2026年版・4-11

騒音規制法・振動規制法の一問一答

1級土木施工管理技士「法規」から、騒音規制法・振動規制法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-11

騒音規制法及び振動規制法の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①特定建設作業は、著しい騒音等を発生する政令で定める作業である。
  • ②規制の対象となる指定地域は、環境大臣が指定することとされる。
  • ③特定建設作業は、建設業の許可を受けた者が行う作業に限られる。
  • ④特定建設作業の規制は、屋内で行われる作業のみを対象としている。
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正解 ①特定建設作業は、著しい騒音等を発生する政令で定める作業である。
解説
騒音規制法と振動規制法は、工場や建設工事から出る騒音・振動によって、周辺の生活環境が損なわれることを防ぐための法律です。どちらも同じ組立てになっており、対になる法律として理解すると覚えやすくなります。
この法律で建設工事に関係するのが特定建設作業です。特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音(振動規制法では著しい振動)を発生する作業であって政令で定めるものをいいます。つまり、うるさい作業のすべてが規制されるのではなく、政令の別表に列挙された作業だけが対象になる、という限定のかけ方をしています。どの機械を使うか、その定格出力がいくつか、という機械側の条件で線を引いているのが特徴です。
規制がかかる場所についても限定があり、住居が集合している地域や病院・学校の周辺など、静穏の保持が必要な地域を指定地域として都道府県知事(市の区域内の地域については市長)が指定します。全国一律の規制ではなく、指定地域の中でだけ届出と規制基準が働く仕組みです。
(根拠:騒音規制法第2条及び第3条、振動規制法第2条及び第3条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「規制の対象となる指定地域は、環境大臣が指定することとされる。」は誤りです。指定地域を指定するのは都道府県知事であり、市の区域内の地域については市長が指定します。
「特定建設作業は、建設業の許可を受けた者が行う作業に限られる。」も誤りです。対象となるかどうかは作業の種類と機械の要件で決まり、施工者が建設業の許可を受けているかどうかは関係ありません。
「特定建設作業の規制は、屋内で行われる作業のみを対象としている。」も誤りです。規制基準は敷地の境界線における大きさで判断され、屋外の作業も当然に対象となります。
問24-11

騒音規制法上、指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者が行う届出について、適当なものはどれか。

  • ①作業の開始の日の3日前までに、都道府県知事に届け出るものとする。
  • ②作業を開始した日から7日以内に、市町村長に届け出るものとする。
  • ③作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければならない。
  • ④作業の開始の日の14日前までに、警察署長に届け出るものとする。
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正解 ③作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければならない。
解説
特定建設作業の届出は、周辺住民への影響をあらかじめ把握し、必要なら作業前に指導を行えるようにするための仕組みです。したがって、届出は作業が始まる前に済んでいなければ意味がありません。
具体的には、指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければならないとされています。届け出る内容は、氏名又は名称及び住所、建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類、特定建設作業の種類・場所・実施期間・作業時間、騒音(振動)の防止の方法などです。
届出先が市町村長である点が実務上の要点です。騒音や振動は、その土地の状況をよく知る身近な行政庁でなければ実効性のある指導ができないため、規制の運用が市町村に委ねられているのです。この7日前という期限と届出先は、振動規制法でも同じです。
なお、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、事前の届出によらず、できる限り速やかに届け出ることとされています。
(根拠:騒音規制法第14条、振動規制法第14条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「作業の開始の日の3日前までに、都道府県知事に届け出るものとする。」は誤りです。期限は7日前までであり、届出先も市町村長です。
「作業を開始した日から7日以内に、市町村長に届け出るものとする。」も誤りです。届出は作業開始後ではなく、開始の日の7日前までに行う事前の届出です。
「作業の開始の日の14日前までに、警察署長に届け出るものとする。」も誤りです。期限は14日前ではなく7日前であり、警察署長への届出制度ではありません。
問34-11

