2026年版・4-9

建築基準法(仮設建築物の制限の緩和)の一問一答

1級土木施工管理技士「法規」から、建築基準法(仮設建築物の制限の緩和)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-9

仮設建築物に対する制限の緩和の対象に関する次の記述のうち、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①工事現場に設ける事務所や材料置場は、緩和の対象である。
  • ②工事完成後に使用する社員寮も、緩和の対象に含まれる。
  • ③現場に設ける下小屋は、緩和の対象外に位置づけられる。
  • ④緩和の対象は、非常災害時の応急仮設建築物に限られている。
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正解 ①工事現場に設ける事務所や材料置場は、緩和の対象である。
解説
建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備、用途について最低の基準を定め、国民の生命、健康及び財産の保護を図る法律です。しかし、これらの基準は長く使い続ける建築物を前提に組み立てられています。工事の期間だけ建てて、終われば取り壊す建物にまで同じ基準を求めるのは実情に合いません。そこで一部の規定の適用を除外する仕組みが置かれています。
緩和の対象となるのは二つの類型です。ひとつは、災害があった場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物です。もうひとつが、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物です。土木工事でいえば、現場事務所、詰所、材料置場、加工小屋などがこれに当たります。
ここで大切なのは、緩和が認められる理由が「工事のためだけに設け、工事が終われば取り除くこと」にある点です。したがって、工事の完成後も継続して使用する社員寮や倉庫のような建築物は、たとえ工事期間中に建てたとしても、この緩和の対象にはなりません。
(根拠:建築基準法第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事完成後に使用する社員寮も、緩和の対象に含まれる。」は誤りです。緩和は工事を施工するために現場に設ける仮設のものに限られ、工事後も使い続ける建築物は対象外です。
「現場に設ける下小屋は、緩和の対象外に位置づけられる。」も誤りで、下小屋は条文に明記された緩和の対象です。
「緩和の対象は、非常災害時の応急仮設建築物に限られている。」も誤りです。応急仮設建築物と並んで、工事を施工するために現場に設ける仮設建築物も対象とされています。
問24-9

工事現場に設ける仮設建築物と建築確認に関する次の記述のうち、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①仮設建築物であっても、確認の申請と完了検査が必要である。
  • ②確認の申請は不要だが、完了検査は受ける必要があるとされる。
  • ③工事現場の仮設建築物には、確認の申請の規定は適用されない。
  • ④確認の申請に代えて、特定行政庁への届出が必要とされる。
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正解 ③工事現場の仮設建築物には、確認の申請の規定は適用されない。
解説
建築確認は、建築物を建てる前にその計画が建築基準関係規定に適合しているかどうかを建築主事または指定確認検査機関が審査する制度で、建築基準法の手続の中心をなすものです。
ところが、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、確認から完了検査、仮使用の認定に至るまでの一連の手続の規定が、まとめて適用除外とされています。数か月から数年で撤去される建物について、着工前の審査と完成後の検査を求めるのは、行政の側にも建築主の側にも過大な負担になるからです。したがって、確認の申請も完了検査も必要ありません。特定行政庁への届出に置き換えられるわけでもありません。
ただし、確認の手続が不要であることと、建築基準法の実体的な基準がすべて不要であることとは別の話です。たとえば構造耐力に関する規定は適用除外の一覧に含まれておらず、仮設建築物にも適用されます。現場事務所が風で倒れたり、雪の重みでつぶれたりして人が死傷することは、仮設だからといって許されないからです。手続が緩和されるぶん、設計と施工の責任は施工者自身が負うことになります。
(根拠:建築基準法第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「仮設建築物であっても、確認の申請と完了検査が必要である。」は誤りです。確認から完了検査までの規定は適用除外とされています。
「確認の申請は不要だが、完了検査は受ける必要があるとされる。」も誤りで、完了検査に関する規定も同様に適用除外です。
「確認の申請に代えて、特定行政庁への届出が必要とされる。」も誤りです。確認に代わる届出の手続は定められていません。
問34-9

