2026年版・5-11

安全管理:掘削作業と土止め支保工の一問一答

1級土木施工管理技士「共通工学・施工管理法」から、安全管理:掘削作業と土止め支保工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-11

地山の掘削の作業を行う場合に、あらかじめ調査しなければならない事項として、労働安全衛生法令上、定められていないものはどれか。

  • ①掘削箇所の形状、地質及び地層の状態
  • ②き裂、含水、湧水及び凍結の有無及び状態
  • ③地下の埋設物等の有無及びその状態
  • ④掘削した土砂の受入れ先の処分単価
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正解 ④掘削した土砂の受入れ先の処分単価
解説
地山の掘削では、掘り進むにつれて土の自立できる高さが変わり、湧水や埋設物が現れることもあります。掘ってから知ったのでは間に合わないため、あらかじめ地山の状態を調べ、それに適応する掘削の時期及び順序を定めて作業することとされています。
調査すべき事項は四つです。第一に形状、地質及び地層の状態。第二にき裂、含水、湧水及び凍結の有無及び状態。き裂があれば土塊が抜け落ちやすく、含水や湧水があればせん断強さが下がり、凍結した地山は解けたときに一気に崩れます。第三に埋設物等の有無及び状態。ガス管や電力ケーブルの損壊は爆発や感電に直結します。第四に高温のガス及び蒸気の有無及び状態です。
調査の方法はボーリングその他適当な方法とされており、既存の資料の収集、埋設物管理者への照会、試掘などを組み合わせて行います。
一方、掘削した土砂の受入れ先の処分単価は、工事費に関わる事項ではありますが、地山の崩壊や埋設物の損壊という労働災害の防止とは関係がなく、この調査事項には含まれません。
(根拠:労働安全衛生規則第355条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削箇所の形状、地質及び地層の状態」は定められた調査事項です。掘削面のこう配や土止め支保工の要否を決める基礎になります。
「き裂、含水、湧水及び凍結の有無及び状態」も定められた調査事項です。いずれも地山の崩壊の直接の引き金になります。
「地下の埋設物等の有無及びその状態」も定められた調査事項です。ガス導管や電力ケーブルの損壊による災害を防ぐために必要です。
問25-11

手掘りにより地山の掘削の作業を行うとき、砂からなる地山、発破等により崩壊しやすい地山及び岩盤又は堅い粘土からなる地山のいずれにも該当しない地山で、掘削面の高さが2m以上5m未満の場合の掘削面のこう配の最大値として、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①45度
  • ②60度
  • ③75度
  • ④90度
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正解 ③75度
解説
手掘りによる掘削のこう配の基準は、土が自分の重さで崩れずに立っていられる限界を、地山の種類と掘削面の高さで区切ったものです。土は高く掘るほど自重が大きくなり、同じ土でも立てられる角度は緩くなります。だからこそ、こう配の上限は高さが増すほど小さくなります。
岩盤または堅い粘土からなる地山以外の一般の地山、いわゆる「その他の地山」では、掘削面の高さが2m未満のときは90度、2m以上5m未満のときは75度、5m以上のときは60度が上限です。設問は2m以上5m未満なので75度となります。
ここでいう掘削面の高さとは、掘削する面の下端から上端までの垂直の距離をいい、こう配は水平面からの角度で表します。90度とは垂直に掘ることを意味します。
なお「手掘り」とは、パワー・ショベルやトラクター・ショベル等の掘削機械を用いないで行う掘削のことです。機械掘削の場合は、この規定ではなく、車両系建設機械に関する規定や土止め支保工の規定によって安全を確保します。ただし実務では、機械掘削であっても、のり面の安定はこの基準を目安に検討します。
(根拠:労働安全衛生規則第356条第1項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「45度」は、発破等により崩壊しやすい状態になっている地山について定められたこう配の上限であり、その他の地山の基準ではありません。
「60度」は、その他の地山で掘削面の高さが5m以上となる場合の上限です。設問の高さの区分とは異なります。
「90度」は、その他の地山で掘削面の高さが2m未満の場合の上限です。2m以上になると垂直に掘ることは認められません。
問35-11

