プレストレストコンクリートの原理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- ①あらかじめ圧縮力を与えひび割れを抑える
- ②あらかじめ引張力を与えてたわみを抑える
- ③鉄筋を用いずに引張力に抵抗させる
- ④コンクリートの圧縮強度を高める工法
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コンクリートは押される力にはたいへん強い一方、引っ張られる力には圧縮の10分の1程度しか耐えられません。そのため、はりの下側のように引張力が働く場所では、荷重が小さいうちからひび割れが入ります。鉄筋コンクリートは、そのひび割れを前提にして、割れた後の引張力を鉄筋に負担させる考え方です。
プレストレストコンクリートは考え方が違います。荷重が作用する前に、高強度の鋼材を引っ張った反力で、コンクリートにあらかじめ圧縮力を与えておきます。後から荷重によって引張力が生じても、まず先に与えてある圧縮力が打ち消すため、コンクリートに引張が現れにくくなり、ひび割れが生じにくくなります。この、あらかじめ与えておく応力をプレストレスといいます。
ひび割れが出にくいということは、水や塩分が内部に入りにくいということでもあり、耐久性の面でも有利です。またたわみが小さくなるため、同じ支間なら部材を薄くでき、長い支間を渡すことができます。
なお、プレストレスを与えてもコンクリート自体の圧縮強度が上がるわけではありません。また、せん断補強や部分的な引張に備えて、PC部材にも普通の鉄筋が併せて配置されます。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書におけるプレストレストコンクリートの規定によります)
他の選択肢が不適切な理由
「あらかじめ引張力を与えてたわみを抑える」は誤りで、コンクリートに与えるのは引張力ではなく圧縮力です。
「鉄筋を用いずに引張力に抵抗させる」も誤りで、PC部材にもせん断補強筋などの普通鉄筋が併せて配置されます。
「コンクリートの圧縮強度を高める工法」も誤りで、圧縮強度は配合や材料で決まり、プレストレスでは変わりません。