2026年版・3-4

河川堤防の構造と施工の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、河川堤防の構造と施工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-4

河川堤防の各部の名称に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①堤防で守られる住居側の土地を、堤内地と呼んでいる。
  • ②川の水が流れている側の土地を、堤内地と呼んでいる。
  • ③堤防の住居側の法面を、表法面と呼んでいる。
  • ④上流から下流を見て左側の岸を、右岸と呼んでいる。
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正解 ①堤防で守られる住居側の土地を、堤内地と呼んでいる。
解説
河川用語の「内」と「外」は、日常の感覚と逆に感じられるため、多くの人がつまずくところです。基準になっているのは水ではなく、堤防で守られている土地のほうです。
堤防によって洪水から守られている居住地側を堤内地、堤防と堤防の間で水が流れている側を堤外地といいます。これは、堤防で囲んで水が入らないようにした内側の土地、という昔からの見方に由来しています。守られている側が「内」と覚えると間違えません。
あわせて法面の呼び方も整理しておきます。川に面している側の法面が表法面(川表)、堤内地に面している側が裏法面(川裏)です。表は水と接するため護岸などで守り、裏は漏水や浸透に対する安定が課題になります。
また左岸・右岸は、上流から下流に向かって(水が流れていく方向を見て)左側が左岸、右側が右岸です。下流から見上げた向きではない点に注意してください。
(根拠:河川管理施設等構造令および河川用語の一般的な定義によります)

他の選択肢が不適切な理由
「川の水が流れている側の土地を、堤内地と呼んでいる。」は誤りで、水が流れている側は堤外地です。
「堤防の住居側の法面を、表法面と呼んでいる。」も誤りで、住居側(堤内地側)は裏法面です。
「上流から下流を見て左側の岸を、右岸と呼んでいる。」も誤りで、上流から下流を見て左側は左岸です。
問23-4

河川堤防の築堤材料として求められる性質に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①透水性が大きく、堤体内の水を速やかに通す材料がよい。
  • ②粒度分布の幅が狭く、粒径のそろった材料が適している。
  • ③せん断強度が大きく、圧縮性の小さい材料が適している。
  • ④有機物を多く含み、締固めやすい材料が適している。
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正解 ③せん断強度が大きく、圧縮性の小さい材料が適している。
解説
河川堤防は、洪水時に水をせき止めるための土の構造物です。したがって築堤材料には、水を通しにくいこと、崩れにくいこと、沈みにくいことという三つの性質が求められます。
せん断強度が大きいことは、法面がすべり破壊を起こさないために必要です。圧縮性が小さいことは、完成後に堤防が沈下して高さが不足する事態を防ぐために必要です。この二つを満たす材料は、堤防を長期にわたって安定させます。
透水性については、水を通しにくい(不透水性の)材料が望ましいというのが原則です。透水性が大きいと、洪水時に水が堤体内へ入り込んで浸潤線が上がり、裏法面からの漏水やパイピングを招きます。
また粒度は、粗い粒から細かい粒までバランスよく含む、粒度分布のよい材料が適しています。細かい粒が粗い粒のすき間を埋めることで密実になり、強度も高く、水も通しにくくなるからです。有機物を多く含む土は、腐って空隙ができたり圧縮性が大きかったりするため、築堤材料には適しません。
(根拠:河川土工の一般的な考え方および河川管理施設等構造令の趣旨によります)

他の選択肢が不適切な理由
「透水性が大きく、堤体内の水を速やかに通す材料がよい。」は誤りで、堤体には水を通しにくい材料が求められます。
「粒度分布の幅が狭く、粒径のそろった材料が適している。」も誤りで、粒径がそろった材料は空隙が多く密実になりにくい材料です。
「有機物を多く含み、締固めやすい材料が適している。」も誤りで、有機物を多く含む土は圧縮性が大きく堤体材料として不適です。
問33-4

河川堤防の盛土の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①締固め後の1層の仕上り厚さは、60cm程度を標準とする。
  • ②締固め後の1層の仕上り厚さは、30cm以下を標準とする。
  • ③締固めは、堤防の法線に直角な方向に行うのを原則とする。
  • ④含水比は、最適含水比より大幅に高い状態で締め固める。
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正解 ②締固め後の1層の仕上り厚さは、30cm以下を標準とする。
解説
盛土は、薄く敷き均して締め固める作業を何層も積み重ねてつくります。1層を厚くしすぎてはいけないのは、締固め機械の力が下まで届かないからです。表面だけが締まって内部がゆるいままの層が残ると、そこが弱点になって不同沈下や漏水の原因になります。
河川堤防では、締固め後の1層の仕上り厚さを30cm以下とするのが標準です。敷均し時の厚さでいえば35cmから45cm程度になります。締め固めると土が圧縮されて薄くなるため、敷均し厚さと仕上り厚さは別の値である点に注意してください。
締固めの走行方向は、堤防の法線に平行とするのが原則です。法線に直角に走ると、機械が法面に近づいたり離れたりして端部の締固めが不均一になり、また法面の肩を崩すおそれがあります。
含水比は、最も締まりやすい最適含水比の付近に調整します。水が多すぎるとこね返して強度が落ち(オーバーコンパクション)、少なすぎると土粒子が動きにくく密度が上がりません。
(根拠:河川土工および盛土の締固めに関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「締固め後の1層の仕上り厚さは、60cm程度を標準とする。」は誤りで、厚すぎて締固めのエネルギーが下層まで届きません。
「締固めは、堤防の法線に直角な方向に行うのを原則とする。」も誤りで、法線に平行に走行するのが原則です。
「含水比は、最適含水比より大幅に高い状態で締め固める。」も誤りで、最適含水比付近に調整して締め固めます。
問43-4