手掘りにより岩盤又は堅い粘土からなる地山の掘削の作業を行うとき、掘削面の高さが5m未満の場合の掘削面のこう配の最大値として、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①90度
  • ②60度
  • ③75度
  • ④85度
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正解 ①90度
解説
岩盤や堅い粘土は、砂や緩い土に比べて粒子どうしの結びつきが強く、垂直に切り立てても自立できます。そのため、掘削面のこう配の上限も一般の地山より緩やかに設定されています。
岩盤または堅い粘土からなる地山では、掘削面の高さが5m未満のときは90度、5m以上のときは75度が上限です。5m未満であれば垂直に掘ることが認められますが、5m以上になると自重が大きくなり、掘削面の下端に生じるせん断力に耐えられなくなるおそれがあるため、75度まで寝かせなければなりません。
これに対して、岩盤または堅い粘土以外のその他の地山では、2m未満で90度、2m以上5m未満で75度、5m以上で60度と、区分がひとつ多く、値も厳しくなります。同じ高さでも土質によって安全なこう配が違う、という当たり前の事実を数値にしたものです。
なお、掘削面に傾斜の異なる部分があってこう配が算定できないときは、それぞれの部分について、基準に従い、それよりも崩壊の危険が大きくならないように傾斜を保持しなければなりません。
(根拠:労働安全衛生規則第356条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「60度」は、その他の地山で掘削面の高さが5m以上となる場合の上限であり、岩盤又は堅い粘土からなる地山の基準ではありません。
「75度」は、岩盤又は堅い粘土からなる地山で掘削面の高さが5m以上となる場合の上限です。設問は5m未満の場合を問うています。
「85度」は法令に定めのない値です。こう配の基準として定められているのは90度、75度、60度などであり、85度という区分は存在しません。
問45-11

手掘りにより砂からなる地山の掘削の作業を行うときの基準として、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①こう配を45度以下とし、又は高さを5m未満とする。
  • ②こう配を35度以下とし、又は高さを2m未満とする。
  • ③こう配を35度以下とし、又は高さを5m未満とする。
  • ④こう配を45度以下とし、又は高さを2m未満とする。
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正解 ③こう配を35度以下とし、又は高さを5m未満とする。
解説
砂からなる地山は、粒どうしのかみ合いだけで形を保っており、粘着力がほとんどありません。そのため、水を含むと崩れやすく、垂直に切り立てることができません。この性質を反映して、砂の地山には他の地山とは別の基準が定められています。
手掘りにより砂からなる地山を掘削するときは、掘削面のこう配を35度以下とするか、または掘削面の高さを5m未満としなければなりません。35度という値は、乾いた砂を積み上げたときに自然にできる斜面の角度、いわゆる安息角に近い値です。
また、発破等により崩壊しやすい状態になっている地山については、掘削面のこう配を45度以下とするか、または掘削面の高さを2m未満とします。発破で細かくひび割れた地山は、見た目は硬い岩でも内部の結びつきが失われており、いつ抜け落ちるか分からない状態にあるためです。
いずれも「こう配」か「高さ」のどちらか一方を満たせばよい選択の形で定められている点も押さえておきましょう。角度を緩くするか、一度に掘る高さを抑えるか、現場に合うほうを選べるようにしたものです。
(根拠:労働安全衛生規則第357条第1項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「こう配を45度以下とし、又は高さを5m未満とする。」は誤りです。45度は発破等により崩壊しやすい地山の値であり、砂の地山では35度以下です。
「こう配を35度以下とし、又は高さを2m未満とする。」も誤りです。高さの基準は5m未満であり、2m未満は発破等により崩壊しやすい地山の値です。
「こう配を45度以下とし、又は高さを2m未満とする。」も誤りです。これは発破等により崩壊しやすい状態になっている地山に適用される基準です。
問55-11

