2026年版・4-6

建設業法(請負契約・施工体制)の一問一答

1級土木施工管理技士「法規」から、建設業法(請負契約・施工体制)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-6

建設工事の請負契約に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①請負契約は、対等な立場における合意に基いて締結する。
  • ②契約の当事者は、契約書面に署名又は記名押印して相互に交付する。
  • ③工事内容や請負代金の額は、契約書面の記載事項とされている。
  • ④電子情報処理組織を使用する方法による契約は認められない。
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正解 ④電子情報処理組織を使用する方法による契約は認められない。
解説
建設工事の請負契約は、目的物が完成する前に代金や工期を決めるという性質上、後から言った言わないの争いが起こりやすい取引です。しかも元請と下請の間には力の差があり、口約束のままでは弱い立場の側が不利な扱いを受けがちです。そこで建設業法は、契約の原則と書面化を厳格に定めています。
まず原則として、請負契約の当事者は各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならないとされています。そのうえで、契約の当事者は工事内容、請負代金の額、工事着手の時期及び工事完成の時期など法定の事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければなりません。
この書面による交付には、電子化の道も開かれています。建設業法は、書面の作成に代えて、政令で定めるところにより、契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により契約の内容を記録することを認めています。したがって「電子情報処理組織を使用する方法による契約は認められない」という記述は誤りです。
(根拠:建設業法第18条及び第19条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「請負契約は、対等な立場における合意に基いて締結する。」は正しい記述で、建設工事の請負契約の原則として定められています。
「契約の当事者は、契約書面に署名又は記名押印して相互に交付する。」も正しく、書面の相互交付が義務づけられています。
「工事内容や請負代金の額は、契約書面の記載事項とされている。」も正しく、法定の記載事項の最初に挙げられています。
問24-6

建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、建設業法上、該当しないものはどれか。

  • ①工事着手の時期及び工事完成の時期
  • ②下請負人の商号又は名称及び許可番号
  • ③天災その他不可抗力による工期の変更
  • ④契約に関する紛争の解決方法の定め
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正解 ②下請負人の商号又は名称及び許可番号
解説
請負契約書の法定記載事項は、工事を進めるうえで争いになりやすい論点をあらかじめ書面で決めておくためのものです。並んでいる項目を眺めると、いつまでに何を造るのか、いくらでいつ払うのか、想定外の事態が起きたら誰が負担するのか、という三つの軸で整理できることが分かります。
具体的には、工事内容、請負代金の額、工事着手の時期及び工事完成の時期、前金払または出来形部分に対する支払の定めをするときはその時期及び方法、設計変更や工事の中止の申出があった場合の工期の変更・請負代金の額の変更・損害の負担とその算定方法、天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担とその算定方法、価格等の変動に基づく請負代金の額または工事内容の変更、第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担、注文者が資材を提供し機械を貸与するときの内容及び方法、検査の時期及び方法並びに引渡しの時期、工事完成後の請負代金の支払の時期及び方法、契約不適合責任に関する定め、履行遅滞等の場合の遅延利息や違約金、契約に関する紛争の解決方法などが挙げられています。
一方、下請負人の商号や許可番号は、施工体制台帳に記載すべき事項であって、注文者と請負人の二者間で結ぶ請負契約書の法定記載事項ではありません。
(根拠:建設業法第19条第1項及び第24条の8第1項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事着手の時期及び工事完成の時期」は法定記載事項に該当します。工期は請負契約の根幹をなす条件だからです。
「天災その他不可抗力による工期の変更」も該当します。当事者のいずれにも責任がない事態の負担をあらかじめ決めておく必要があるためです。
「契約に関する紛争の解決方法の定め」も該当します。争いが生じたときの手続を定めておくことで、工事の中断を避ける狙いがあります。
問34-6

建設工事の見積りに関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①予定価格500万円未満では、見積期間を10日以上とする。
  • ②予定価格5000万円以上では、見積期間を15日以上とする。
  • ③見積りを行うにあたって、工事の種別ごとの内訳は不要である。
  • ④見積期間は、やむを得ない場合でも短縮することができない。
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正解 ②予定価格5000万円以上では、見積期間を15日以上とする。
解説
見積期間の規定は、下請負人が工事の内容を検討し、必要な原価を積み上げて適正な見積りを作るための時間を確保するためのものです。明日までに見積りを出せと迫られれば、内容を精査できないまま安い金額を出さざるを得ず、それが不当に低い請負代金や手抜き工事につながります。
そこで注文者は、請負契約を締結するまでに、建設業者が見積りをするために必要な一定の期間を設けなければならないとされ、その期間は工事の予定価格に応じて次のように定められています。予定価格が500万円に満たない工事は1日以上、500万円以上5000万円に満たない工事は10日以上、5000万円以上の工事は15日以上です。金額が大きい工事ほど検討すべき項目が多くなるため、期間も長く設定されています。
ただし、やむを得ない事情があるときは、10日以上および15日以上とされた期間を5日以内に限り短縮することができます。まったく短縮できないわけではありません。
また、建設業者が見積りを行うときは、工事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳並びに工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を明らかにして見積りを作成するよう努めなければならないとされています。
(根拠:建設業法第20条第3項及び建設業法施行令第5条の9によります)

