2026年版・6-1

応用:施工計画と事前調査の一問一答

1級土木施工管理技士「施工管理法(応用能力)」から、応用:施工計画と事前調査に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-1

施工計画の作成に関する次の記述のうち、適当なものの数はいくつか。(イ)発注者が要求する品質を確保したうえで、経済性を追求して作成する。 (ロ)現場担当者だけで立案せず、社内の関連部署の知識や過去の実績も活用する。 (ハ)一つの案に固執せず、複数の案を比較検討したうえで決定する。 (ニ)契約で定められた工期が、必ずしも最も経済的な工期とは限らない。

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ④4個
解説
施工計画は、着工前の限られた時間で立てるものでありながら、その工事の品質・工程・原価・安全のすべてを左右します。作成にあたっての基本的な考え方を、一つずつ確かめます。
(イ)は適当です。施工計画は、発注者が要求する品質を確保することを前提とし、その範囲の中で経済性を追求します。順序を逆にすると、安くはできても要求された性能を満たさない構造物ができあがります。
(ロ)も適当です。ひとりの担当者が知る方法には必ず限りがあり、現場に近い者ほど目の前の条件に縛られて視野が狭くなります。社内の技術部門や関連部署の知識、過去の類似工事の記録などを持ち寄り、会社の組織全体で検討することが基本です。
(ハ)も適当です。比較する対象があって初めて、その案が有利か不利かを判断できます。一つの案だけで着工すると、より安全で経済的な方法があっても気づけません。
(ニ)も適当です。工事の原価は、出来高に比例して増える直接費と、工期の長さに比例して増える間接費の和で決まります。工期を縮めると間接費は減る一方、増員や機械の増強で直接費が増えるため、合計が最小になる工期が別に存在します。それが契約工期と一致するとは限りません。
したがって適当なものは4個です。
(根拠:国土交通省 土木工事共通仕様書の施工計画書に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1個」は誤りです。四つの記述はいずれも施工計画の基本的な考え方に沿った内容であり、正しいものが一つだけということはありません。
「2個」も誤りです。品質の確保を前提とした経済性の追求も、社内の組織を活用した立案も、どちらも正しい進め方です。
「3個」も誤りです。誤りを含む記述は一つもなく、複数案の比較検討と、契約工期が最も経済的な工期とは限らないという内容も、いずれも正しい記述です。
問26-1

施工計画のための事前調査に関する次の記述の(イ)〜(ニ)に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。事前調査は(イ)の確認と(ロ)の調査に大別され、工期や請負代金の支払方法は(イ)に、輸送路の幅員や地下埋設物の状況は(ロ)に含まれる。地下埋設物は、管理者への照会に加えて(ハ)により位置と深さを確かめる。近隣の家屋の調査は、着工前と(ニ)の両方で行う。

  • ①(イ)契約条件 (ロ)現場条件 (ハ)試掘 (ニ)完了後
  • ②(イ)現場条件 (ロ)契約条件 (ハ)試掘 (ニ)完了後
  • ③(イ)契約条件 (ロ)現場条件 (ハ)推定 (ニ)着工直後
  • ④(イ)現場条件 (ロ)契約条件 (ハ)推定 (ニ)着工直後
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正解 ①(イ)契約条件 (ロ)現場条件 (ハ)試掘 (ニ)完了後
解説
事前調査は、契約条件の確認と現場条件の調査の二つに分けて整理すると、調べ落としを防げます。
契約条件の確認とは、契約書と設計図書を読み込んで、自分が何をどこまで負う立場なのかを把握することです。工期、請負代金の額とその支払の時期と方法、数量の増減が生じたときの取扱い、設計変更や工期延長の手続、監督員の権限などが対象になります。いずれも書面に書かれた条件であり、現地へ行っても分かりません。
現場条件の調査とは、実際に現地へ出向いて確かめる事柄です。地形、地質、地下水の状況、気象・海象、工事用の電力と用水の入手、資材や機械の輸送路とその幅員や重量の規制、労務や資材の調達の見通し、近隣の家屋や施設の状況、地下埋設物や架空線などの支障物件が含まれます。
地下埋設物については、まず各管理者へ照会して図面の提供を受けますが、図面の位置は施工後の変更や測量の誤差により実際とずれていることが少なくありません。そこで試掘、すなわち人力による部分的な掘削を行い、目で見て位置と深さを確かめます。推定で済ませてはなりません。
近隣の家屋の調査は、着工前と完了後の両方で行い、その差を比べて初めて意味を持ちます。着工前の記録がなければ、もともとあったひび割れなのか工事によるものなのかを区別できないからです。
(根拠:国土交通省 土木工事共通仕様書及び建設工事公衆災害防止対策要綱によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)現場条件 (ロ)契約条件 (ハ)試掘 (ニ)完了後」は誤りです。工期や請負代金の支払方法は書面上の契約条件であり、現地で調べる現場条件ではありません。
「(イ)契約条件 (ロ)現場条件 (ハ)推定 (ニ)着工直後」も誤りです。地下埋設物は推定ではなく試掘で確認し、近隣家屋の調査は着工前と完了後に行います。
「(イ)現場条件 (ロ)契約条件 (ハ)推定 (ニ)着工直後」も誤りです。契約条件と現場条件が入れ替わっているうえ、確認の方法と調査の時期もいずれも誤っています。
問36-1