明り掘削の作業における地山の点検に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①点検は、大雨の後に行えば足り、地震の後には要しないものとする。
  • ②点検は、七日をこえない期間ごとに行えば足りるものとする。
  • ③点検は、発破を行った後には行わなくても差し支えない。
  • ④その日の作業を開始する前に、浮石及びき裂の状態を点検する。
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正解 ④その日の作業を開始する前に、浮石及びき裂の状態を点検する。
解説
地山は、掘削したあとも刻々と状態が変わります。夜のうちに雨がしみ込んで含水比が上がる、日射と冷え込みの繰り返しで表面がゆるむ、といったことが起こるためです。そこで、掘削の作業では点検の時期が具体的に定められています。
事業者は、点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、その日の作業を開始する前、大雨の後、および中震以上の地震の後に、浮石及びき裂の有無と状態、ならびに含水、湧水、凍結の状態の変化を点検させなければなりません。三つの時期はいずれか一つではなく、すべてが対象です。
さらに、発破を行った後についても、点検者を指名して、発破を行った箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無と状態を点検させます。発破の衝撃で新たなき裂が入り、見た目には分からない浮石ができるためです。
あわせて、明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、労働者に保護帽を着用させ、作業を安全に行うために必要な照度を保持しなければなりません。
(根拠:労働安全衛生規則第358条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「点検は、大雨の後に行えば足り、地震の後には要しないものとする。」は誤りです。中震以上の地震の後も点検しなければなりません。
「点検は、七日をこえない期間ごとに行えば足りるものとする。」も誤りです。七日をこえない期間ごとという定めは土止め支保工の点検についてのものであり、地山の点検はその日の作業を開始する前などに行います。
「点検は、発破を行った後には行わなくても差し支えない。」も誤りです。発破の後は、その箇所及び周辺の浮石及びき裂について点検者に点検させなければなりません。
問65-11

明り掘削の作業における危険の防止に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①運搬機械等の運行経路は、運転者だけが知っていればよい。
  • ②作業に従事する労働者には、保護帽を着用させなければならない。
  • ③運搬機械等が後進して接近するときも、誘導者は要しないとされる。
  • ④作業を行う場所の照度は、特に確保しなくてもかまわない。
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正解 ②作業に従事する労働者には、保護帽を着用させなければならない。
解説
明り掘削とは、トンネルのような坑内ではなく、地表を開いて行う掘削のことです。掘削面の上から石が落ちてくる、機械が近づいてくる、暗くて足元が見えないといった危険があり、それぞれに措置が定められています。
まず、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければなりません。労働者の側にも着用する義務があります。掘削面の上部から拳大の石が落ちるだけでも、頭部に当たれば致命傷になり得ます。
次に、あらかじめ運搬機械、掘削機械及び積込機械の運行の経路と、土石の積卸し場所への出入の方法を定め、これを関係労働者に周知させなければなりません。運転者だけが知っていても、周囲で作業する者が経路を知らなければ、はさまれや接触の災害を防げません。
また、これらの機械が作業箇所に後進して接近するとき、または転落するおそれのあるときは、誘導者を配置して誘導させます。後進は運転席から死角が大きく、単独では安全を確認できないためです。運転者は誘導に従わなければなりません。
さらに、作業を安全に行うために必要な照度を保持しなければなりません。
(根拠:労働安全衛生規則第364条から第367条までによります)

他の選択肢が不適切な理由
「運搬機械等の運行経路は、運転者だけが知っていればよい。」は誤りです。運行経路と積卸し場所への出入の方法は、関係労働者に周知させなければなりません。
「運搬機械等が後進して接近するときも、誘導者は要しないとされる。」も誤りです。後進して接近するときや転落のおそれがあるときは、誘導者を配置します。
「作業を行う場所の照度は、特に確保しなくてもかまわない。」も誤りです。作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければなりません。
問75-11

