2026年版・3-21

鋼橋の防食・支承・伸縮装置の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、鋼橋の防食・支承・伸縮装置に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-21

鋼橋の防食法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①塗装は塗膜によって水と酸素を遮断する
  • ②溶融亜鉛めっきは亜鉛の犠牲防食を利用する
  • ③金属溶射は溶かした金属を吹き付ける
  • ④耐候性鋼材は表面のさびを除去して使う
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正解 ④耐候性鋼材は表面のさびを除去して使う
解説
鋼は、水と酸素の両方が表面に届いたときに腐食します。鋼橋の防食は、この二つを鋼に届かせないようにするか、鋼より先に腐食してくれる金属を用意するか、どちらかの考え方で行われます。
塗装は前者の代表です。塗膜という薄い膜で水や酸素、塩分を遮断します。下塗り・中塗り・上塗りを重ね、順にさび止め、必要な膜厚の確保、日射や雨に耐える表面の形成という役割を分担させます。
溶融亜鉛めっきと金属溶射は後者にあたります。溶かした亜鉛の浴に部材を浸したり、溶かした金属を吹き付けたりして表面を金属の層で覆います。この層に傷が付いても、亜鉛のほうが鋼より先に溶けるため、鋼はしばらく守られます。これを犠牲防食といいます。
耐候性鋼材は、これらとは考え方がまったく異なります。銅やクロムなどを少量加えた鋼で、表面にできるさびのうち内側の層が緻密になり、それより内部へ腐食が進むのを妨げます。つまり、さび自体を防食の層として使う鋼材であり、そのさびを削り取ってしまえば効果は失われます。
(根拠:日本道路協会 鋼道路橋防食便覧における防食法の考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「塗装は塗膜によって水と酸素を遮断する」は正しい記述で、腐食に必要な水と酸素を鋼の表面から絶つ方法です。
「溶融亜鉛めっきは亜鉛の犠牲防食を利用する」も正しい記述で、亜鉛が鋼より先に腐食することで鋼を守ります。
「金属溶射は溶かした金属を吹き付ける」も正しい記述で、現場でも施工でき、亜鉛やアルミニウムなどが用いられます。
問23-21

橋の支承の役割に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①支承は上部構造の荷重を下部構造へ伝える
  • ②支承は桁の温度変化による伸縮を拘束する
  • ③一つの径間の支承は全て固定支承とする
  • ④可動支承は鉛直方向の変位のみを許容する
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正解 ①支承は上部構造の荷重を下部構造へ伝える
解説
支承は、桁と橋台・橋脚のあいだにある部品です。役割は二つあり、この二つを同時に果たすことが求められます。
一つ目は、桁が受けた荷重を確実に下部構造へ伝えることです。自動車の重さや桁自身の重さ、地震時の力は、すべて支承を通って橋脚や橋台へ流れます。
二つ目は、桁の動きを妨げないことです。鋼やコンクリートは温度が上がれば伸び、下がれば縮みます。数十メートルの桁では、その伸縮量は数センチメートルにもなります。また車が載れば桁はたわみ、桁の端は角度を変えます。もしこの動きを支承が押さえ込んでしまうと、桁や橋脚に非常に大きな力が発生します。そこで支承は、伸縮と回転を逃がすようにつくられます。
そのため、一つの径間では通常、片側を固定支承として橋の位置を定め、反対側を可動支承として伸縮を逃がします。可動支承が逃がすのは橋軸方向の水平移動と回転であって、鉛直方向の変位ではありません。鉛直方向に動いてしまえば、荷重を伝えるという一つ目の役割が果たせなくなるからです。
(根拠:日本道路協会 道路橋示方書における支承部の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「支承は桁の温度変化による伸縮を拘束する」は誤りで、拘束するのではなく伸縮を逃がすのが支承の役割です。
「一つの径間の支承は全て固定支承とする」も誤りで、片側を固定、反対側を可動として伸縮を吸収させます。
「可動支承は鉛直方向の変位のみを許容する」も誤りで、許容するのは橋軸方向の水平移動と回転です。
問33-21