工事現場に設ける仮設建築物に適用されない規定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

  • ①建蔽率の制限は、仮設建築物には適用されないものである。
  • ②容積率の制限は、仮設建築物には適用されないものである。
  • ③接道義務の規定は、仮設建築物には適用されないものである。
  • ④構造耐力の規定は、仮設建築物には適用されないものである。
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正解 ④構造耐力の規定は、仮設建築物には適用されないものである。
解説
仮設建築物について適用が除外される規定を整理するとき、最も大きなまとまりが建築基準法第3章、いわゆる集団規定です。集団規定は、都市の中で建築物どうしがどう並ぶべきかを定めるもので、敷地と道路の関係(接道義務)、用途地域による用途の制限、建蔽率、容積率、高さの制限、防火地域の制限などが含まれます。これらはまとめて仮設建築物には適用されません。
なぜ集団規定が丸ごと外れるのかというと、集団規定は良好な市街地を長期にわたって形成するための決まりだからです。工事の期間だけ存在し、終われば消える建物に対して、街並みの形成を求める意味がありません。
これに対し、建築物そのものの安全に関わる規定は、適用除外の一覧に入っていません。その代表が構造耐力の規定です。建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造でなければならないという規定は、仮設建築物にもそのまま適用されます。仮設であっても中で人が働く以上、倒壊して人が死傷することは許されないからです。したがって「構造耐力の規定は適用されない」という記述は誤りです。
(根拠:建築基準法第20条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「建蔽率の制限は、仮設建築物には適用されないものである。」は正しい記述で、建蔽率は第3章の集団規定に含まれます。
「容積率の制限は、仮設建築物には適用されないものである。」も正しく、容積率も集団規定のひとつです。
「接道義務の規定は、仮設建築物には適用されないものである。」も正しく、敷地が道路に2m以上接しなければならないという規定も第3章にあり、適用されません。
問44-9

防火地域又は準防火地域内における仮設建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①防火地域内であっても、屋根の構造に関する規定は適用されない。
  • ②防火地域内で延べ面積50m²超のものは、屋根の規定を受ける。
  • ③準防火地域内の仮設建築物は、この例外の対象外である。
  • ④面積にかかわらず、防火地域内では屋根の規定を受ける。
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正解 ②防火地域内で延べ面積50m²超のものは、屋根の規定を受ける。
解説
仮設建築物については建築基準法第3章の規定が適用されず、防火地域や準防火地域の制限もその中に含まれます。しかし、この適用除外にはさらに例外が設けられています。条文はただし書として、防火地域または準防火地域内にある延べ面積が50m²を超えるものについては、防火地域等の建築物の屋根に関する規定の適用があるものとする、と定めています。
なぜ屋根だけが例外として残されているのかを考えると、この規定の意味がはっきりします。防火地域や準防火地域は、市街地の火災が燃え広がるのを防ぐために指定される区域です。市街地の火災では、風にあおられた火の粉が飛んで別の建物の屋根に降り、そこから延焼が広がります。つまり屋根は、隣の建物へ火を渡すか、外から飛んできた火を受け止めるかの分かれ目になる部位です。仮設であっても、そこから街全体へ火が広がっては取り返しがつきません。そこで屋根の構造だけは、通常の建築物と同じ基準を守らせているわけです。
延べ面積50m²という線引きは、それを超える規模になると建物としての存在感が大きくなり、延焼の媒介となる危険が無視できなくなるという判断によるものです。逆にいえば、50m²以下の小さな仮設建築物であれば、防火地域内であってもこの規定は適用されません。
(根拠:建築基準法第85条第2項ただし書によります)

他の選択肢が不適切な理由
「防火地域内であっても、屋根の構造に関する規定は適用されない。」は誤りです。延べ面積50m²を超えるものについては屋根の規定の適用があります。
「準防火地域内の仮設建築物は、この例外の対象外である。」も誤りで、条文は防火地域と準防火地域の双方を対象としています。
「面積にかかわらず、防火地域内では屋根の規定を受ける。」も誤りです。適用があるのは延べ面積が50m²を超えるものに限られます。
問54-9