他の選択肢が不適切な理由
「予定価格500万円未満では、見積期間を10日以上とする。」は誤りです。500万円未満の工事の見積期間は1日以上であり、10日以上とされるのは500万円以上5000万円未満の工事です。
「見積りを行うにあたって、工事の種別ごとの内訳は不要である。」も誤りで、種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにするよう努めることとされています。
「見積期間は、やむを得ない場合でも短縮することができない。」も誤りです。やむを得ない事情があるときは5日以内に限り短縮できます。
問44-6

一括下請負の禁止に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①請け負った工事を、一括して他人に請け負わせてはならない。
  • ②民間工事では、発注者の口頭の承諾があれば認められている。
  • ③共同住宅を新築する工事では、承諾があっても認められない。
  • ④公共工事については、一括下請負が全面的に禁止されている。
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正解 ②民間工事では、発注者の口頭の承諾があれば認められている。
解説
一括下請負とは、請け負った工事を実質的に自分では何もせず、そのまま他の業者へ丸投げすることをいいます。これが禁止されているのは、発注者がその業者の技術力や信用を見込んで契約したという前提が崩れてしまうこと、そして中間で利益だけを抜く業者が入ることで実際に施工する業者の取り分が減り、手抜き工事や労働条件の悪化を招くことが理由です。
建設業法は、建設業者は請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず一括して他人に請け負わせてはならないと定めています。あわせて、他の建設業者が請け負った工事を一括して請け負うことも禁じています。
この禁止には例外がありますが、条件は厳格です。多数の者が利用する施設または工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの以外の工事について、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときに限って認められます。口頭の承諾では足りず、また事後の承諾でも足りません。したがって「口頭の承諾があれば認められている」という記述は誤りです。なお、共同住宅を新築する建設工事はこの例外から除かれており、承諾を得ても一括下請負はできません。
さらに公共工事については、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律により、発注者の承諾の有無にかかわらず一括下請負が全面的に禁止されています。
(根拠:建設業法第22条並びに公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第14条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「請け負った工事を、一括して他人に請け負わせてはならない。」は正しい記述で、一括下請負の禁止の原則です。
「共同住宅を新築する工事では、承諾があっても認められない。」も正しく、例外が適用されない工事として政令で定められています。
「公共工事については、一括下請負が全面的に禁止されている。」も正しく、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律による扱いです。
問54-6

元請負人の義務に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①元請は、支払を受けた日から1か月以内に下請代金を支払う。
  • ②元請は、完成の通知を受けた日から30日以内に検査を行う。
  • ③元請は、検査後に申出があっても直ちに受け取る必要はない。
  • ④元請は、前払金を受けたときも下請への配慮を要しない。
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正解 ①元請は、支払を受けた日から1か月以内に下請代金を支払う。
解説
下請負人は、資材を買い、労働者に賃金を払いながら工事を進めます。元請から代金が入ってこなければ、たちまち資金繰りに行き詰まります。そこで建設業法は、元請負人が受け取ったお金を速やかに下請へ流すよう、いくつもの期限を定めています。
まず下請代金の支払です。元請負人は、注文者から請負代金の出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を受けたときは、その支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければなりません。手元にお金が入ってから1か月を超えて留め置くことは許されないということです。
次に検査と引渡しです。元請負人は、下請負人から工事が完成した旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を完了しなければなりません。検査によって完成を確認した後、下請負人が引渡しを申し出たときは、直ちに目的物の引渡しを受けなければなりません。
さらに、元請負人が前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して資材の購入や労働者の募集など工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければなりません。
(根拠:建設業法第24条の3及び第24条の4によります)

他の選択肢が不適切な理由
「元請は、完成の通知を受けた日から30日以内に検査を行う。」は誤りです。検査を完了すべき期間は通知を受けた日から20日以内です。
「元請は、検査後に申出があっても直ちに受け取る必要はない。」も誤りで、下請負人から引渡しの申出があったときは直ちに引渡しを受けなければなりません。
「元請は、前払金を受けたときも下請への配慮を要しない。」も誤りです。着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をすることが求められています。
問64-6

