を40℃程度まで高めるのがよい。

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ②2個
解説
暑中と寒中のコンクリートは、気温という現場では変えられない条件に対して、材料と施工の側を調整して品質を守る考え方です。
(イ)は適当です。日平均気温が25℃を超えると水和反応が速まり、スランプの低下が早く、コールドジョイントや温度ひび割れが生じやすくなるため、暑中コンクリートとして扱います。
(ロ)は誤りです。打込み時のコンクリート温度は35℃以下が標準です。これを超えると凝結が急に進み、運搬中にワーカビリティーが失われて締固めが不十分になります。骨材や練混ぜ水を冷やす、日射を避けるといった対策で温度を下げます。
(ハ)も適当です。日平均気温が4℃以下になると、硬化がほとんど進まないうえ、初期に凍結すると内部の水が膨張して組織が壊れ、強度が回復しません。この凍害を防ぐために寒中コンクリートとして扱います。
(ニ)は誤りです。練上がり温度は5〜20℃の範囲が標準です。40℃まで高めると、運搬中の温度低下が大きくなるうえ、急激な凝結や長期強度の低下、温度ひび割れを招きます。
したがって適当なものは(イ)(ハ)の2個です。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の暑中及び寒中コンクリートに関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1個」は誤りです。適用の目安を述べた2つの記述はいずれも標準どおりで、誤っているのは温度に関する2つです。
「3個」も誤りです。打込み時のコンクリート温度は35℃以下であり、40℃以下とする記述は誤っています。
「4個」も誤りです。練上がり温度は5〜20℃が標準で、40℃程度まで高めるという記述も誤っています。
問86-3

コンクリートの施工に関する次の記述の(イ)〜(ニ)に当てはまる数値の組合せとして、適当なものはどれか。 棒状振動機による締固めでは、挿入間隔を(イ)cm以下とし、下層のコンクリートに(ロ)cm程度挿入する。また、練混ぜから打終わりまでの時間は、外気温25℃以下のとき(ハ)時間以内、25℃を超えるとき(ニ)時間以内を標準とする。

  • ①(イ)80 (ロ)30 (ハ)2.0 (ニ)1.5
  • ②(イ)80 (ロ)10 (ハ)1.5 (ニ)1.0
  • ③(イ)50 (ロ)30 (ハ)1.5 (ニ)1.0
  • ④(イ)50 (ロ)10 (ハ)2.0 (ニ)1.5
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正解 ④(イ)50 (ロ)10 (ハ)2.0 (ニ)1.5
解説
この4つの数値は、いずれも「締め固められる範囲」と「固まり始めるまでの余裕」という2つの物理的な限界から決まっています。丸暗記ではなく理由とあわせて覚えると確実です。
挿入間隔の50cm以下は、棒状振動機1本の振動が有効に及ぶ範囲がその程度であることによります。これより広い間隔で差すと、間の部分に振動が届かず、締固め不足による空隙が残ります。
下層への10cm程度の挿入は、先に打った層と新しい層の境目を振動でなじませ、打重ね部が弱面にならないようにするためです。浅すぎれば境目が残り、深すぎれば下層をかき乱して材料分離を招きます。
練混ぜから打終わりまでの時間は、外気温25℃以下で2時間以内、25℃を超えるときで1.5時間以内が標準です。気温が高いほどセメントの水和反応が速く進み、スランプの低下が早いためで、暑いときほど余裕時間を短くします。
なお、これと混同しやすいのが許容打重ね時間間隔で、こちらは25℃以下で2.5時間、25℃を超えるときで2時間です。目的が異なる別の基準であり、値も異なります。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の締固め及び運搬に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)80 (ロ)30 (ハ)2.0 (ニ)1.5」は誤りです。時間の値は正しいものの、挿入間隔80cmでは振動が届かない部分が生じ、下層へ30cmも差し込むと下層をかき乱して材料分離を招きます。
「(イ)80 (ロ)10 (ハ)1.5 (ニ)1.0」も誤りです。挿入間隔が広すぎるうえ、練混ぜから打終わりまでの時間は25℃以下で2時間、25℃超で1.5時間であり、いずれの値も短く誤っています。
「(イ)50 (ロ)30 (ハ)1.5 (ニ)1.0」も誤りです。挿入間隔は正しいものの、下層への挿入量と2つの時間の値がいずれも標準と異なります。
問96-3

