2026年版・5-1

測量(水準測量・トラバース測量・GNSS)の一問一答

1級土木施工管理技士「共通工学・施工管理法」から、測量(水準測量・トラバース測量・GNSS)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-1

水準測量に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①後視とは、標高が既知の点に立てた標尺の読みをいう。
  • ②前視とは、標高が既知の点に立てた標尺の読みをいう。
  • ③器高式とは、各測点間の高低差を順に求める方法をいう。
  • ④昇降式とは、器械の視準線の標高を求める方法をいう。
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正解 ①後視とは、標高が既知の点に立てた標尺の読みをいう。
解説
水準測量は、レベル(水平な視準線をつくる器械)と標尺を使って、2点間の高さの差を測る作業です。レベルそのものは高さを測る器械ではなく、水平な線を引く器械にすぎません。その水平線を基準にして、既知の点と求めたい点の標尺の目盛を読み、その差から高さの差を出す、という考え方が出発点になります。
ここで、標高が分かっている点に立てた標尺の読みを後視(B.S.)、標高を求めようとする点に立てた標尺の読みを前視(F.S.)といいます。器械の後ろ・前という位置関係ではなく、既知点か未知点かで呼び分ける点に注意してください。進行方向に対して、すでに測り終えた側を振り返る(後ろを見る)ので後視、これから進む側を見るので前視、と覚えると取り違えません。
計算の方法には器高式と昇降式の2つがあります。器高式は、既知点の標高に後視を足して視準線の標高(器械高)を求め、そこから前視を引いて各点の標高を出す方法で、1回の据付で多くの点を測るときに便利です。昇降式は、後視から前視を引いて2点間の高低差だけを順に積み上げていく方法です。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「前視とは、標高が既知の点に立てた標尺の読みをいう。」は誤りです。前視は標高を求めようとする点、すなわち未知点に立てた標尺の読みをいいます。
「器高式とは、各測点間の高低差を順に求める方法をいう。」も誤りです。測点間の高低差を順に求めていくのは昇降式で、器高式は視準線の標高を経由して各点の標高を求めます。
「昇降式とは、器械の視準線の標高を求める方法をいう。」も誤りです。視準線の標高(器械高)を求めるのは器高式であり、両者の説明が入れ替わっています。
問25-1

水準測量における誤差の軽減に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①レベルは、後視の標尺にできるだけ近づけて据え付ける。
  • ②レベルは、前視と後視の視準距離を等しくして据え付ける。
  • ③標尺は、風の影響を避けるため前後に傾けて視準する。
  • ④標尺の零点誤差は、器械の据付回数を奇数回にすると消える。
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正解 ②レベルは、前視と後視の視準距離を等しくして据え付ける。
解説
水準測量の誤差対策の中心にあるのが、レベルを前視の標尺と後視の標尺のちょうど中間に据え、視準距離を等しくするという方法です。この一つの操作だけで、三種類の誤差が同時に打ち消されます。
一つ目は視準軸誤差です。レベルの視準線が完全な水平からわずかに傾いていると、標尺の読みは距離に比例してずれます。前後の距離が等しければ、後視のずれと前視のずれが同じ大きさになり、高低差を計算するときに差し引かれて消えます。
二つ目は地球の曲率による誤差(球差)です。水平な視準線は、地球の丸みに沿った基準面から距離が離れるほど上へ離れていきます。三つ目は光の屈折による誤差(気差)で、大気の密度の違いで光線が曲がることによって生じます。いずれも距離に応じて生じる誤差なので、前後の距離をそろえれば同じように打ち消されます。
器械の据付回数を偶数回にする方法も有効ですが、これは標尺の底面が摩耗して目盛の零点がずれている誤差(零点誤差)を消すためのもので、奇数回ではありません。1回ごとに標尺の前後が入れ替わるため、偶数回であれば影響が相殺されます。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「レベルは、後視の標尺にできるだけ近づけて据え付ける。」は誤りです。片方に寄せると前後の視準距離の差が大きくなり、視準軸誤差や球差・気差が打ち消されずに残ります。
「標尺は、風の影響を避けるため前後に傾けて視準する。」も誤りです。標尺が傾くと読みは実際より大きくなるため、標尺は気泡管や支柱を用いて鉛直に立てます。
「標尺の零点誤差は、器械の据付回数を奇数回にすると消える。」も誤りです。零点誤差が相殺されるのは据付回数が偶数回のときであり、奇数回では一方の標尺の影響が残ります。
問35-1