騒音規制法に基づく特定建設作業の騒音の規制に関する基準として、適当なものはどれか。

  • ①特定建設作業の場所の敷地の境界線で、75デシベルを超えない。
  • ②特定建設作業の場所の敷地の境界線で、85デシベルを超えない。
  • ③特定建設作業を行う機械の運転席で、85デシベルを超えない。
  • ④最寄りの住居の屋内において、85デシベルを超えないこと。
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正解 ②特定建設作業の場所の敷地の境界線で、85デシベルを超えない。
解説
特定建設作業の騒音は、その作業を行う場所の敷地の境界線において85デシベルを超える大きさのものであってはならない、とされています。この二つの要素、すなわち「どこで測るか」と「いくつを超えないか」を対にして覚えることが重要です。
測定地点を敷地の境界線としているのは、規制の目的が周辺住民の生活環境を守ることにあるからです。機械のすぐそばで測れば当然大きな値になりますし、逆に遠く離れた住宅の中で測れば建物の遮音効果が混ざり、施工者の努力とは関係のない数値になってしまいます。敷地の境界線は、施工者が責任を負う範囲と、外の生活環境との境目にあたるため、規制の基準点として最も合理的なのです。
85デシベルという値は、騒々しい工場の中に相当する大きさで、これを超えると近隣の会話や睡眠に明らかな支障が生じる水準とされています。振動規制法の75デシベルと対で問われることが多いので、騒音85・振動75と組にして押さえておきます。
(根拠:騒音規制法第15条に基づく特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「特定建設作業の場所の敷地の境界線で、75デシベルを超えない。」は誤りです。75デシベルは振動規制法における振動の基準値であり、騒音の基準値は85デシベルです。
「特定建設作業を行う機械の運転席で、85デシベルを超えない。」も誤りです。測定地点は機械の運転席ではなく、作業場所の敷地の境界線です。
「最寄りの住居の屋内において、85デシベルを超えないこと。」も誤りです。測定地点は住居の屋内ではなく敷地の境界線であり、住居までの距離や建物の遮音性能によって判断が変わることのないようにしています。
問44-11

振動規制法に基づく特定建設作業の振動の規制に関する基準として、適当なものはどれか。

  • ①特定建設作業の場所の敷地の境界線で、85デシベルを超えない。
  • ②特定建設作業の場所から10m離れた地点で、75デシベルを超えない。
  • ③特定建設作業を行う機械の設置位置で、75デシベルを超えない。
  • ④特定建設作業の場所の敷地の境界線で、75デシベルを超えない。
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正解 ④特定建設作業の場所の敷地の境界線で、75デシベルを超えない。
解説
振動規制法における特定建設作業の規制基準は、その作業を行う場所の敷地の境界線において75デシベルを超える大きさのものでないこと、と定められています。測定地点が敷地の境界線である点は騒音規制法とまったく同じで、基準値だけが騒音85デシベル・振動75デシベルと異なります。
振動の値が騒音より低く設定されているのは、振動が人に与える不快感の性質が違うためです。振動は、建具ががたつく、家具が揺れる、体に直接伝わるといった形で感じられ、大きさが小さくても不安や苦情に直結します。また、地盤を通じて伝わるため、遮音壁のような対策が効きにくく、伝わり方を弱めるには振動源そのものを変えるしかありません。だからこそ、届出の段階で「振動の防止の方法」を具体的に記載させ、機械の選定や工法の変更を促す仕組みになっています。
実務では、油圧式のくい抜機を使う、圧入式のくい打機に変える、といった対象作業そのものから外れる工法を選ぶことが、最も確実な振動対策になります。
(根拠:振動規制法第15条に基づく特定建設作業に伴つて発生する振動の規制に関する基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「特定建設作業の場所の敷地の境界線で、85デシベルを超えない。」は誤りです。85デシベルは騒音規制法における騒音の基準値で、振動の基準値は75デシベルです。
「特定建設作業の場所から10m離れた地点で、75デシベルを超えない。」も誤りです。測定地点は作業場所から一定距離の地点ではなく、敷地の境界線と定められています。
「特定建設作業を行う機械の設置位置で、75デシベルを超えない。」も誤りです。機械の位置で測れば振動源の直上の値となり、周辺の生活環境を評価したことになりません。
問54-11

