2026年版・4-5

建設業法(許可・技術者制度)の一問一答

1級土木施工管理技士「法規」から、建設業法(許可・技術者制度)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-5

建設業の許可に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①工事1件の請負代金が500万円未満の工事は、許可を要しない。
  • ②工事1件の請負代金が100万円未満の工事は、許可を要しない。
  • ③建設業の許可は、金額にかかわらずすべての工事で必要である。
  • ④建築一式工事では、3000万円未満の工事が許可不要である。
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正解 ①工事1件の請負代金が500万円未満の工事は、許可を要しない。
解説
建設業の許可制度は、技術力や経営基盤の乏しい業者が工事を請け負って手抜き工事や倒産による工事中断を招くことを防ぎ、発注者を保護するために設けられています。建設業を営もうとする者は原則として許可を受けなければなりません。
ただし、ごく小規模な工事にまで許可を求めると、かえって実情に合いません。そこで、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可が不要とされています。その範囲は、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事、建築一式工事の場合は工事1件の請負代金の額が1500万円に満たない工事、または延べ面積が150m²に満たない木造住宅を建設する工事です。
この金額の判定には注意点があります。ひとつの建設業を営む者が、工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは、正当な理由に基づいて契約を分割した場合を除き、各契約の請負代金の額の合計額で判断します。分割契約による許可逃れを防ぐためです。また、注文者が材料を提供する場合には、その市場価格または市場価格と運送賃を合わせた額を請負代金の額に加えて算定します。
(根拠:建設業法第3条第1項及び建設業法施行令第1条の2によります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事1件の請負代金が100万円未満の工事は、許可を要しない。」は誤りです。軽微な建設工事の基準額は500万円未満であり、100万円ではありません。
「建設業の許可は、金額にかかわらずすべての工事で必要である。」も誤りで、軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可を要しないという例外があります。
「建築一式工事では、3000万円未満の工事が許可不要である。」も誤りです。建築一式工事における軽微な建設工事の基準額は1500万円未満です。
問24-5

建設業の許可の区分及び有効期間に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①2以上の都道府県に営業所を設ける場合は、大臣の許可を受ける。
  • ②1の都道府県のみに営業所を設ける場合は、知事の許可を受ける。
  • ③許可の有効期間は5年であり、更新を受けなければ失効する。
  • ④知事の許可では、他の都道府県で工事を施工できないとされる。
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正解 ④知事の許可では、他の都道府県で工事を施工できないとされる。
解説
建設業の許可は、誰が許可を出すかによって国土交通大臣許可と都道府県知事許可に分かれます。この区分を決めるのは営業所の所在であって、工事をする場所ではありません。ここが最も誤解されやすい点です。
2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は国土交通大臣の許可を、1の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合はその都道府県知事の許可を受けます。営業所とは、請負契約の締結に関する実体的な行為を行う事務所のことです。
したがって、ある県の知事許可を受けた業者であっても、営業所を他県に設けない限り、日本全国どこの工事現場でも工事を施工することができます。知事許可だから県外の工事ができないというのは誤りです。
また、許可の有効期間は5年です。5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過とともに効力を失います。定期的に経営状況や技術者の在籍を確認し直すための仕組みで、更新の申請は期間満了の日前に行う必要があります。
(根拠:建設業法第3条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「2以上の都道府県に営業所を設ける場合は、大臣の許可を受ける。」は正しい記述で、営業所の所在によって許可権者が決まります。
「1の都道府県のみに営業所を設ける場合は、知事の許可を受ける。」も正しく、大臣許可との区分の基準です。
「許可の有効期間は5年であり、更新を受けなければ失効する。」も正しく、5年ごとの更新が必要です。
問34-5