標高10.000mのA点にレベルを向けて標尺を読むと1.520mであった。次に、器械を据え変えずにB点の標尺を読むと0.890mであった。B点の標高として、適当なものはどれか。

  • ①9.370m
  • ②10.000m
  • ③10.630m
  • ④11.520m
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正解 ③10.630m
解説
水準測量の計算は、視準線が水平であるという一点だけを頼りに組み立てます。同じ器械から見た標尺の読みは、どちらも同じ高さの水平線から下向きに測った長さなので、読みの差がそのまま2点の高さの差になります。
まずA点の読みが後視、B点の読みが前視です。A点は標高が分かっている既知点だからです。高低差は次のように求めます。
高低差 = 後視 - 前視 = 1.520 - 0.890 = +0.630m
値が正になったので、B点はA点より0.630m高いことになります。読みが小さいほど標尺の高い位置を見ていることになり、その点は高い、と考えると符号を間違えません。
したがってB点の標高は次のとおりです。
B点の標高 = 10.000 + 0.630 = 10.630m
器高式で解いても同じ答えになります。視準線の標高(器械高)は 10.000 + 1.520 = 11.520m であり、そこから前視を引いて 11.520 - 0.890 = 10.630m です。どちらの方法でも、既知点の標高に後視を足して水平線の高さを出し、そこから前視を引くという流れは変わりません。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「9.370m」は、高低差の符号を逆にして 10.000 - 0.630 と計算した値であり、B点をA点より低いとした誤りです。
「10.000m」は、A点の標高をそのまま答えたもので、後視と前視の差である0.630mを加えていません。
「11.520m」は、既知点の標高に後視を加えた器械高そのものであり、視準線の標高であってB点の標高ではありません。前視を引く手順が抜けています。
問45-1

標高20.000mのA点に立てた標尺の読みが1.845mであった。同じ器械のまま、C点に立てた標尺の読みが0.925mであったとき、C点の標高として適当なものはどれか。

  • ①18.155m
  • ②21.845m
  • ③22.770m
  • ④20.920m
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正解 ④20.920m
解説
1回の据付で複数の点の標高を求めるときは、器高式で考えると計算が速く、間違いも減ります。器高式は、まず視準線そのものの標高(器械高)を確定させ、そのあとは各点の読みを引くだけ、という二段構えの方法です。
第一段階として、器械高を求めます。器械高は、既知点の標高に、その既知点に立てた標尺の読み(後視)を足したものです。
器械高 = 20.000 + 1.845 = 21.845m
これは、レベルが引いている水平な視準線が標高21.845mの高さを通っている、という意味です。器械を据え変えない限り、この値は変わりません。
第二段階として、C点の標高を求めます。C点の標尺の読みは、その水平線からC点の地表面までの下向きの長さですから、器械高から引けばC点の標高になります。
C点の標高 = 21.845 - 0.925 = 20.920m
器械高が変わらないので、同じ据付で観測した点はいくつあっても、器械高から各点の読みを引くだけで標高が出せます。これが器高式の利点です。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「18.155m」は、既知点の標高から後視を差し引いた値です。後視は既知点の標高に加えて器械高を求めるものであり、引くのではありません。
「21.845m」は、器械高そのものです。視準線の高さであって、C点の地表面の標高ではありません。C点の読みを引く手順が抜けています。
「22.770m」は、既知点の標高に二つの読みを両方とも加えた値であり、前視は器械高から引くという関係を取り違えています。
問55-1