騒音規制法上の特定建設作業に該当するものとして、適当なものはどれか。

  • ①定格出力30kW以上のブルドーザを使用する作業
  • ②定格出力80kW以上のバックホゥを使用する作業
  • ③定格出力50kW以上のトラクターショベルの作業
  • ④混練容量0.3m³以上のコンクリートプラントの作業
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正解 ②定格出力80kW以上のバックホゥを使用する作業
解説
騒音規制法の特定建設作業は、政令の別表に列挙された作業だけが対象です。単に音が大きい作業というだけでは該当せず、機械の種類と大きさ(定格出力や混練容量)という客観的な条件で線が引かれています。誰が測っても同じ判断になるようにするためです。
土工に使う機械については、定格出力が次の値以上のものを使用する作業が対象になります。バックホゥは80kW以上、トラクターショベルは70kW以上、ブルドーザは40kW以上です。バックホゥ・トラクターショベル・ブルドーザの順に80・70・40と下がっていく、と並べて覚えると混同しません。値が異なるのは、同じ出力でも機械の構造によって発生する騒音の大きさが違うためです。
このほか、くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業、びょう打機を使用する作業、さく岩機を使用する作業、電動機以外の原動機を用いる定格出力15kW以上の空気圧縮機を使用する作業、混練容量0.45m³以上のコンクリートプラント又は混練重量200kg以上のアスファルトプラントを設けて行う作業が対象です。
(根拠:騒音規制法施行令別表第二によります)

他の選択肢が不適切な理由
「定格出力30kW以上のブルドーザを使用する作業」は誤りです。ブルドーザの要件は定格出力40kW以上であり、30kWの機械は対象になりません。
「定格出力50kW以上のトラクターショベルの作業」も誤りです。トラクターショベルの要件は定格出力70kW以上です。
「混練容量0.3m³以上のコンクリートプラントの作業」も誤りです。コンクリートプラントの要件は混練機の混練容量が0.45m³以上のものを設けて行う作業です。
問64-11

振動規制法上の特定建設作業に該当するものとして、適当なものはどれか。

  • ①鋼球を使用して工作物を破壊する作業
  • ②手持式のブレーカーを使用する作業
  • ③さく岩機を使用して岩石を破砕する作業
  • ④空気圧縮機を使用して行う削岩の作業
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正解 ①鋼球を使用して工作物を破壊する作業
解説
振動規制法の特定建設作業は、騒音規制法に比べて対象が少なく、政令の別表に4種類だけが挙げられています。地盤を通じて振動が伝わる作業に絞られている、と理解すると整理しやすくなります。
対象となるのは、くい打機(もんけん及び圧入式くい打機を除く)・くい抜機(油圧式くい抜機を除く)・くい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業、鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業、舗装版破砕機を使用する作業、ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業の4つです。
鋼球工法は、クレーンで吊った重い鉄の球を構造物にぶつけて壊す解体工法で、大きな衝撃が地盤に伝わるため対象になっています。一方、括弧書きの除外に注目してください。圧入式のくい打機や油圧式のくい抜機は、打撃ではなく静かに押し込む・引き抜くため振動が小さく、対象から外れています。手持式のブレーカーも、機械が小さく地盤へ伝わる振動が限られるため除かれます。
なお舗装版破砕機とブレーカーについては、作業地点が連続的に移動する場合、1日における2地点間の最大距離が50メートルを超えない作業に限られます。
(根拠:振動規制法施行令別表第二によります)

他の選択肢が不適切な理由
「手持式のブレーカーを使用する作業」は誤りです。ブレーカーのうち手持式のものは、政令で明文により対象から除かれています。
「さく岩機を使用して岩石を破砕する作業」も誤りです。さく岩機を使用する作業は騒音規制法の特定建設作業であり、振動規制法の別表には掲げられていません。
「空気圧縮機を使用して行う削岩の作業」も誤りです。空気圧縮機を使用する作業も騒音規制法側の対象で、振動規制法の特定建設作業には含まれません。
問74-11