施工計画書に関する次の記述のうち、適当なものの数はいくつか。 (イ)施工計画書は、工事に着手する前に作成し、監督員に提出する。 (ロ)記載した内容に重要な変更が生じたときは、変更施工計画書を提出する。 (ハ)施工計画書を提出すれば、施工方法についての責任は発注者に移る。 (ニ)設計図書に施工方法が指定されている場合は、その定めに従う。

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ③3個
解説
施工計画書は、受注者が工事の着手前に作成し、監督員へ提出する書類です。その工事をどのような手順と方法で進めるつもりかを、あらかじめ発注者側へ示すためのものです。
(イ)は適当です。着手前でなければ、監督員が内容を確認し、設計図書との食い違いや安全上の問題を、実際の施工が始まる前に指摘することができません。工事が終わってから提出したのでは、書類としての意味を失います。
(ロ)も適当です。記載した内容に重要な変更が生じたときは、その都度、変更に関する事項について変更施工計画書を作成して提出します。地盤の状況が想定と違って掘削の工法を変える、使用する主要機械を変更するといった場合がこれにあたります。書類と実際の施工が食い違えば、安全管理も品質管理も根拠を失うためです。
(ハ)は誤りです。仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定めるものです。施工計画書は提出する書類であって、発注者の承諾を得て責任を移すためのものではありません。
(ニ)も適当です。受注者の裁量が認められるのは設計図書に定めがない範囲であり、施工方法が指定されている場合はその定めに従います。
したがって適当なものは3個です。
(根拠:公共工事標準請負契約約款の総則及び国土交通省 土木工事共通仕様書の施工計画書に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1個」は誤りです。着手前の提出、変更施工計画書の提出、設計図書の定めに従うことの三つが、いずれも適当な記述です。
「2個」も誤りです。誤っているのは、施工方法についての責任が発注者に移るとする記述だけです。
「4個」も誤りです。施工計画書を提出しても、施工方法を選んだことに伴う責任は受注者にとどまります。
問46-1

施工計画書に記載する事項に関する次の(イ)〜(ニ)の記述のうち、記載事項として適当なもののみを全てあげている組合せはどれか。(イ)現場組織表 (ロ)主要船舶・機械 (ハ)発注者が設計の段階で作成した設計計算書 (ニ)安全管理及び緊急時の体制及び対応

  • ①(イ)(ロ)(ハ)
  • ②(イ)(ロ)(ニ)
  • ③(イ)(ハ)(ニ)
  • ④(ロ)(ハ)(ニ)
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正解 ②(イ)(ロ)(ニ)
解説
施工計画書は、受注者が工事の着手前に作成して監督員へ提出する書類で、その工事をどのように進めるつもりかを発注者へ示すものです。記載事項に共通しているのは、いずれも「受注者がこれからどう施工するか」を表しているという点です。
共通仕様書が示す記載事項は、おおむね次のとおりです。工事概要、計画工程表、現場組織表、指定機械、主要船舶・機械、主要資材、施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)、施工管理計画、安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理、環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法、その他です。
現場組織表は誰がどの責任を負うのかを示すもので、記載事項にあたります。主要船舶・機械は、何を使って施工するのかを示すもので、これも記載事項です。安全管理及び緊急時の体制及び対応は、災害の防止と、万一発生したときの連絡と対応をあらかじめ定めるもので、記載事項にあたります。
一方、設計計算書は、発注者が設計の段階で構造物の断面や数量を決めるために作成した書類です。受注者が自らの施工計画として記載する事項ではありません。
したがって、記載事項として適当なものは三つです。
(根拠:国土交通省 土木工事共通仕様書の施工計画書に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)(ロ)(ハ)」は誤りです。発注者が設計の段階で作成した設計計算書は、受注者が作成する施工計画書の記載事項ではありません。
「(イ)(ハ)(ニ)」も誤りです。設計計算書を含んでいるうえ、記載事項である主要船舶・機械が抜けています。
「(ロ)(ハ)(ニ)」も誤りです。設計計算書を含んでいるうえ、記載事項である現場組織表が抜けています。
問56-1