水準測量の誤差に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①地球の曲率による誤差は、視準距離を長くすると小さくなる。
  • ②視準軸誤差は、前視と後視の視準距離を等しくすると消える。
  • ③標尺の零点誤差は、器械の据付回数を偶数回にすると消える。
  • ④標尺は鉛直に立て、傾きによる読定の誤差を防ぐ。
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正解 ①地球の曲率による誤差は、視準距離を長くすると小さくなる。
解説
水準測量で問題になる誤差は、器械に起因するもの、標尺に起因するもの、自然現象に起因するものに分けて整理すると理解しやすくなります。
地球の曲率による誤差(球差)は、自然現象に起因する誤差です。レベルの視準線は真っすぐな水平線ですが、標高の基準となる面は地球の丸みに沿って湾曲しています。そのため、器械から遠ざかるほど視準線は基準面から上へ離れ、標尺の読みは実際より大きくなります。この離れる量は距離の二乗に比例して大きくなるので、視準距離を長くすればするほど誤差は大きくなります。したがって「視準距離を長くすると小さくなる」という記述は逆で、誤りです。実務で1視準の距離をおおむね50〜70メートル程度に抑えるのは、この誤差と大気の揺らぎを小さくするためです。
視準軸誤差は器械に起因する誤差で、視準線がわずかに傾いていることによって生じます。前視と後視の視準距離を等しくすれば、同じ大きさの誤差が両方に生じて差し引きで消えます。標尺の零点誤差は標尺に起因する誤差で、器械の据付回数を偶数回にすることで相殺されます。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「視準軸誤差は、前視と後視の視準距離を等しくすると消える。」は正しい記述です。前後で同じ大きさのずれが生じ、高低差の計算で打ち消されます。
「標尺の零点誤差は、器械の据付回数を偶数回にすると消える。」も正しい記述です。据付ごとに2本の標尺の前後が入れ替わるため、偶数回で影響が相殺されます。
「標尺は鉛直に立て、傾きによる読定の誤差を防ぐ。」も正しい記述です。標尺が傾くと視準線までの長さが実際より長く読まれ、必ず一方向の誤差になります。
問65-1

全長3.0kmの閉合水準路線を測量したところ、閉合差が+9mmとなった。この誤差を出発点からの距離に比例して配分するとき、出発点から1.5kmの位置にある測点に与える補正量として、適当なものはどれか。

  • ①+4.5mm
  • ②-4.5mm
  • ③-9.0mm
  • ④-3.0mm
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正解 ②-4.5mm
解説
閉合水準路線とは、ある点から出発して測量を続け、再び同じ点に戻ってくる路線のことです。理論上は出発点に戻れば標高は元の値と一致するはずですが、実際には観測の誤差が積み重なるため、わずかな差が生じます。この差を閉合差といいます。
閉合差が許容範囲に収まっていれば、その誤差を各測点に振り分けて、路線全体のつじつまを合わせます。このとき、誤差は観測を重ねるほど積み上がると考えられるため、出発点からの距離に比例して配分するのが原則です。距離が長いほど据付回数も観測回数も多く、それだけ誤差がたまっているからです。
補正量は、閉合差を打ち消す向き、すなわち閉合差と逆の符号で与えます。
補正量 = - 閉合差 × (出発点からの距離 ÷ 路線全長)
この式に当てはめると次のようになります。
補正量 = - 9 × (1.5 ÷ 3.0) = - 9 × 0.5 = -4.5mm
したがって、この測点に与える補正量は-4.5mmです。閉合差が+9mmであれば、終点で与える補正量は-9mmとなり、途中の点にはその途中までの割合が与えられる、という関係になります。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の水準測量の計算に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「+4.5mm」は、大きさは正しいものの符号が逆です。補正は誤差を打ち消す向きに与えるため、閉合差が正なら補正は負になります。
「-9.0mm」は、路線の終点に与えるべき補正量です。出発点から1.5kmの地点は全長の半分にあたるため、この値をそのまま与えることはできません。
「-3.0mm」は、9mmを3等分するなど、距離の比を1.5÷3.0=0.5と取らずに計算した値であり、距離に比例した配分になっていません。
問75-1