河川堤防の拡築工事に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①腹付けは、川に面した表側に行うのを原則としている。
  • ②旧堤防との接合面は、段切りをせずにそのまま盛り立てる。
  • ③段切りは、旧堤防の法面を垂直に削り取って行うのがよい。
  • ④旧堤防の法面には段切りを行い、盛土との一体化を図る。
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正解 ④旧堤防の法面には段切りを行い、盛土との一体化を図る。
解説
既にある堤防を大きくする工事を拡築といい、法面に土を盛り足すことを腹付けといいます。
ここで最大の課題は、古い堤防と新しい盛土の境目です。傾いた法面の上にそのまま土を盛ると、境界面が滑り面になって新しい盛土がずり落ちるおそれがあり、また境界にすき間が残ると水みちになって漏水を招きます。そこで、旧堤防の法面を階段状に削り取る段切りを行います。水平な段をつくることで新旧の土が食い違ってかみ合い、滑りにくくなり、一体となって働くようになります。段の高さは50cm程度、幅は1m以上を目安とし、段の面には雨水がたまらないようわずかな勾配をつけます。
腹付けを行う位置は、堤内地側である裏腹付けが原則です。川表側に腹付けをすると、新しく盛った締固めの不十分な土が直接洪水の流れにさらされ、洗掘や浸透に対して弱くなるためです。
(根拠:河川土工および堤防の拡築に関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「腹付けは、川に面した表側に行うのを原則としている。」は誤りで、原則は堤内地側に盛り足す裏腹付けです。
「旧堤防との接合面は、段切りをせずにそのまま盛り立てる。」も誤りで、境界面がすべり面や水みちになるおそれがあります。
「段切りは、旧堤防の法面を垂直に削り取って行うのがよい。」も誤りで、段切りは水平な段をつくって新旧の土をかみ合わせる処理です。
問53-4

河川堤防の引堤工事に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①旧堤防の撤去は、新堤防が安定するまでの期間をおいて行う。
  • ②新堤防の完成と同時に、旧堤防を直ちに撤去するのがよい。
  • ③引堤とは、堤防の高さだけを高くする工事のことである。
  • ④旧堤防は、新堤防の盛土材料として必ず用いる決まりである。
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正解 ①旧堤防の撤去は、新堤防が安定するまでの期間をおいて行う。
解説
引堤とは、川幅を広げて流せる水の量を増やすために、堤防を堤内地側へ後退させて新たに築く工事です。新しい堤防を内陸側につくり、川幅が広がったあとに古い堤防を撤去します。
ここで重要なのが、旧堤防をいつ撤去するかという判断です。新しく盛った堤防は、土がなじんで安定するまでに時間がかかります。完成直後は締固めが落ち着いておらず、まだ沈下が続いていることもあり、洪水に対する信頼性が十分とはいえません。そこで、旧堤防はすぐには壊さず、新堤防が安定するまでの期間(一般に3年程度)そのまま残して二重の備えとし、その後に撤去するのが原則です。安全側に配慮した、実務的で理にかなった考え方です。
なお引堤は堤防の位置を移す工事であって、堤防の高さを上げるかさ上げとは別の工事です。旧堤防の土を新堤防に転用することはありますが、材料としての適否を確認したうえで判断するものであり、必ず用いると決まっているわけではありません。
(根拠:河川土工および引堤工事に関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「新堤防の完成と同時に、旧堤防を直ちに撤去するのがよい。」は誤りで、新堤防が安定するまで残しておくのが原則です。
「引堤とは、堤防の高さだけを高くする工事のことである。」も誤りで、それはかさ上げの説明です。
「旧堤防は、新堤防の盛土材料として必ず用いる決まりである。」も誤りで、材料としての適否を検討したうえで判断します。
問63-4