工事に着手する前に行う手続と、その申請先又は届出先の組合せとして、適当でないものはどれか。

  • ①道路の占用に関する許可 ─ 道路管理者
  • ②道路の使用に関する許可 ─ 所轄警察署長
  • ③特定建設作業の実施の届出 ─ 当該市町村長
  • ④河川区域内の土地の占用 ─ 所轄警察署長
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正解 ④河川区域内の土地の占用 ─ 所轄警察署長
解説
着工前の手続は、何を守るための制度かを考えると、申請先を取り違えずに済みます。
道路については二つの制度が並んでいます。道路の占用の許可は、道路に工作物や施設を継続して設けることについての許可で、道路そのものを管理する道路管理者が出します。道路の使用の許可は、道路上で工事や作業を行うことなどについての許可で、交通の安全と円滑を守る立場から所轄警察署長が出します。同じ道路でも、道路の機能を守るのが道路管理者、交通秩序を守るのが警察という役割の違いがあります。
特定建設作業の実施の届出は、著しい騒音または振動を発生する作業について、周辺の生活環境を守るために行うもので、届出先は当該市町村長です。
河川区域内の土地の占用の許可は、河川管理者が出します。河川は治水と利水の観点から一体として管理されており、その管理者が判断すべき事柄だからです。所轄警察署長ではありません。
このほか、労働安全衛生法に基づく計画の届出は労働基準監督署長へ、建設リサイクル法に基づく対象建設工事の届出は都道府県知事へ行います。
(根拠:道路法、道路交通法、騒音規制法、振動規制法及び河川法によります)

他の選択肢が不適切な理由
「道路の占用に関する許可 ─ 道路管理者」は適当な組合せです。道路に工作物等を継続して設けることについて、道路管理者が許可します。
「道路の使用に関する許可 ─ 所轄警察署長」も適当な組合せです。交通の安全と円滑の観点から警察が許可します。
「特定建設作業の実施の届出 ─ 当該市町村長」も適当な組合せです。周辺の生活環境の保全のため、市町村長へ届け出ます。
問66-1

施工計画のための事前調査に関する次の記述のうち、適当なものの数はいくつか。(イ)現場条件の調査では、工事用の電力や用水の入手の可否と経路を調べる。 (ロ)契約条件の確認では、数量の増減が生じたときの取扱いを調べる。 (ハ)地下埋設物の調査は、掘削に着手してから行えばよい。 (ニ)近隣の家屋の調査は、工事の完了後にのみ行えば足りる。

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ②2個
解説
事前調査の記述を一つずつ確かめます。
まず、現場条件の調査で工事用の電力や用水の入手の可否と経路を調べるという記述は正しいものです。仮設備の計画は、どこからどれだけの電力と水を引けるかによって大きく変わります。現地でなければ確かめられない事柄であり、現場条件の調査に含まれます。
次に、契約条件の確認で数量の増減が生じたときの取扱いを調べるという記述も正しいものです。土木工事では、実際に掘ってみると土量が設計と食い違うことが珍しくありません。そのときに誰がどのように精算するのかは契約に定められており、着工前に把握しておかなければ、後で費用の負担をめぐる争いになります。
三つ目の、地下埋設物の調査を掘削に着手してから行えばよいという記述は誤りです。ガス管の破損は爆発を、電力ケーブルの切断は感電と広域の停電を招きます。着工前に各管理者へ照会し、あわせて試掘により位置と深さを確かめるのが原則です。
四つ目の、近隣の家屋の調査を工事の完了後にのみ行えば足りるという記述も誤りです。着工前の状況を記録しておかなければ、生じたひび割れが工事によるものかどうかを判断できません。着工前と完了後の両方で行います。
したがって適当なものは二つです。
(根拠:国土交通省 土木工事共通仕様書及び建設工事公衆災害防止対策要綱によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1個」は誤りです。工事用の電力と用水の調査、数量の増減の取扱いの確認の二つが正しく、一つだけではありません。
「3個」も誤りです。地下埋設物の調査と近隣家屋の調査に関する記述は、いずれも着工前に行うべき事柄を後回しにしており、誤りです。
「4個」も誤りです。誤っている記述が二つ含まれています。
問76-1