明り掘削の作業において埋設物等に近接する箇所で作業を行う場合の措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①露出したガス導管には、つり防護や受け防護等の防護を行う。
  • ②露出したガス導管は、防護を行わずに作業を続けてよい。
  • ③ガス導管の防護の作業は、指揮者を定めずに行ってよい。
  • ④近接する擁壁は、補強や移設を行わないまま掘削してもよい。
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正解 ①露出したガス導管には、つり防護や受け防護等の防護を行う。
解説
都市部の掘削で最も重大な事故につながるのが、埋設物の損壊です。とりわけガス導管は、破損すれば爆発や中毒を招き、周辺の住民まで巻き込みます。
まず、埋設物等や、れんが壁、コンクリートブロック塀、擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行う場合において、これらの損壊等により危険を及ぼすおそれがあるときは、これらを補強し、移設するなどの措置を講じた後でなければ作業を行ってはなりません。掘削によって足元の土が取り除かれると、擁壁やブロック塀は支えを失って倒れるからです。
次に、掘削により露出したガス導管については、損壊による危険を防ぐ措置として、つり防護、受け防護等による防護を行うか、またはガス導管を移設しなければなりません。つり防護は上から吊って支える方法、受け防護は下から受け台で支える方法で、いずれも導管に無理な力がかからないようにするものです。露出したまま放置すれば、自重で曲がり、継手が抜けます。
さらに、このガス導管の防護の作業については、作業を指揮する者を指名し、その者の直接の指揮のもとに行わせなければなりません。
(根拠:労働安全衛生規則第362条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「露出したガス導管は、防護を行わずに作業を続けてよい。」は誤りです。つり防護、受け防護等の防護を行うか、移設等の措置が必要です。
「ガス導管の防護の作業は、指揮者を定めずに行ってよい。」も誤りです。作業を指揮する者を指名し、その直接の指揮のもとで行わせなければなりません。
「近接する擁壁は、補強や移設を行わないまま掘削してもよい。」も誤りです。補強や移設等の措置を講じた後でなければ作業を行えません。
問85-11

土止め支保工の部材の取付け等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、重ね継手とすること。
  • ②切りばりは、矢板やくいに取り付けなくてもかまわない。
  • ③圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、突合せ継手とすること。
  • ④切りばりの交さ部は、番線で緊結すれば足りるものとされる。
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正解 ③圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、突合せ継手とすること。
解説
土止め支保工は、掘削した側面の土圧を、腹起しと切りばりで受け止めて支える仮設の骨組みです。ここが壊れると、掘削の底で作業している者が一瞬で土砂に埋まるため、部材の取付け方が細かく定められています。
圧縮材、すなわち押される力を受ける部材(火打ちを除く。)の継手は、突合せ継手としなければなりません。突合せ継手とは、部材の端どうしを突き合わせて力をまっすぐ伝える継ぎ方です。重ね継手のように材をずらして重ねると、力の伝わる線が偏心し、継手部で部材が折れ曲がるおそれがあります。切りばりのように長い圧縮材では、この偏心が座屈の引き金になります。
切りばり及び腹起しは、脱落を防止するため、矢板やくい等に確実に取り付けなければなりません。土圧を受けた部材が抜け落ちれば、その瞬間に土止めは機能を失います。
切りばりまたは火打ちの接続部、および切りばりどうしの交さ部は、当て板をあててボルトにより緊結するか、溶接により接合するなどの方法で堅固なものとします。番線で縛る程度では、圧縮と曲げの力に耐えられません。
中間支持柱を備えた土止め支保工では、切りばりをその中間支持柱に確実に取り付けます。
(根拠:労働安全衛生規則第371条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、重ね継手とすること。」は誤りです。圧縮材の継手は突合せ継手としなければなりません。
「切りばりは、矢板やくいに取り付けなくてもかまわない。」も誤りです。切りばり及び腹起しは、脱落を防止するため矢板やくい等に確実に取り付けます。
「切りばりの交さ部は、番線で緊結すれば足りるものとされる。」も誤りです。当て板をあててボルトで緊結する、溶接により接合するなど、堅固な方法によらなければなりません。
問95-11