河川堤防の盛土施工中の排水に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①施工面は水平に仕上げ、雨水が表面にとどまるようにする。
  • ②堤防の天端には、横断勾配を設けないのが原則である。
  • ③施工面には横断勾配を設け、雨水が滞留しないようにする。
  • ④降雨後は、含水比を測らずにただちに次の層を盛り立てる。
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正解 ③施工面には横断勾配を設け、雨水が滞留しないようにする。
解説
盛土の品質を左右する最大の要因は水です。土は水を含みすぎると強度が落ち、締め固めても密度が上がらなくなります。そのため、施工中に雨水を盛土面にためないことが基本になります。
そこで、一日の作業を終えるときには、施工面に4%から5%程度の横断勾配をつけて仕上げ、雨が降っても水が自然に流れ落ちるようにします。表面を平らに仕上げてしまうと、雨水が水たまりとなって浸み込み、その部分だけ含水比が上がって軟らかくなり、翌日の施工ができなくなります。あわせて、法肩から水が流れ落ちて法面を洗掘しないよう、仮排水路を設けて排水します。
完成後の堤防天端にも、雨水を速やかに排水するための横断勾配を設けます。水がたまると天端が傷み、堤体内へ浸透して弱くなるためです。
降雨のあとは、盛土材の含水比が上がっている可能性があるため、含水比を確認し、必要ならばばっ気乾燥などで調整してから次の層を盛り立てます。
(根拠:河川土工および盛土の施工に関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工面は水平に仕上げ、雨水が表面にとどまるようにする。」は誤りで、水がたまると含水比が上がり施工性と品質が低下します。
「堤防の天端には、横断勾配を設けないのが原則である。」も誤りで、天端にも排水のための横断勾配を設けます。
「降雨後は、含水比を測らずにただちに次の層を盛り立てる。」も誤りで、含水比を確認し必要な調整を行ってから施工します。
問73-4

河川管理施設等構造令に定める堤防の構造に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①堤防の法勾配は、1割より急な勾配とすることとされている。
  • ②堤防の天端幅は、計画高水流量にかかわらず一定とされる。
  • ③余裕高は、計画高水流量が大きいほど小さく定められている。
  • ④堤防の法勾配は、2割より緩やかにすることとされている。
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正解 ④堤防の法勾配は、2割より緩やかにすることとされている。
解説
河川管理施設等構造令は、堤防が備えるべき最低限の形を定めた政令です。土でできた堤防は、コンクリート構造物のように急な形にはできないため、形状そのものに安全率を組み込んでいます。
法勾配は、原則として2割(高さ1に対して水平2、すなわち1対2)より緩やかにすると定められています。土のすべり破壊に対する安定を確保するとともに、緩やかな面にすることで流水や雨水による洗掘を受けにくくし、また堤防の上を機械が走って点検・補修できるようにするためです。
天端幅と余裕高は、計画高水流量に応じて段階的に大きくなるよう定められています。流量が大きい川ほど洪水の規模も破堤したときの被害も大きくなるので、堤防を厚くし、水面から堤防の天端までの余裕も大きくとる、という考え方です。したがって、流量にかかわらず一定であったり、流量が大きいほど余裕高が小さくなったりすることはありません。
(根拠:河川管理施設等構造令の堤防の構造に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「堤防の法勾配は、1割より急な勾配とすることとされている。」は誤りで、そのような急な法面では土の堤防は安定しません。
「堤防の天端幅は、計画高水流量にかかわらず一定とされる。」も誤りで、計画高水流量の区分に応じて必要な幅が定められています。
「余裕高は、計画高水流量が大きいほど小さく定められている。」も誤りで、流量が大きいほど余裕高は大きく定められています。
問83-4

河川堤防の盛土の施工管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①施工時期は、出水期や融雪期をできるだけ避けて計画する。
  • ②締固めの管理は、含水比を無視して転圧回数だけで判断する。
  • ③堤体の沈下を見込んで、あらかじめ余盛を行うことがある。
  • ④軟弱地盤上では、盛土の速度を制限して施工することがある。
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正解 ②締固めの管理は、含水比を無視して転圧回数だけで判断する。
解説
盛土の締固めは、同じ機械で同じ回数だけ転圧しても、土の含水比が違えば得られる密度がまったく変わります。水が少なすぎると土粒子どうしが動きにくく密になりません。逆に多すぎると、水がクッションのように働いて土粒子の移動を妨げ、こね返して強度を落とします。最も密になる含水比が最適含水比です。
したがって、転圧回数だけで締固めを判断するのは誤りで、含水比の管理と組み合わせて初めて意味を持ちます。実際の管理では、締固め度(現場の乾燥密度と室内試験の最大乾燥密度の比)や空気間隙率、飽和度などで確認し、あわせて含水比を測定します。
そのほか、河川堤防特有の管理として、出水期や融雪期には施工中の盛土が流失する危険があるため、この時期を避けて計画すること、完成後の圧密沈下を見込んで所定の高さより高めに盛る余盛を行うこと、軟弱地盤上では盛土の速度を制限して地盤のせん断破壊を防ぐことなどがあります。
(根拠:河川土工および盛土の締固め管理に関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「施工時期は、出水期や融雪期をできるだけ避けて計画する。」は正しく、施工中の盛土が洪水で流失する危険を避けるためです。
「堤体の沈下を見込んで、あらかじめ余盛を行うことがある。」も正しく、完成後の沈下により堤防高が不足するのを防ぎます。
「軟弱地盤上では、盛土の速度を制限して施工することがある。」も正しく、緩速載荷により地盤のせん断破壊を防ぎます。
問93-4