工事現場に設ける仮設建築物に適用される規定として、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①避雷設備の設置に関する規定についても、適用されるものである。
  • ②便所を水洗便所とする規定は、適用されるものである。
  • ③居室の採光及び換気に関する規定は、適用されるものである。
  • ④建築材料の品質に関する規定は、適用されるものである。
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正解 ③居室の採光及び換気に関する規定は、適用されるものである。
解説
仮設建築物の制限の緩和は、適用しない規定を条文に一つひとつ列挙する方式で定められています。したがって、そこに挙がっていない規定はすべて適用されるということになります。列挙されているものを覚えるより、何が残っているのかを押さえるほうが実務的です。
適用除外の一覧に挙がっていない代表的なものとして、構造耐力、居室の採光及び換気、電気設備に関する規定があります。いずれも、そこで働く人の生命と健康に直接関わる内容だという共通点があります。窓のない密閉された小屋で長時間作業すれば、酸欠や熱中症の危険があり、暗い室内では作業の誤りや転倒も起こります。仮設であることを理由にこうした基準を外すことはできません。
一方、適用除外とされているのは、確認等の手続に関する規定のほか、敷地の衛生及び安全、大規模建築物の主要構造部、屋根、外壁、防火壁及び防火床、便所、避雷設備、非常用の昇降機、特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準、建築材料の品質、災害危険区域、地方公共団体の条例による制限の付加、そして第3章の集団規定です。
避雷設備は高さ20mを超える建築物に、非常用の昇降機は高さ31mを超える建築物に求められるもので、そもそも仮設建築物でこの高さになることはまれだという事情もあります。
(根拠:建築基準法第28条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「避雷設備の設置に関する規定についても、適用されるものである。」は誤りです。避雷設備に関する規定は適用除外の一覧に明記されています。
「便所を水洗便所とする規定は、適用されるものである。」も誤りで、便所に関する規定も適用除外とされています。
「建築材料の品質に関する規定は、適用されるものである。」も誤りです。建築材料の品質に関する規定も適用除外の一覧に含まれています。
問64-9

仮設建築物の存続期間に関する次の記述のうち、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①工事現場の仮設建築物は、3か月を超えて存続させられない。
  • ②工事現場の仮設建築物は、工事期間中は存続させることができる。
  • ③工事が完了した後においても、仮設建築物を除却する必要はない。
  • ④工事現場の仮設建築物は、1年ごとに許可を受ける必要がある。
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正解 ②工事現場の仮設建築物は、工事期間中は存続させることができる。
解説
仮設建築物の存続期間については、二つの類型で扱いが異なるため、混同しないよう整理しておく必要があります。
災害があった場合に建築する応急仮設建築物については、その建築工事を完了した後3か月を超えて存続させようとする場合、その超えることとなる日前に特定行政庁の許可を受けなければならないとされています。仮設であることを理由に基準を緩めた建物が、いつまでも住宅として使われ続けることを防ぐための歯止めです。
これに対し、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物には、この3か月の制限が及びません。存続が認められるのはその工事を施工している期間であり、期間の長短は工事そのものによって決まります。数年を要するダムやトンネルの工事であれば、現場事務所も数年にわたって存続することになりますが、それが当然の前提とされているわけです。工事の目的と存続の理由が一体になっているため、期間を機械的に区切る必要がないからです。
もっとも、これは無期限に置いてよいという意味ではありません。工事が完了すれば、その建築物を現場に設ける理由が消滅します。緩和の前提そのものが失われる以上、速やかに除却しなければなりません。
(根拠:建築基準法第85条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事現場の仮設建築物は、3か月を超えて存続させられない。」は誤りです。3か月を超える場合に特定行政庁の許可を要するのは応急仮設建築物についての定めであり、工事用の仮設建築物には及びません。
「工事が完了した後においても、仮設建築物を除却する必要はない。」も誤りで、工事の施工のために設けるという緩和の前提が失われる以上、存続させることはできません。
「工事現場の仮設建築物は、1年ごとに許可を受ける必要がある。」も誤りです。そのような定期的な許可の手続は定められていません。
問74-9