トラバース測量に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①閉合トラバースは、出発点に戻る多角形を組む測量をいう。
  • ②開放トラバースは、閉合誤差の点検ができる測量方法である。
  • ③方位角とは、隣り合う二つの測線がなす角のことをいう。
  • ④結合トラバースは、既知点を用いない測量方法をいう。
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正解 ①閉合トラバースは、出発点に戻る多角形を組む測量をいう。
解説
トラバース測量は、地上に測点を連ねて折れ線(トラバース)をつくり、各測線の長さと、測線どうしがなす角を測って、各点の位置(座標)を求める測量です。基準点をもとに現場の位置を決める作業の基本になります。
形の違いによって三つに分けられます。閉合トラバースは、出発点から測り進んで再び同じ出発点に戻る多角形を組むもので、多角形の内角の和が理論値と一致するか、座標の増減の合計が零になるかを確かめることで、観測の誤差を点検できます。結合トラバースは、既知点から出発して別の既知点に到達するもので、これも両端の既知の座標と突き合わせて点検ができます。開放トラバースは、一方向へ測り進んで終わるもので、戻る先も突き合わせる先もないため、誤差の点検ができません。精度が要求される作業には向かないのはこのためです。
用語では、方位角と交角の区別が大切です。方位角は真北の方向を基準として右回りに測った角で、測線そのものの向きを表します。隣り合う二つの測線がなす角は交角(夾角)と呼び、方位角とは別のものです。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の基準点測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「開放トラバースは、閉合誤差の点検ができる測量方法である。」は誤りです。開放トラバースは出発点にも他の既知点にも戻らないため、閉合誤差を求めて点検することができません。
「方位角とは、隣り合う二つの測線がなす角のことをいう。」も誤りです。方位角は真北を基準に右回りに測った角であり、測線どうしがなす角は交角といいます。
「結合トラバースは、既知点を用いない測量方法をいう。」も誤りです。結合トラバースは既知点から出発して別の既知点に結合するもので、既知点を前提とする方法です。
問85-1

閉合トラバース測量を行った結果、測線長の総和が800.00m、閉合誤差が0.16mであった。このトラバースの閉合比として、適当なものはどれか。

  • ①1/500
  • ②1/1250
  • ③1/8000
  • ④1/5000
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正解 ④1/5000
解説
閉合トラバースでは、出発点から各測線をたどって計算した座標が、一周したあとに出発点の座標と一致するはずです。しかし実際には角と距離の観測に誤差があるため、わずかにずれた位置に戻ってきます。このずれの大きさを閉合誤差といいます。
ただし、閉合誤差の絶対値だけでは測量の良し悪しを判断できません。全長100mの路線で0.16mずれるのと、全長800mの路線で0.16mずれるのとでは、精度がまったく違うからです。そこで、閉合誤差を測線長の総和で割った値を閉合比と呼び、精度の指標として用います。分子を1にした分数の形で表すのが決まりです。
閉合比 = 閉合誤差 ÷ 測線長の総和
この式に数値を当てはめます。
閉合比 = 0.16 ÷ 800.00 = 0.0002
これを分子が1の分数に直すと、次のようになります。
0.0002 = 2 ÷ 10000 = 1 ÷ 5000
したがって閉合比は 1/5000 です。分母が大きいほど誤差が相対的に小さく、精度が高いことを意味します。トラバース測量の許容される閉合比は、市街地か山地かといった地域の区分や測量の等級によって定められており、この値を超えた場合は再測が必要になります。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)の基準点測量の計算に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1/500」は、0.16÷800を0.002と計算するなど、小数点の位置を一桁取り違えた値です。正しくは0.0002となります。
「1/1250」は 0.0008 にあたり、閉合誤差を実際の4倍の0.64mとして計算した場合の値です。0.16mを用いれば0.0002となります。
「1/8000」は、閉合誤差を0.10mとして計算した場合の値です。与えられた0.16mを用いれば1/5000となります。
問95-1