騒音規制法に基づく特定建設作業について、作業を行う時間帯の制限として適当なものはどれか。

  • ①第2号区域では、午後6時から翌日の午前8時までは行わない。
  • ②第1号区域では、午後10時から翌日の午前6時までは行わない。
  • ③第2号区域では、午後8時から翌日の午前5時までは行わない。
  • ④第1号区域では、午後7時から翌日の午前7時までは行わない。
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正解 ④第1号区域では、午後7時から翌日の午前7時までは行わない。
解説
特定建設作業の規制基準には、音の大きさの上限だけでなく、いつ作業してよいかという時間の制限も含まれています。夜間の騒音は、同じ大きさでも睡眠を妨げる度合いが格段に大きいためです。
指定地域は、静穏の保持を必要とする度合いによって第1号区域と第2号区域に分けられます。第1号区域は良好な住居環境の地域や住居用の地域、学校・病院・図書館・特別養護老人ホームの周囲おおむね80メートルの区域など、静けさをより強く守るべき区域です。第2号区域は、指定地域のうち第1号区域以外の区域で、工業系の色合いが強い区域が該当します。
作業を行ってはならない時間帯は、第1号区域では午後7時から翌日の午前7時まで、第2号区域では午後10時から翌日の午前6時までです。より静けさが求められる第1号区域のほうが、夜は3時間早く始まり、朝は1時間遅くまで続くという関係になっています。区域の性格と規制の厳しさが対応していると理解すれば、数値を取り違えずに済みます。
(根拠:騒音規制法第15条に基づく特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「第2号区域では、午後6時から翌日の午前8時までは行わない。」は誤りです。第2号区域の禁止時間帯は午後10時から翌日の午前6時までです。
「第1号区域では、午後10時から翌日の午前6時までは行わない。」も誤りです。午後10時から午前6時までというのは第2号区域の制限であり、第1号区域は午後7時から午前7時までです。
「第2号区域では、午後8時から翌日の午前5時までは行わない。」も誤りです。第2号区域の制限にこのような時間帯の定めはありません。
問84-11

騒音規制法に基づく特定建設作業の規制基準に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①1日あたりの作業時間は、第1号区域では10時間を超えないこと。
  • ②1日あたりの作業時間は、第2号区域では14時間を超えないこと。
  • ③日曜日その他の休日であっても、作業を行うことができる。
  • ④同一場所においては、連続して6日を超えて行わないこと。
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正解 ③日曜日その他の休日であっても、作業を行うことができる。
解説
特定建設作業の規制基準は、音の大きさ・作業を行う時間帯・1日の作業時間・連続する日数・休日の5つの角度から組み立てられています。うるさい状態が長く続くこと自体が生活環境への負担になるため、大きさだけでなく時間の総量にも制限をかけているのです。
1日あたりの作業時間は、第1号区域では10時間、第2号区域では14時間を超えて行われる作業でないこととされています。第1号区域の禁止時間帯が午後7時から翌午前7時までであることから、そもそも作業できるのは12時間しかなく、そのうえで10時間という上限がかかる、という関係になっています。
連続する日数については、同一の場所においては連続して6日を超えて行われる作業でないこと、とされています。7日目以降も続けたい場合は、いったん作業を中断する必要があります。そして日曜日その他の休日に行われる作業でないこと、という制限があります。周辺の住民が在宅している可能性の高い休日に、あえて騒音の大きな作業をしないという趣旨です。
なお、災害その他非常の事態の発生により緊急に行う必要がある場合などには、これらの制限が適用されない例外が定められています。
(根拠:騒音規制法第15条に基づく特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「1日あたりの作業時間は、第1号区域では10時間を超えないこと。」は正しい記述です。第1号区域では1日10時間が上限とされています。
「1日あたりの作業時間は、第2号区域では14時間を超えないこと。」も正しい記述で、第2号区域の上限は1日14時間です。
「同一場所においては、連続して6日を超えて行わないこと。」も正しい記述です。同じ場所で騒音が長期間続くことを避けるための制限です。
問94-11