特定建設業の許可を受けなければならない場合として、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①下請に出す代金の総額が、3000万円以上となる元請の場合
  • ②下請に出す代金の総額が、5000万円以上となる元請の場合
  • ③自ら施工する工事の請負代金が、5000万円以上となる場合
  • ④下請負人として請け負う代金が、5000万円以上となる場合
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正解 ②下請に出す代金の総額が、5000万円以上となる元請の場合
解説
建設業の許可は、一般建設業と特定建設業の二つに区分されています。この区分の趣旨は、多くの下請を使う元請業者に対して、より高い技術力と財産的基礎を求めることにあります。元請が資金不足に陥れば、下請への支払が滞り、連鎖的に多数の業者と労働者が被害を受けるからです。
特定建設業の許可が必要になるのは、発注者から直接建設工事を請け負い、その工事を施工するために締結する下請契約の請負代金の額(下請契約が2以上あるときはその総額)が5000万円以上となる場合です。建築工事業(建築一式工事)の場合は8000万円以上となります。この金額は令和7年2月1日から引き上げられた現行の値です。
ここで押さえるべき条件は三つです。第一に、発注者から直接請け負った元請であること。第二に、下請に出す金額の合計で判断すること。第三に、自社で施工する部分の金額や、下請負人として請け負う金額は関係しないことです。したがって、下請専門の業者であれば、請負金額がいくら大きくても特定建設業の許可は必要ありません。
(根拠:建設業法第3条第1項第2号及び建設業法施行令第2条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「下請に出す代金の総額が、3000万円以上となる元請の場合」は誤りです。基準額は5000万円以上(建築一式工事は8000万円以上)であり、3000万円ではありません。
「自ら施工する工事の請負代金が、5000万円以上となる場合」も誤りで、判断の基礎となるのは下請契約の請負代金の総額であり、自ら施工する部分の金額ではありません。
「下請負人として請け負う代金が、5000万円以上となる場合」も誤りです。特定建設業の許可が問題となるのは発注者から直接請け負った元請の場合に限られます。
問44-5

主任技術者及び監理技術者の設置に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①主任技術者は、請負代金が500万円以上の工事にのみ置かれる。
  • ②監理技術者は、下請代金の総額が5000万円以上の元請に置く。
  • ③下請負人であれば、主任技術者を置く必要がないものとされる。
  • ④監理技術者は、一般建設業の許可業者でも置くことができる。
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正解 ②監理技術者は、下請代金の総額が5000万円以上の元請に置く。
解説
建設工事の品質を現場で担保するため、建設業者はその請け負った建設工事を施工するときは、必ず技術者を工事現場に置かなければなりません。この技術者には主任技術者と監理技術者の二つがあり、どちらを置くかは工事の施工体制の大きさで決まります。
原則は主任技術者です。建設業者は、請け負った工事を施工するときは、金額の大小や元請・下請の別を問わず、主任技術者を置かなければなりません。下請であっても、小さな工事であっても必要です。
これに対し監理技術者は、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が、その工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額の総額が5000万円(建築一式工事の場合は8000万円)以上となる場合に、主任技術者に代えて置く技術者です。多数の下請を統括して施工を管理する必要があるため、主任技術者より上位の資格が求められます。すなわち特定建設業の許可基準に相当する資格を有する者でなければならず、一般建設業の許可業者が監理技術者を置く場面はありません。
(根拠:建設業法第26条第1項及び第2項並びに建設業法施行令第2条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「主任技術者は、請負代金が500万円以上の工事にのみ置かれる。」は誤りです。主任技術者は請け負った建設工事を施工するときに常に必要であり、金額による下限はありません。
「下請負人であれば、主任技術者を置く必要がないものとされる。」も誤りで、下請負人も自らが施工する工事について主任技術者を置かなければなりません。
「監理技術者は、一般建設業の許可業者でも置くことができる。」も誤りです。監理技術者を置くのは発注者から直接請け負った特定建設業者であり、一般建設業者が置く場面はありません。
問54-5