特定建設業者の下請代金の支払期日等に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①支払期日は、引渡しの申出の日から50日以内に定める。
  • ②期日までに支払わない場合も、遅延利息は生じないとされる。
  • ③定めがないときは、申出の日から50日経過の日が期日となる。
  • ④割引を受けることが困難な手形を交付してはならない。
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正解 ②期日までに支払わない場合も、遅延利息は生じないとされる。
解説
特定建設業者は多数の下請を使う立場にあるため、支払が遅れたときの影響が広い範囲に及びます。そこで、一般の元請負人に課される義務に加えて、より厳しい支払ルールが定められています。
まず支払期日です。特定建設業者が注文者となった下請契約における下請代金の支払期日は、下請負人からの引渡しの申出の日から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内に定めなければなりません。もし支払期日を定めなかったとき、または50日を超える期日を定めたときは、法律上、引渡しの申出の日から起算して50日を経過する日が支払期日とみなされます。契約で不利な期日を押し付けても、法が自動的に是正する仕組みです。
次に手形の制限です。特定建設業者は、下請代金の支払につき、一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはなりません。現金化できない手形を渡すのは、実質的な支払遅延に等しいからです。
そして、支払期日までに下請代金を支払わなかった場合には、その日から支払をする日までの期間について、その未払金額に国土交通省令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければなりません。したがって「遅延利息は生じない」という記述は誤りです。
(根拠:建設業法第24条の6によります)

他の選択肢が不適切な理由
「支払期日は、引渡しの申出の日から50日以内に定める。」は正しい記述で、特定建設業者に課された支払期日の上限です。
「定めがないときは、申出の日から50日経過の日が期日となる。」も正しく、期日を定めなかった場合等の法定のみなし規定です。
「割引を受けることが困難な手形を交付してはならない。」も正しく、実質的な支払遅延を防ぐための規定です。
問74-6

施工体制台帳及び施工体系図に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①施工体制台帳は、工事現場ごとに備え置かなければならない。
  • ②施工体制台帳には、下請負人の名称を記載しなくてよい。
  • ③施工体系図は、事務所内に保管し掲示しなくてよい。
  • ④作成の基準額は、下請代金の総額が3000万円以上である。
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正解 ①施工体制台帳は、工事現場ごとに備え置かなければならない。
解説
大きな工事では下請、孫請と何層にも施工体制が広がり、誰がどの部分を施工しているのかが分かりにくくなります。責任の所在があいまいになれば、品質の確保も安全の確保も難しくなり、無許可業者の紛れ込みや一括下請負も見抜けません。それを可視化するための仕組みが施工体制台帳と施工体系図です。
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、その工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額の総額が5000万円(建築一式工事の場合は8000万円)以上になるときは、下請負人の商号または名称、その下請負人に係る建設工事の内容及び工期その他の事項を記載した施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置かなければなりません。台帳は現場にあってこそ意味があるため、備置きの場所が工事現場と定められています。
あわせて、各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、当該工事現場の見やすい場所に掲げなければなりません。公共工事では、これに加えて公衆が見やすい場所にも掲げることが求められます。
また、発注者から請求があったときは、備え置かれた施工体制台帳をその発注者の閲覧に供する必要があります。
(根拠:建設業法第24条の8及び建設業法施行令第7条の4によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工体制台帳には、下請負人の名称を記載しなくてよい。」は誤りです。下請負人の商号または名称は、台帳の記載事項として条文に明記されています。
「施工体系図は、事務所内に保管し掲示しなくてよい。」も誤りで、当該工事現場の見やすい場所に掲げなければならず、公共工事では公衆が見やすい場所にも掲げます。
「作成の基準額は、下請代金の総額が3000万円以上である。」も誤りです。基準額は5000万円(建築一式工事は8000万円)以上であり、監理技術者の設置基準と同じ額です。
問84-6

下請負人に関する元請負人及び注文者の取扱いについての次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①注文者は、著しく不適当な下請負人の変更を請求できる。
  • ②元請は、工程の細目などを定めるとき下請の意見を聴く。
  • ③変更請求は、あらかじめ承諾した下請負人にもできるとされる。
  • ④特定建設業者は、下請負人の法令違反を是正するよう指導する。
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正解 ③変更請求は、あらかじめ承諾した下請負人にもできるとされる。
解説
下請負人の選定について、建設業法は注文者と元請負人の双方に一定の権限と義務を与え、両者の均衡をとっています。
注文者の側には下請負人の変更請求権があります。注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができます。工事の品質は下請負人の力量に左右されるため、注文者に是正を求める手段を与えているわけです。
ただしこの請求には重要な例外があります。あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、変更を請求することができません。注文者自身が書面で認めた相手を、後から一方的に変えろというのは信義に反するからです。したがって「あらかじめ承諾した下請負人にもできる」という記述は誤りです。
元請負人の側には義務が課されています。元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ下請負人の意見をきかなければなりません。実際に作業する者の実情を無視した工程は、無理な施工と災害を招くためです。
また、発注者から直接請け負った特定建設業者は、その工事の下請負人が法令に違反しないよう指導に努め、違反していると認めたときは是正を求めなければなりません。
(根拠:建設業法第23条、第24条の2及び第24条の7によります)