騒音規制法上の届出及び市町村長の措置に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①届出は、工事を実際に施工する下請負人が行うものとされる。
  • ②届出をするのは、特定建設作業を伴う工事を施工する者である。
  • ③市町村長は、騒音の防止の方法の改善を勧告することはできない。
  • ④災害により緊急に作業を行う場合も、7日前の届出が必要である。
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正解 ②届出をするのは、特定建設作業を伴う工事を施工する者である。
解説
届出の義務を負うのは、指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者です。実務では、工事全体を統括し、工程と作業方法を決める立場にある元請負人がこれにあたります。実際に機械を動かすのが下請負人であっても、いつどの機械を使うかを決めているのは元請負人であり、その判断がそのまま騒音の大小につながるためです。
届出を受けた市町村長は、その特定建設作業の騒音が規制基準に適合せず、周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、騒音の防止の方法を改善し、又は特定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告することができます。勧告に従わないときは、期限を定めて改善又は作業時間の変更を命ずることができ、この命令に違反した場合には罰則の適用があります。行政指導で終わらせず、最終的には強制力のある命令につながる仕組みです。
なお、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、7日前という事前の届出によらず、できる限り速やかに届け出ればよいこととされています。人命にかかわる応急復旧を、届出の期限のために遅らせてはならないからです。
(根拠:騒音規制法第14条及び第15条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「届出は、工事を実際に施工する下請負人が行うものとされる。」は誤りです。届出義務者は工事を施工しようとする者であり、実務上は工事を統括する元請負人が行います。
「市町村長は、騒音の防止の方法の改善を勧告することはできない。」も誤りです。市町村長には改善の勧告に加え、勧告に従わない場合の改善命令の権限も与えられています。
「災害により緊急に作業を行う場合も、7日前の届出が必要である。」も誤りです。緊急の場合は事前の期限によらず、できる限り速やかに届け出ればよいとされています。
問104-11

騒音規制法と振動規制法の比較に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①特定建設作業の実施の届出は、いずれも7日前までに行う。
  • ②規制基準は、騒音が85デシベル、振動が75デシベルである。
  • ③いずれの規制基準も、敷地の境界線において測定する。
  • ④いずれの法律も、くい打機を使用する作業を対象としない。
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正解 ④いずれの法律も、くい打機を使用する作業を対象としない。
解説
騒音規制法と振動規制法は、条文の構成がほぼ同じで、対象作業と基準値だけが異なります。両者の共通点と相違点を整理しておくと、どちらの法律を問われても対応できます。
共通しているのは、指定地域の指定を都道府県知事(市の区域内は市長)が行うこと、特定建設作業の実施の届出を作業開始の日の7日前までに市町村長へ行うこと、規制基準の測定地点が作業場所の敷地の境界線であること、作業時間帯の制限が第1号区域で午後7時から翌午前7時まで・第2号区域で午後10時から翌午前6時までであること、1日の作業時間が10時間・14時間、連続6日、日曜休日の制限があることです。
異なるのは、基準値が騒音85デシベル・振動75デシベルであること、そして対象作業の範囲です。騒音規制法は8種類、振動規制法は4種類が政令に掲げられています。
そして、くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業は、両方の法律で対象とされています。打撃で杭を打ち込む作業は、大きな音と強い地盤振動を同時に生じさせるためです。ただし除外される機種の範囲は法律ごとに異なります。
(根拠:騒音規制法施行令別表第二、振動規制法施行令別表第二によります)

他の選択肢が不適切な理由
「特定建設作業の実施の届出は、いずれも7日前までに行う。」は正しい記述です。届出の期限と届出先(市町村長)は両法で共通しています。
「規制基準は、騒音が85デシベル、振動が75デシベルである。」も正しい記述で、どちらも敷地の境界線における値です。
「いずれの規制基準も、敷地の境界線において測定する。」も正しい記述です。施工者が責任を負う範囲と外部との境目で評価する考え方が共通しています。

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