主任技術者及び監理技術者の専任に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①公共性のある重要な工事で一定額以上のものは、専任とする。
  • ②専任を要する請負代金の額は、4500万円以上とされている。
  • ③建築一式工事では、専任を要する額は9000万円以上である。
  • ④専任の技術者は、他の工事現場と兼務することが認められる。
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正解 ④専任の技術者は、他の工事現場と兼務することが認められる。
解説
専任とは、他の工事現場に係る職務を兼ねることなく、常時継続してその工事現場の職務にのみ従事している状態をいいます。規模の大きい重要な工事では、技術者が常にその現場を見ていなければ品質と安全を確保できないため、専任が求められます。したがって「他の工事現場と兼務することが認められる」という記述は、専任という言葉の定義そのものに反しており誤りです。
専任が必要となるのは、公共性のある施設もしくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事で、政令で定めるものです。具体的には、国または地方公共団体が注文者である施設・工作物に関する工事のほか、学校、病院、共同住宅、事務所、工場、道路や河川などの土木工作物に関する工事で、工事1件の請負代金の額が4500万円(建築一式工事の場合は9000万円)以上のものが対象となります。この金額も令和7年2月1日から引き上げられた現行の値です。
なお、専任の原則には二つの例外があります。ひとつは、監理技術者の職務を補佐する者を工事現場ごとに専任で置く場合で、このときその監理技術者は専任を要しません。もうひとつは、請負代金の額が1億円(建築一式工事は2億円)未満であるなど国土交通省令で定める要件を満たし、情報通信技術を利用して職務を行うための措置が講じられている場合です。いずれも、受け持てる工事現場の数は2までとされています。
(根拠:建設業法第26条第3項及び第4項、建設業法施行令第27条、第28条及び第30条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「公共性のある重要な工事で一定額以上のものは、専任とする。」は正しい記述で、専任が求められる工事の範囲を示しています。
「専任を要する請負代金の額は、4500万円以上とされている。」も正しく、現行の政令で定められた金額です。
「建築一式工事では、専任を要する額は9000万円以上である。」も正しく、建築一式工事についての金額です。
問64-5

監理技術者の職務を補佐する者に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①監理技術者補佐は、主任技術者の資格があれば足りるとされる。
  • ②監理技術者補佐は、複数の現場を兼務することが認められる。
  • ③監理技術者補佐を専任で置けば、監理技術者は兼務ができる。
  • ④監理技術者補佐を置いても、監理技術者は3現場まで兼務できる。
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正解 ③監理技術者補佐を専任で置けば、監理技術者は兼務ができる。
解説
建設業では技術者の高齢化と人手不足が進み、資格を持つ監理技術者を現場ごとに1人ずつ張り付けることが難しくなってきました。そこで、監理技術者の職務を補佐する者を現場に専任で置くことを条件に、監理技術者本人については専任を求めない仕組みが設けられました。これがいわゆる監理技術者補佐の制度です。
この場合、監理技術者は複数の現場を受け持つことができますが、無制限ではありません。同一の監理技術者が受け持てる工事現場の数は2までと政令で定められています。監理技術者が実質的に職務を果たせる範囲に限るという趣旨です。
補佐する者の資格については、主任技術者となる資格を有する者のうち、監理技術者が行う技術上の管理に関する基礎的な知識及び能力を有すると認められる者として国土交通大臣が定める要件に該当する者、または大臣がこれと同等以上の能力を有すると認定した者とされています。実務上は1級の技術検定の第一次検定に合格した者、いわゆる1級技士補などが該当します。主任技術者の資格があるだけでは足りません。
また、補佐する者はその工事現場に専任でなければなりません。補佐する者まで掛け持ちにしてしまうと、現場に常に技術者がいるという前提が崩れるからです。
(根拠:建設業法第26条第3項第2号及び第4項並びに建設業法施行令第29条及び第30条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「監理技術者補佐は、主任技術者の資格があれば足りるとされる。」は誤りです。主任技術者となる資格に加えて、国土交通大臣が定める要件に該当することが必要です。
「監理技術者補佐は、複数の現場を兼務することが認められる。」も誤りで、補佐する者は工事現場ごとに専任で置かなければなりません。
「監理技術者補佐を置いても、監理技術者は3現場まで兼務できる。」も誤りです。同一の監理技術者を置くことができる工事現場の数は2までとされています。
問74-5