他の選択肢が不適切な理由
「注文者は、著しく不適当な下請負人の変更を請求できる。」は正しい記述で、注文者に認められた権限です。
「元請は、工程の細目などを定めるとき下請の意見を聴く。」も正しく、下請負人の意見聴取として義務づけられています。
「特定建設業者は、下請負人の法令違反を是正するよう指導する。」も正しく、下請負人に対する指導等として定められています。
問94-6

請負契約における注文者の禁止行為等に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①自己の取引上の地位を利用して、著しく低い代金で契約しない。
  • ②契約後に、資材や機械の購入先を指定して強制してはならない。
  • ③低い請負代金の禁止は、注文者が建設業者の場合に限られる。
  • ④現場代理人を置く場合は、その権限などを注文者に通知する。
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正解 ③低い請負代金の禁止は、注文者が建設業者の場合に限られる。
解説
建設工事の請負契約では、仕事を出す側と受ける側の力関係に差が生じやすく、放置すると受注側が原価を割る条件を飲まされます。それが手抜き工事、下請へのしわ寄せ、労働災害につながるため、建設業法は注文者の側にいくつかの禁止行為を定めています。
不当に低い請負代金の禁止は、注文者が自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない、というものです。ここでいう注文者には、発注者だけでなく、下請契約の注文者となる元請負人や上位の下請負人も含まれます。条文は注文者一般を対象としており、注文者が建設業者である場合に限るという限定は付いていません。むしろ元請から下請への買いたたきこそが典型例ですから、対象を狭めては制度の意味がなくなります。したがってこの記述が誤りです。
不当な使用資材等の購入強制の禁止は、注文者が請負契約の締結後に、自己の取引上の地位を不当に利用して、使用する資材もしくは機械器具またはこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならないというものです。契約後という時点が示されているのは、見積りの前提が変わってしまう点に問題があるからです。
(根拠:建設業法第19条の2、第19条の3及び第19条の4によります)

他の選択肢が不適切な理由
「自己の取引上の地位を利用して、著しく低い代金で契約しない。」は正しい記述で、不当に低い請負代金の禁止に当たります。
「契約後に、資材や機械の購入先を指定して強制してはならない。」も正しく、不当な使用資材等の購入強制の禁止です。
「現場代理人を置く場合は、その権限などを注文者に通知する。」も正しく、請負人は現場代理人の権限に関する事項等を書面により注文者に通知することとされています。
問104-6

施工体制の把握に関する次の記述のうち、建設業法等の規定上、適当なものはどれか。

  • ①公共工事では、金額にかかわらず施工体制台帳の作成を要する。
  • ②施工体制台帳は、発注者から請求があっても閲覧させない。
  • ③再下請負を行う下請負人は、元請への通知を要しないとされる。
  • ④施工体系図の作成は、施工体制台帳とは無関係である。
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正解 ①公共工事では、金額にかかわらず施工体制台帳の作成を要する。
解説
施工体制台帳の作成義務は、建設業法では下請契約の請負代金の総額が5000万円(建築一式工事は8000万円)以上の場合に生じます。しかし公共工事については、税金で行う工事であり施工体制の透明性がとりわけ強く求められることから、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律によってこの金額要件が外されています。公共工事を受注した建設業者は、下請契約を締結したときは、その金額の大小にかかわらず施工体制台帳を作成し、その写しを発注者に提出しなければなりません。
台帳を作るには、下位の下請負人の情報が上へ上がってくる必要があります。そこで、施工体制台帳が作成される工事の下請負人は、さらに他の建設業者と下請契約を締結したときは、遅滞なく、その建設業者の商号または名称、工事の内容及び工期その他の事項を元請負人に通知しなければならないとされています。これが再下請負通知で、台帳を完成させるための情報の流れをつくる仕組みです。
また、施工体制台帳を作成する建設業者は、あわせて各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成しなければなりません。台帳が文章による記録であるのに対し、体系図はその内容を一目で分かる図に表したもので、両者は一体の関係にあります。
さらに、発注者から請求があったときは、備え置かれた台帳を発注者の閲覧に供しなければなりません。
(根拠:建設業法第24条の8並びに公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工体制台帳は、発注者から請求があっても閲覧させない。」は誤りです。発注者から請求があったときは、備え置かれた台帳を閲覧に供しなければなりません。
「再下請負を行う下請負人は、元請への通知を要しないとされる。」も誤りで、さらに下請契約を締結した下請負人には元請負人への通知義務があります。
「施工体系図の作成は、施工体制台帳とは無関係である。」も誤りです。施工体系図は施工体制台帳を作成する建設業者が作成するもので、両者は一体として定められています。

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