コンクリート構造物の中性化に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- ①中性化とは、コンクリートの圧縮強度が低下する現象である。
- ②中性化が鉄筋の位置まで進むと、鉄筋がさびて膨張し始める。
- ③中性化は、水セメント比が小さいコンクリートほど速く進む。
- ④中性化の主な原因は、空気中の酸素とセメントの反応である。
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コンクリートは本来、pHが12から13という強いアルカリ性をもっています。このアルカリ性の環境では、鉄筋の表面に不動態被膜という非常に薄い保護膜ができ、鉄筋がさびるのを防いでいます。コンクリートが鉄筋を守れるのは、この化学的な働きによるものです。
ところが、空気中の二酸化炭素がコンクリートの内部に入り込み、水酸化カルシウムと反応して炭酸カルシウムに変わると、アルカリ性が失われて中性に近づきます。これが中性化です。中性化そのものはコンクリートの強度を下げるわけではありません。問題は、中性化した範囲が鉄筋の位置まで達したときです。保護膜が失われた鉄筋は水と酸素によってさび始め、さびは元の鉄の2倍以上に体積が膨らむため、内側からコンクリートを押し広げ、かぶりにひび割れを生じさせ、やがて剥落に至ります。
したがって、中性化対策の要点はかぶりを十分に確保すること、水セメント比を小さくして組織を密実にし、二酸化炭素が入りにくいコンクリートにすることです。
(根拠:コンクリート標準示方書(土木学会)の中性化に関する記載によります)
他の選択肢が不適切な理由
「中性化とは、コンクリートの圧縮強度が低下する現象である。」は誤りで、中性化はアルカリ性が失われる現象であり、強度そのものが低下するわけではありません。
「中性化は、水セメント比が小さいコンクリートほど速く進む。」は逆で、水セメント比が小さいほど組織が密実になり進行は遅くなります。
「中性化の主な原因は、空気中の酸素とセメントの反応である。」も誤りで、原因となるのは酸素ではなく二酸化炭素です。