工事現場に設ける仮設建築物の敷地に関する次の記述のうち、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①雨水や汚水を排出する設備の規定は、適用されるものである。
  • ②湿潤な土地での盛土などの規定は、適用されるものである。
  • ③敷地を道の境より高くする規定は、適用されないものである。
  • ④敷地の衛生に関する規定は、すべて適用されるものである。
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正解 ③敷地を道の境より高くする規定は、適用されないものである。
解説
建築基準法には、建築物の敷地の衛生及び安全について定めた規定があります。その内容は、建築物の敷地は接する道の境より高くし、建築物の地盤面はこれに接する周囲の土地より高くすること、湿潤な土地や出水のおそれの多い土地、ごみなどで埋め立てられた土地に建築する場合には盛土、地盤の改良その他衛生上または安全上必要な措置を講ずること、雨水及び汚水を排出し、または処理するための適当な下水管、下水溝またはためますその他これらに類する施設を設けることなどです。
これらの規定は、いずれも建築基準法第85条第2項の適用除外の一覧に含まれています。したがって、工事現場に設ける仮設建築物については、まとめて適用されません。敷地を周囲より高くするといった措置は、恒久的な建築物を長期にわたって湿気や浸水から守るためのものであり、工事期間中だけ置く建物に同じ対応を求める必要がないと考えられているからです。
ただし、適用されないということと、何も配慮しなくてよいということは別です。現場事務所が水に浸かれば工事の記録や図面が失われ、湿気の多い場所に詰所を置けば作業員の健康を損ないます。労働安全衛生法に基づく衛生上の措置も別途求められます。法律上の義務がないからこそ、施工計画の中で自ら判断して対処すべき事柄になります。
(根拠:建築基準法第19条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「雨水や汚水を排出する設備の規定は、適用されるものである。」は誤りです。この規定は敷地の衛生及び安全に関する規定に含まれ、適用除外とされています。
「湿潤な土地での盛土などの規定は、適用されるものである。」も誤りで、これも同じ規定の一部として適用除外です。
「敷地の衛生に関する規定は、すべて適用されるものである。」も誤りです。敷地の衛生及び安全に関する規定は、全体が適用除外の一覧に挙げられています。
問84-9

工事現場に設ける仮設建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

  • ①防火壁及び防火床の規定は、適用されないものである。
  • ②特殊建築物の避難施設等の規定は、適用されないものである。
  • ③非常用の昇降機の設置の規定は、適用されないものである。
  • ④建築物の電気設備の規定は、適用されないものである。
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正解 ④建築物の電気設備の規定は、適用されないものである。
解説
仮設建築物について適用が除外される規定を眺めると、ひとつの傾向が見えてきます。除外されているのは、長期にわたって使用される建築物を前提とした規定、および周囲の市街地への影響を考えた規定です。逆に残されているのは、その建物の中で人が安全に過ごすために欠かせない規定です。
除外される側の例としては、延べ面積が一定規模を超える建築物に防火壁または防火床を設けるべきこと、特殊建築物等について避難階段や排煙設備などの避難及び消火に関する技術的基準を満たすべきこと、高さ31mを超える建築物に非常用の昇降機を設けるべきことなどがあります。いずれも大規模で長期使用される建築物を想定した規定です。
これに対し、建築物の電気設備に関する規定は適用除外の一覧に含まれていません。したがって仮設建築物にも適用されます。電気設備は、法律の定める安全上及び防火上の基準に適合しなければならず、電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関しては電気事業法などの規定によることとされています。仮設だから配線が粗雑でよいという理屈は成り立たず、実際に現場事務所の火災は仮設配線の不備から生じることが少なくありません。したがってこの記述が誤りです。
(根拠:建築基準法第32条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「防火壁及び防火床の規定は、適用されないものである。」は正しい記述で、適用除外の一覧に挙げられています。
「特殊建築物の避難施設等の規定は、適用されないものである。」も正しく、特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準の規定は適用されません。
「非常用の昇降機の設置の規定は、適用されないものである。」も正しく、高さ31mを超える建築物に非常用の昇降機を設けるべき規定は適用除外です。
問94-9