主任技術者及び監理技術者の職務に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①施工計画の作成、工程管理、品質管理などの技術上の管理を行う。
  • ②施工に従事する者の技術上の指導監督を行うこととされている。
  • ③施工に従事する者は、その指導に従わなければならないとされる。
  • ④請負契約の締結と代金の請求も、その職務に含まれるとされる。
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正解 ④請負契約の締結と代金の請求も、その職務に含まれるとされる。
解説
主任技術者と監理技術者は、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者です。条文はその職務を明確に限定しており、そこに商取引に関する事柄は含まれていません。
定められている職務は二つの柱からなります。ひとつは、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理を行うことです。もうひとつは、当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行うことです。つまり技術者は、どう造るかを計画し、その通り進んでいるかを管理し、現場で作業する人を技術面から指導する立場にあります。
これに対し、請負契約の締結や請負代金の請求・受領は、営業所の権限として、あるいは会社の代表者や委任を受けた者が行う商取引上の行為です。技術上の管理をつかさどる者の職務ではありません。したがってこの記述が誤りです。
なお、技術者の指導が現場で実効性を持つよう、工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者または監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならないと定められています。技術者に権限を与える裏付けとなる規定です。
(根拠:建設業法第26条の4によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工計画の作成、工程管理、品質管理などの技術上の管理を行う。」は正しい記述で、条文に定められた職務の第一の柱です。
「施工に従事する者の技術上の指導監督を行うこととされている。」も正しく、職務の第二の柱にあたります。
「施工に従事する者は、その指導に従わなければならないとされる。」も正しく、技術者の指導の実効性を担保する規定です。
問84-5

監理技術者資格者証に関する次の記述のうち、建設業法上、適当なものはどれか。

  • ①資格者証の提示は、下請負人から請求があったときに行う。
  • ②専任の監理技術者は、資格者証の交付を受けた者から選任する。
  • ③資格者証があれば、監理技術者講習の受講は不要とされる。
  • ④資格者証は、すべての主任技術者についても交付が必要になる。
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正解 ②専任の監理技術者は、資格者証の交付を受けた者から選任する。
解説
監理技術者資格者証の制度は、その現場の監理技術者が本当に資格を持ち、必要な講習を受けた者であるかどうかを、発注者がその場で確認できるようにするためのものです。名義だけを借りて実際には別の人が現場を仕切る、いわゆる名義貸しを防ぐ役割も担っています。
専任を求められる工事現場に置く監理技術者については、監理技術者資格者証の交付を受けている者であって、かつ国土交通大臣の登録を受けた講習(監理技術者講習)を受講したもののうちから選任しなければなりません。資格者証と講習の受講は両方が必要であり、どちらか一方では足りません。講習を義務づけているのは、法令改正や新しい施工技術に関する知識を定期的に更新させるためです。
そして、この監理技術者は、発注者から請求があったときは監理技術者資格者証を提示しなければならないとされています。提示を求めることができるのは発注者であり、下請負人ではありません。この制度が発注者保護のために設けられたものであることを踏まえると、対象がはっきりします。
なお、資格者証は監理技術者についての制度であり、主任技術者には求められていません。
(根拠:建設業法第26条第5項及び第6項によります)

他の選択肢が不適切な理由
「資格者証の提示は、下請負人から請求があったときに行う。」は誤りです。提示義務が生じるのは発注者から請求があったときです。
「資格者証があれば、監理技術者講習の受講は不要とされる。」も誤りで、専任の監理技術者には資格者証の交付と講習の受講の両方が求められます。
「資格者証は、すべての主任技術者についても交付が必要になる。」も誤りです。資格者証の制度は監理技術者に関するものであり、主任技術者には適用されません。
問94-5