土止め支保工の組立図及び点検に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①組立図は、作業の終了後に作成すればよいものとする。
  • ②設けたときは、一月をこえない期間ごとに点検を行えばよい。
  • ③設けたときは、七日をこえない期間ごとに点検を行うこと。
  • ④大雨により地山が軟弱化しても、点検は要しない。
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正解 ③設けたときは、七日をこえない期間ごとに点検を行うこと。
解説
土止め支保工は、土圧という目に見えない力を受け続けています。設置した直後は健全でも、日がたつにつれて切りばりの緊圧がゆるみ、腹起しがずれ、部材が変形していきます。そのため、定期の点検が義務づけられています。
土止め支保工を設けたときは、その後、七日をこえない期間ごと、中震以上の地震の後、および大雨等により地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後に点検し、異常を認めたときは直ちに補強し、または補修しなければなりません。
点検する事項は三つです。部材の損傷、変形、腐食、変位及び脱落の有無及び状態。切りばりの緊圧の度合。部材の接続部、取付け部及び交さ部の状態です。とくに切りばりの緊圧は、ゆるむと土圧を受け持たなくなり、矢板が内側へはらみ出す原因になります。
また、土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ組立図を作成し、その組立図により組み立てなければなりません。組立図には、矢板、くい、背板、腹起し、切りばり等の部材の配置、寸法及び材質、ならびに取付けの時期及び順序を示します。取付けの順序まで示すのは、順序を誤ると一時的に無支保の状態が生じるためです。
(根拠:労働安全衛生規則第370条及び第373条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「組立図は、作業の終了後に作成すればよいものとする。」は誤りです。組立図はあらかじめ作成し、その組立図により組み立てなければなりません。
「設けたときは、一月をこえない期間ごとに点検を行えばよい。」も誤りです。定期の点検は七日をこえない期間ごとに行います。
「大雨により地山が軟弱化しても、点検は要しない。」も誤りです。大雨等により地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後は、点検しなければなりません。
問105-11

掘削作業及び土止め支保工に係る作業主任者に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

  • ①掘削面の高さが5m以上の地山の掘削で作業主任者を選任する。
  • ②土止め支保工の切りばりの取付けに作業主任者は要しない。
  • ③作業主任者は、作業を直接指揮する必要はないものとする。
  • ④掘削面の高さが2m以上の地山の掘削で作業主任者を選任する。
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正解 ④掘削面の高さが2m以上の地山の掘削で作業主任者を選任する。
解説
作業主任者は、危険度の高い作業について、その場で作業の方法を決め、直接指揮する責任者です。誰でもなれるものではなく、定められた技能講習を修了した者などから選任します。
掘削と土止めについては、二つの作業主任者が定められています。ひとつが地山の掘削作業主任者で、掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削(ずい道及びたて坑以外の坑の掘削を除く。)の作業について選任します。もうひとつが土止め支保工作業主任者で、土止め支保工の切りばり又は腹起しの取付け又は取り外しの作業について選任します。こちらは高さによる区分はなく、その作業を行う以上は必要です。
いずれも、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任します。二つの作業主任者は同じ技能講習が資格の根拠になっている点も押さえておきましょう。
職務も共通しています。作業の方法を決定し作業を直接指揮すること、器具及び工具(土止め支保工作業主任者は材料の欠点の有無も)を点検し不良品を取り除くこと、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することです。指揮を伴わない立場ではありません。
(根拠:労働安全衛生法施行令第6条第9号及び第10号、労働安全衛生規則第359条、第360条、第374条、第375条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削面の高さが5m以上の地山の掘削で作業主任者を選任する。」は誤りです。地山の掘削作業主任者の選任が必要となるのは、掘削面の高さが2m以上となる場合です。
「土止め支保工の切りばりの取付けに作業主任者は要しない。」も誤りです。切りばり又は腹起しの取付け又は取り外しの作業には、土止め支保工作業主任者を選任します。
「作業主任者は、作業を直接指揮する必要はないものとする。」も誤りです。作業の方法を決定し、作業を直接指揮することが職務として定められています。

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