コンクリートの打込み後に生じる不具合とその対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①沈みひび割れは、タンピングや再振動によって処置する。
  • ②コールドジョイントは、許容打重ね時間間隔を守って防ぐ。
  • ③プラスティック収縮ひび割れは、直射日光と風を防いで抑える。
  • ④ブリーディングが多いほど、上面の強度と耐久性は高くなる。
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正解 ④ブリーディングが多いほど、上面の強度と耐久性は高くなる。
解説
打込み後の初期に現れる不具合は、いずれもコンクリートの中で水と固体粒子が分かれようとする動きが原因です。原因を理解すると、対策が自然につながります。
ブリーディングとは、打ち込んだコンクリートの中で重い粒子が沈み、練混ぜ水の一部が表面へ浮き上がる現象です。この水が多いほど、上面付近は水分の多い、すなわち水セメント比の大きい組織になり、強度も耐久性も低下します。さらに表面にはレイタンスというぜい弱な薄い層が残り、摩耗にも弱くなります。したがって、ブリーディングは少ないほうがよく、単位水量を減らす、細骨材の粒度を適切にする、適量の混和剤を使うといった配合上の対策をとります。
沈みひび割れは、この沈下が鉄筋や型枠に妨げられることで、鉄筋に沿って表面に生じるひび割れです。まだ固まりきっていない段階でタンピング(表面をたたき締めること)や再振動を行えば消すことができます。
プラスティック収縮ひび割れは、打込み直後に表面の水分が急激に蒸発して生じるもので、直射日光や風を遮り、散水や膜養生で乾燥を防ぐことが対策になります。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の打込み及び養生に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「沈みひび割れは、タンピングや再振動によって処置する。」は適当です。凝結が終わる前であれば、たたき締めや再振動でひび割れを閉じることができます。
「コールドジョイントは、許容打重ね時間間隔を守って防ぐ。」も適当です。先に打った層が固まる前に次の層を打ち重ね、下層まで振動機を差し込んで一体化させれば防げます。
「プラスティック収縮ひび割れは、直射日光と風を防いで抑える。」も適当です。急激な表面乾燥が原因であり、日除けや防風、散水による湿潤保持が有効です。
問106-3

コンクリートのポンプ圧送に関する次の(イ)〜(ニ)の記述のうち、適当なもののみを全てあげている組合せはどれか。 (イ)圧送に先立ち、先送りモルタルを圧送して輸送管の内面を潤す。 (ロ)先送りモルタルは、そのまま型枠内に打ち込むことを原則とする。 (ハ)輸送管の配管は、できるだけ短く、曲がりの少ない経路とする。 (ニ)圧送を長時間中断したときは、そのまま放置して再開すればよい。

  • ①(イ)(ロ)
  • ②(ロ)(ニ)
  • ③(ハ)(ニ)
  • ④(イ)(ハ)
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正解 ④(イ)(ハ)
解説
コンクリートポンプによる圧送は、閉塞(管詰まり)を起こさせないことが最大の課題です。閉塞すると管を分解して掃除することになり、その間に打ち込んだコンクリートは打重ね時間を超えてコールドジョイントの原因になります。
(イ)は適当です。乾いた輸送管にいきなりコンクリートを送ると、管の内面にモルタル分が吸い取られて先頭部分が粗骨材ばかりになり、その場で詰まります。これを防ぐため、先にモルタルを圧送して管の内面に潤滑の膜をつくります。
(ロ)は誤りです。先送りモルタルは配合が本来のコンクリートと異なり、粗骨材を含まないため所定の品質をもちません。原則として型枠内には打ち込まず、場外に排出して処分します。やむを得ず用いる場合でも、品質に影響しない範囲に限られます。
(ハ)も適当です。配管が長いほど、また曲がりが多いほど圧力損失が大きくなり、圧送の負担と閉塞の危険が増します。ベント管の曲がりは緩やかにし、テーパ管の急な縮径も避けます。
(ニ)は誤りです。中断したまま放置するとコンクリートが管内で硬化し始めて閉塞します。やむを得ず中断するときは、短い間隔で吸込みと吐出しを繰り返してコンクリートを動かし続けます。
したがって適当なものは(イ)(ハ)です。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書 施工編の運搬に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)(ロ)」は誤りです。(イ)は適当ですが、先送りモルタルは所定の品質をもたないため原則として型枠内には打ち込みません。
「(ロ)(ニ)」も誤りです。2つとも誤った記述であり、正しい(イ)と(ハ)がいずれも抜けています。
「(ハ)(ニ)」も誤りです。(ハ)は適当ですが、圧送の中断中は管内のコンクリートを動かし続ける必要があり、放置してよいという記述は成り立ちません。

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