GNSS測量に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①スタティック法は、短時間で多数の点を観測する方法である。
  • ②測位には、上空の見通しが確保されていることが必要である。
  • ③RTK法は、観測後に基線解析を行って結果を得る方法である。
  • ④GNSS測量は、観測点間の視通が確保されないと行えない。
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正解 ②測位には、上空の見通しが確保されていることが必要である。
解説
GNSS測量は、上空の測位衛星から届く電波を受信して位置を求める測量です。トータルステーションのように器械から目標を直接のぞく必要がないため、点と点の間に建物や樹木があっても、また互いが見えない離れた場所どうしでも観測できます。この視通が不要という点が、従来の測量に対する最大の利点です。
その代わり、上空との間に遮るものがないことが絶対の条件になります。衛星からの電波は極めて微弱で、建物や樹木、高架橋に遮られると受信できません。また、建物の壁などに反射した電波を受信してしまうマルチパスという現象が起きると、位置が大きくずれた値になります。したがって観測点は、上空の視界が広く開けた場所を選ぶ必要があります。
観測の方法には、複数の受信機を長時間据え置いて高い精度を得るスタティック法と、基準局が求めた補正の情報を無線で移動局へ送り、その場で位置を確定させるRTK法(リアルタイムキネマティック法)があります。スタティック法は観測後に基線解析という計算処理を行って結果を得るのに対し、RTK法は現地で即座に結果が得られるため、丁張りの設置や出来形の確認に用いられます。
(根拠:測量法に基づく作業規程の準則(国土交通省告示)のGNSS測量に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「スタティック法は、短時間で多数の点を観測する方法である。」は誤りです。スタティック法は受信機を長時間据え置いて観測する方法で、精度は高い一方、多数の点を短時間で回るのには向きません。
「RTK法は、観測後に基線解析を行って結果を得る方法である。」も誤りです。観測後に基線解析を行うのはスタティック法で、RTK法は観測している現地でその場に結果が得られます。
「GNSS測量は、観測点間の視通が確保されないと行えない。」も誤りです。GNSS測量は観測点どうしの視通を必要とせず、必要なのは上空との見通しです。
問105-1

公共工事における測量に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①トータルステーションは、距離と角度を同時に測定できる。
  • ②水準測量では、往復の測定を行って較差を点検する。
  • ③GNSS測量では、標高は楕円体高から直接得られる。
  • ④基準点測量では、既知点の異常の有無を点検する。
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正解 ③GNSS測量では、標高は楕円体高から直接得られる。
解説
GNSS測量で直接得られる高さは、地球の形を数学的な回転楕円体に置き換えたときの、その面からの高さです。これを楕円体高といいます。ところが、日本の測量で用いる標高は、平均海面を陸地の下まで延長した面であるジオイドを基準とした高さです。
楕円体は計算のための単純な形であるのに対し、ジオイドは地下の岩石の密度の違いによって上下に波打っている面であり、両者は一致しません。日本付近では、その差(ジオイド高)が30メートルを超える場所もあります。したがってGNSS測量の結果から標高を得るには、次の関係を用いてジオイド高を差し引く必要があります。
標高 = 楕円体高 - ジオイド高
ジオイド高は、国土地理院が公表しているジオイド・モデルから求めます。この補正を行わずに楕円体高をそのまま標高として扱うと、数十メートル単位の誤りになります。したがって「楕円体高から直接得られる」という記述は誤りです。
なお、水準測量では往復の観測を行ってその較差を点検し、許容の範囲に収まっているかを確かめます。基準点測量では、使用する既知点そのものが動いていないかを、複数の既知点との関係から点検します。
(根拠:国土地理院のジオイド・モデル及び測量法に基づく作業規程の準則によります)

他の選択肢が不適切な理由
「トータルステーションは、距離と角度を同時に測定できる。」は正しい記述です。光波測距儀とセオドライトを一体にした器械で、斜距離と水平角・鉛直角を同時に観測し、座標を計算できます。
「水準測量では、往復の測定を行って較差を点検する。」も正しい記述です。往路と復路の結果の差が許容範囲を超えていれば、再測が必要になります。
「基準点測量では、既知点の異常の有無を点検する。」も正しい記述です。地盤変動などで既知点が動いていると、そこから求めた全ての点の位置が狂うためです。

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