河川堤防と樋門などの構造物の取付部の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①構造物の周囲は、大型の締固め機械で一度に締め固める。
  • ②構造物との接合部は、粒径の大きい材料で埋め戻すのがよい。
  • ③構造物の周囲は、小型機械で薄く層状に締め固めていく。
  • ④構造物の周囲は、締固めが難しいため水締めだけで仕上げる。
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正解 ③構造物の周囲は、小型機械で薄く層状に締め固めていく。
解説
堤防を横切って設けられる樋門や樋管の周囲は、堤防の弱点になりやすい箇所です。硬いコンクリート構造物と軟らかい土という、性質のまったく違うものが接しているため、圧縮の仕方が異なって境界にすき間ができやすく、そこが漏水の通り道になります。実際、堤防の被災は構造物との取付部から始まることが少なくありません。
そこで、構造物の周囲は特に入念に締め固めます。大型のローラは構造物に近づけないうえ、振動や接触で構造物を傷めるおそれがあるため、ランマやタンパなどの小型の締固め機械を使い、1層を薄くして層状に丁寧に締め固めていきます。手間はかかりますが、これが空洞化と漏水を防ぐ最も確実な方法です。
埋戻し材料は、締固めやすく水を通しにくいものを選びます。粒径の大きい材料は空隙が多く、水みちになりやすいため適しません。水締めだけでは所定の密度が得られないため、締固めの代わりにはなりません。あわせて、水の浸透経路を長くする遮水壁(止水板)を設けるなどの対策も行われます。
(根拠:河川土工および構造物取付部の施工に関する一般的な施工基準によります)

他の選択肢が不適切な理由
「構造物の周囲は、大型の締固め機械で一度に締め固める。」は誤りで、機械が近づけず構造物を傷めるおそれもあります。
「構造物との接合部は、粒径の大きい材料で埋め戻すのがよい。」も誤りで、空隙が多く水みちになりやすい材料は適しません。
「構造物の周囲は、締固めが難しいため水締めだけで仕上げる。」も誤りで、水締めのみでは必要な密度を確保できません。
問103-4

河川堤防の漏水とその対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①パイピングは、堤体や基礎地盤の土砂が流出する現象である。
  • ②川表側にドレーン工を設けると、堤体の浸潤線が下がる。
  • ③遮水シートで川表を覆うと、堤体への浸透が抑えられる。
  • ④堤脚部のドレーン工は、堤体内の水を安全に排出する工である。
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正解 ②川表側にドレーン工を設けると、堤体の浸潤線が下がる。
解説
洪水が続くと、川の水が堤防の中へじわじわと浸み込み、堤体内の水位面である浸潤線が上がっていきます。浸潤線が裏法面に出るところまで上がると、そこから水がにじみ出て土を軟らかくし、法面のすべりやパイピングを招きます。パイピングとは、浸透してきた水の流れで細かい土粒子が運び出され、地中に管状の水みちができて、最後には堤防が崩れる現象です。
対策は二方向から考えます。ひとつは水を入れないこと。川表側を遮水シートや遮水矢板で覆い、堤体への浸透そのものを減らします。もうひとつは入った水を安全に出すことで、これがドレーン工です。ドレーン工は、砂利など水を通しやすい材料を裏法尻(堤内地側の堤脚部)に設け、堤体内へ入った水を土粒子を流出させずに排水します。これにより浸潤線が引き下げられ、裏法面が安定します。
ドレーン工を川表側に設けても、そこは水が入ってくる側なので浸潤線を下げる効果はありません。「入口をふさぐのは川表、出口をつくるのは川裏」と対応づけて覚えると確実です。
(根拠:河川堤防の浸透対策に関する一般的な設計・施工の考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「パイピングは、堤体や基礎地盤の土砂が流出する現象である。」は正しく、浸透流により水みちが形成される破壊形態です。
「遮水シートで川表を覆うと、堤体への浸透が抑えられる。」も正しく、水の侵入そのものを減らす対策にあたります。
「堤脚部のドレーン工は、堤体内の水を安全に排出する工である。」も正しく、裏法尻に設けて浸潤線を低下させます。

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