建設業の許可の基準に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①一般建設業では、営業所ごとに専任の技術者を置く必要がある。
  • ②特定建設業では、一般建設業より厳しい財産的基礎が求められる。
  • ③誠実性については、許可の基準に含まれないものとされている。
  • ④指定建設業の特定建設業では、専任技術者は1級資格者等とされる。
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正解 ③誠実性については、許可の基準に含まれないものとされている。
解説
建設業の許可基準は、発注者が安心して工事を任せられる相手かどうかを、四つの側面から確かめるものです。すなわち、経営を適正に行う能力、技術力、誠実性、そして財産的基礎の四つです。
このうち誠実性は、条文に明記された立派な許可基準のひとつです。法人であればその法人、役員等、営業所の代表者が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。建設工事の請負契約は金額が大きく、完成までに長い時間がかかるため、相手方の誠実さが発注者にとって決定的に重要だからです。したがって「許可の基準に含まれない」という記述は誤りです。
技術力については、営業所ごとに専任の技術者を置くことが求められます。営業所は請負契約を締結する場所ですから、そこに技術的な判断ができる者がいなければ、無理な内容の契約を結んでしまうおそれがあるためです。
特定建設業では、多数の下請を使い、下請への支払責任を負うことから、一般建設業より厳しい基準が課されます。財産的基礎については、欠損の額や流動比率、資本金、自己資本の額について具体的な要件が定められています。また、指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)の特定建設業では、専任技術者は1級の国家資格者等に限られます。
(根拠:建設業法第7条及び第15条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「一般建設業では、営業所ごとに専任の技術者を置く必要がある。」は正しい記述で、技術力に関する許可基準です。
「特定建設業では、一般建設業より厳しい財産的基礎が求められる。」も正しく、下請保護の観点から具体的な数値要件が課されています。
「指定建設業の特定建設業では、専任技術者は1級資格者等とされる。」も正しく、指定建設業では実務経験による専任技術者は認められません。
問104-5

建設業の許可の業種等に関する次の記述のうち、建設業法上、誤っているものはどれか。

  • ①建設業の許可は、建設工事の種類ごとに受けるものである。
  • ②許可を受けた業種の工事に附帯する工事は、請け負うことができる。
  • ③土木一式工事の許可があれば、すべての専門工事を単独で行える。
  • ④同一の業種について、一般と特定の両方の許可は受けられない。
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正解 ③土木一式工事の許可があれば、すべての専門工事を単独で行える。
解説
建設業の許可は、建設工事の種類ごと、すなわち業種ごとに受ける仕組みになっています。土木一式工事業と建築一式工事業の2つの一式工事と、とび・土工工事業、舗装工事業、鋼構造物工事業などの専門工事を合わせた業種区分が定められており、営もうとする業種ごとに許可を受けなければなりません。
ここで誤解が生じやすいのが一式工事の位置づけです。土木一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事のことで、元請として複数の専門工事を組み合わせて全体をまとめ上げる立場の工事を指します。つまり一式工事の許可は、他のすべての専門工事の許可を兼ねるものではありません。したがって、一式工事の許可を持つ業者が、専門工事のみを単独で請け負う場合には、その専門工事の業種の許可が別に必要になります。この点で「すべての専門工事を単独で行える」という記述は誤りです。
ただし、許可を受けた業種の建設工事に附帯する他の業種の工事については、その業種の許可がなくても請け負うことができます。主たる工事に不可分に伴う従たる工事まで別の許可を求めるのは実情に合わないからです。
また、同一の建設業について2以上の許可を受けることはできないため、ある業種を一般建設業と特定建設業の両方で受けることはできません。
(根拠:建設業法第3条及び第4条並びに建設業法別表第1によります)

他の選択肢が不適切な理由
「建設業の許可は、建設工事の種類ごとに受けるものである。」は正しい記述で、業種別許可制がとられています。
「許可を受けた業種の工事に附帯する工事は、請け負うことができる。」も正しく、附帯工事については許可を受けた業種の範囲に含めて扱われます。
「同一の業種について、一般と特定の両方の許可は受けられない。」も正しく、同一の建設業について2以上の許可を受けることはできません。

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