工事現場に設ける仮設建築物に対する制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

  • ①用途地域による用途の制限については、適用されないものである。
  • ②道路斜線などの高さの制限は、適用されないものである。
  • ③災害危険区域に関する規定は、適用されないものである。
  • ④建築物の構造強度の規定についても、適用されないものである。
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正解 ④建築物の構造強度の規定についても、適用されないものである。
解説
仮設建築物に適用されない規定と適用される規定の線引きは、その規定が何を守るためにあるかで決まります。街並みの形成や長期の維持を目的とする規定は外れ、その建物の中にいる人の生命と安全を守る規定は残ります。
外れる側には、まず第3章の集団規定が丸ごと入ります。用途地域による用途の制限、建蔽率、容積率、道路斜線制限や隣地斜線制限などの高さの制限、敷地と道路の関係、防火地域や準防火地域の制限がこれに当たります。加えて、災害危険区域に関する規定と、地方公共団体が条例で制限を付加できるとする規定も適用除外とされています。
これに対し、建築物の構造強度、すなわち構造耐力に関する規定は適用除外の一覧に含まれていません。建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、政令で定める技術的基準に適合するものでなければならないという規定は、仮設建築物にもそのまま適用されます。
実際、強風で現場事務所のプレハブが飛ばされる、大雪で屋根が抜けるといった事故は現実に起きています。確認の手続が不要になるということは、設計と施工の適否を自ら判断しなければならないということでもあり、責任はむしろ重くなると考えるべきです。
(根拠:建築基準法第20条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「用途地域による用途の制限については、適用されないものである。」は正しい記述で、第3章の集団規定に含まれます。
「道路斜線などの高さの制限は、適用されないものである。」も正しく、高さの制限も集団規定の一部です。
「災害危険区域に関する規定は、適用されないものである。」も正しく、適用除外の一覧に明記されています。
問104-9

工事を施工するために現場に設ける仮設建築物に適用される規定として、建築基準法上、適当なものはどれか。

  • ①工事用の仮設建築物にも、防火壁の規定が適用される。
  • ②工事用の仮設建築物にも、構造耐力の規定が適用される。
  • ③工事用の仮設建築物にも、接道義務の規定が適用される。
  • ④工事用の仮設建築物にも、容積率の規定が適用される。
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正解 ②工事用の仮設建築物にも、構造耐力の規定が適用される。
解説
この分野の学習の到達点は、適用される規定と適用されない規定を即座に振り分けられるようになることです。判断の軸はひとつで、その規定が「街のための規定か」「中にいる人のための規定か」を問うことです。
街のための規定、すなわち市街地の秩序と長期の安全を守るための規定は、仮設建築物には適用されません。容積率、建蔽率、用途地域の制限、高さの制限、接道義務といった第3章の集団規定がこれに当たります。また、延焼を防ぐための防火壁及び防火床の規定、屋根や外壁の規定、避難及び消火に関する技術的基準、避雷設備、非常用の昇降機、建築材料の品質、敷地の衛生及び安全、災害危険区域に関する規定も適用除外です。
これに対し、中にいる人のための規定は残ります。その代表が構造耐力の規定であり、ほかに居室の採光及び換気、電気設備に関する規定があります。現場事務所が倒れれば中の人が死傷し、換気がなければ健康を損ない、配線が不良であれば火災になります。仮設であることは、これらを免れる理由になりません。
唯一の例外が、防火地域または準防火地域内にある延べ面積50m²を超えるものの屋根です。市街地の延焼を防ぐという公共の要請が、仮設であることに優先する場面だと理解しておきましょう。
(根拠:建築基準法第20条及び第85条第2項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事用の仮設建築物にも、防火壁の規定が適用される。」は誤りです。防火壁及び防火床の規定は適用除外の一覧に挙げられています。
「工事用の仮設建築物にも、接道義務の規定が適用される。」も誤りで、敷地が道路に接すべきことを定める規定は第3章にあり、適用されません。
「工事用の仮設建築物にも、容積率の規定が適用される。」も誤りです。容積率も第3章の集団規定であり、適用除外とされています。

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