土砂の掘削と運搬を組み合わせて行う工事において、掘削機械の作業能力が60m³/h、これに組み合わせる運搬機械の作業能力が45m³/hであるとき、この組合せ機械の作業能力として適当なものはどれか。

  • ①105m³/h
  • ②45m³/h
  • ③52.5m³/h
  • ④60m³/h
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正解 ②45m³/h
解説
土工では、掘削する機械、積み込む機械、運搬する機械、敷き均す機械、締め固める機械を組み合わせて一連の作業を行います。このとき全体としてどれだけの土量を処理できるかは、組み合わせた機械のうち最も能力の小さい機械によって決まります。
理由は、流れ作業の各工程が前の工程から材料を受け取って進むからです。この例では、掘削機械が1時間に60m³掘れても、運び出す能力が45m³分しかなければ、掘った土は現場にたまるだけで、実際に処理できるのは1時間あたり45m³です。逆に運搬能力が大きくても、掘削が追いつかなければ運搬機械は待つことになります。最も遅い工程が全体の速さを決める、というのは流れ作業に共通する原理です。
したがって、この組合せの作業能力は45m³/hとなります。
ここから分かるのは、機械の組合せを決めるときは、各機械の作業能力をできるだけ均等にそろえ、能力の差から生じる待ち時間を小さくすることが基本になる、ということです。組合せ効率という考え方はここから出てきます。この例では、掘削機械の能力のうち4分の1が使われずに遊んでいる状態であり、運搬機械を増やして能力を釣り合わせるか、掘削機械を一回り小さいものに変える検討が必要になります。
(根拠:建設機械施工における組合せ機械の作業能力の一般的な考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「105m³/h」は、二つの機械の作業能力を単純に足した値です。掘削と運搬は直列につながる工程であり、能力を足し合わせることはできません。
「52.5m³/h」は、二つの作業能力の平均値です。平均をとる根拠はなく、能力の大きい機械が小さい機械を補うことはできません。
「60m³/h」は掘削機械だけの作業能力です。運搬が追いつかないため、この能力を発揮することはできません。
問86-1

仮設工事に関する次の記述の(イ)〜(ニ)に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。仮設備のうち、設計図書でその構造や仕様が定められているものを(イ)といい、変更が生じたときは(ロ)の対象となる。一方、受注者がその責任において計画するものを(ハ)といい、一般に一式計上される。仮設備の計画にあたっては、他の現場への(ニ)を考慮することが望ましい。

  • ①(イ)指定仮設 (ロ)設計変更 (ハ)任意仮設 (ニ)転用
  • ②(イ)任意仮設 (ロ)設計変更 (ハ)指定仮設 (ニ)転用
  • ③(イ)指定仮設 (ロ)契約解除 (ハ)任意仮設 (ニ)廃棄
  • ④(イ)任意仮設 (ロ)契約解除 (ハ)指定仮設 (ニ)廃棄
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正解 ①(イ)指定仮設 (ロ)設計変更 (ハ)任意仮設 (ニ)転用
解説
仮設備は、工事が終われば撤去される設備ですが、その計画の良否は工程・原価・安全に大きく影響します。
仮設備は、設計図書での扱いによって二つに分かれます。指定仮設は、発注者が設計図書でその構造、寸法、材料などを指定しているものです。土留めや仮締切りのように、周辺への影響が大きく、発注者が責任をもって仕様を定めるべきものが該当します。指定仮設は設計図書の一部ですから、条件が変わって構造を変える必要が生じたときは、設計変更の対象となり、その費用は発注者が負担します。
任意仮設は、設計図書で仕様が定められておらず、受注者がその責任において計画するものです。受注者が自らの技術と工夫で最も有利な方法を選べる代わりに、原則として設計変更の対象とはならず、費用は一式で計上されます。ただし、設計図書に示された施工条件そのものが実際と大きく異なる場合は、この限りではありません。
仮設備の計画では、部材の規格をそろえ、他の現場への転用や再使用ができるようにすることが望まれます。仮設材は使い捨てにすると費用がかさむうえ、廃棄物も増えるためです。
(根拠:公共工事標準請負契約約款及び国土交通省 土木工事共通仕様書によります)

他の選択肢が不適切な理由
「(イ)任意仮設 (ロ)設計変更 (ハ)指定仮設 (ニ)転用」は誤りです。設計図書で構造や仕様が定められているのは指定仮設であり、受注者の責任で計画するのが任意仮設です。
「(イ)指定仮設 (ロ)契約解除 (ハ)任意仮設 (ニ)廃棄」も誤りです。指定仮設の変更は設計変更の対象であって契約解除ではなく、仮設材は転用を考慮するのが基本です。
「(イ)任意仮設 (ロ)契約解除 (ハ)指定仮設 (ニ)廃棄」も誤りです。二つの仮設の区別が逆であるうえ、変更の扱いと仮設材の扱いもいずれも誤っています。
問96-1

施工体制台帳及び施工体系図に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①公共工事では、下請契約を締結したときは施工体制台帳を作成する。
  • ②公共工事でも、施工体制台帳を発注者へ提出する必要はないとされる。
  • ③施工体系図は、工事関係者のみが見やすい場所に掲げれば足りる。
  • ④施工体制台帳は、工事の完成後に作成すればよいものとする。
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正解 ①公共工事では、下請契約を締結したときは施工体制台帳を作成する。
解説
施工体制台帳は、その工事にどの会社がどの範囲で関わり、それぞれが誰を主任技術者として置いているのかを一覧にした書類です。下請が何次にも重なる建設工事では、末端で誰が何をしているのかが見えにくくなり、手抜き工事や不適格な業者の関与を招きます。それを防ぐために作成が義務づけられています。
民間の工事では、元請が特定建設業者であって、締結した下請契約の請負代金の額の総額が政令で定める金額以上になる場合に作成義務が生じます。
これに対して公共工事では、この金額の要件が外され、下請契約を締結したときは作成しなければならないこととされています。公共工事は税金で行われるため、より厳しい体制の確認が求められるからです。さらに公共工事では、作成した施工体制台帳の写しを発注者へ提出しなければならず、発注者から施工体制の点検を求められたときは、これを拒むことができません。
施工体系図は、施工体制台帳の内容を図に表したもので、各下請の施工の分担関係が一目で分かるようにしたものです。公共工事では、工事関係者が見やすい場所に加えて、公衆が見やすい場所にも掲げなければなりません。
いずれも工事の施工中に用いる書類ですから、完成後に作成するのでは意味がありません。
(根拠:建設業法第24条の8及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「公共工事でも、施工体制台帳を発注者へ提出する必要はないとされる。」は誤りです。公共工事では、作成した施工体制台帳の写しを発注者へ提出しなければなりません。
「施工体系図は、工事関係者のみが見やすい場所に掲げれば足りる。」も誤りです。公共工事では、工事関係者が見やすい場所と公衆が見やすい場所の両方に掲げます。
「施工体制台帳は、工事の完成後に作成すればよいものとする。」も誤りです。施工中の体制を明らかにするための書類であり、下請契約を締結したときに作成します。
問106-1

工事の施工速度と原価の関係に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①施工速度を上げるほど、単位あたりの原価は常に小さくなる。
  • ②総原価が最小となる施工速度を、経済速度と呼んでいる。
  • ③間接費は、工事の出来高に比例して増加する費用である。
  • ④直接費は、工期の長短に比例して増加する費用である。
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正解 ②総原価が最小となる施工速度を、経済速度と呼んでいる。
解説
工事の原価は、性質の異なる二種類の費用の和として考えます。
直接費は、材料費、労務費、機械の運転経費など、出来高に比例して増える費用です。同じ量を施工すればおおむね同じだけかかりますが、工期を無理に縮めようとすると、残業や休日作業の割増賃金、応援人員の投入、機械の増強などが必要になり、急激に増加します。
間接費は、現場事務所の経費、監督者の人件費、機械の損料など、工期の長さに応じて増える費用です。工期が延びれば、その分だけ現場を維持する費用がかかり続けます。
この二つを合わせると、原価と施工速度の関係は谷の形になります。施工速度を上げていくと、はじめは間接費の減少が効いて総原価は下がります。しかし、ある速度を境に直接費の急増が上回り、総原価は再び上昇に転じます。この谷の底、すなわち総原価が最小となる施工速度を経済速度といい、それより速くしても遅くしても原価は増えます。
したがって、施工速度を上げるほど原価が常に小さくなる、という関係は成り立ちません。あわせて、過度に速度を上げれば作業が雑になり、品質の低下と労働災害の増加も招きます。
(根拠:工程管理における工程と原価の関係の一般的な考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工速度を上げるほど、単位あたりの原価は常に小さくなる。」は誤りです。経済速度を超えて速めると、割増賃金や機械の増強により直接費が急増し、原価は増加します。
「間接費は、工事の出来高に比例して増加する費用である。」も誤りです。出来高に比例するのは直接費で、間接費は工期の長さに応じて増えます。
「直接費は、工期の長短に比例して増加する費用である。」も誤りです。工期の長短に比例するのは間接費で、直接費は出来高に比例します。

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