鋼橋の塗装に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①素地調整は下塗りの後に行うのがよい
  • ②素地調整の良否が塗膜の寿命を左右する
  • ③下塗りには上塗り用の塗料を用いるのがよい
  • ④上塗りは防せい顔料を主体とした塗料
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正解 ②素地調整の良否が塗膜の寿命を左右する
解説
塗装は、鋼の表面に膜をつくって水と酸素を遮る防食法です。したがって、膜がどれだけ長く鋼にくっついていられるかがすべてを決めます。
その決め手が素地調整です。鋼材の表面には、製造時にできた黒い酸化被膜や浮きさび、油分、塩分などが付いています。これらの上に塗料をのせても、塗膜は下地ごと剥がれてしまいます。そこで研削材を吹き付けるブラスト処理などで表面をきれいにし、同時に細かい凹凸をつけて塗料が食い付く足がかりをつくります。新設橋では除せい度をISOの規格で指定するのが一般的です。素地調整を終えたら、さびが再び出る前にできるだけ早く下塗りを行います。
塗り重ねは役割分担です。下塗りには、亜鉛末を多く含むジンクリッチペイントのような防せい顔料を主体とした塗料を用い、鋼を直接守ります。中塗りは下塗りと上塗りをなじませ、必要な膜厚を確保します。上塗りは日射や雨に耐え、色と光沢を保つ塗料を用います。この順序と役割を入れ替えることはできません。
(根拠:日本道路協会 鋼道路橋防食便覧における素地調整及び塗装系の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「素地調整は下塗りの後に行うのがよい」は誤りで、素地調整は塗装の前に行う下準備であり、順序が逆です。
「下塗りには上塗り用の塗料を用いるのがよい」も誤りで、下塗りには防せい顔料を主体とした専用の塗料を用います。
「上塗りは防せい顔料を主体とした塗料」も誤りで、防せい顔料を主体とするのは下塗りであり、上塗りは耐候性を担います。
問43-21

耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①緻密なさびが鋼材の腐食の進行を抑える
  • ②銅やクロム等を少量加えた鋼材である
  • ③凍結防止剤を散布する区間に適している
  • ④表面処理により初期のさびを整えられる
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正解 ③凍結防止剤を散布する区間に適している
解説
耐候性鋼材は、塗り替えの手間をなくすことを狙った鋼材です。普通の鋼にはない銅・クロム・りん・ニッケルといった元素を少量加えてあり、屋外に置くと、表面のさびのうち鋼に接する内側の層が非常に緻密になります。この層が水と酸素の通り道をふさぐため、それ以上さびが内部へ進みません。塗装をせずに使えるのはこのためで、さびを取り除いてはいけない鋼材です。
ただし、この緻密な層は塩分があると育ちません。塩化物イオンがあると、さびが層状にめくれ上がる剥離さびになり、かえって腐食が速く進みます。そのため、海岸に近く飛来する塩分が多い地域や、冬季に塩化物系の凍結防止剤を散布する区間では、無塗装での使用は避けます。適用の可否は、飛来塩分量の測定値や地域の区分によって判断します。したがって「凍結防止剤を散布する区間に適している」が誤りです。
なお、供用初期には流れ落ちるさび汁で周囲を汚すことがあるため、あらかじめさび安定化処理という表面処理を施し、初期のさびの出方を整える方法がとられます。
(根拠:日本道路協会 鋼道路橋防食便覧及び道路橋示方書における耐候性鋼材の適用条件によります)

他の選択肢が不適切な理由
「緻密なさびが鋼材の腐食の進行を抑える」は正しい記述で、これが耐候性鋼材の防食の仕組みそのものです。
「銅やクロム等を少量加えた鋼材である」も正しい記述で、これらの元素が緻密なさびの形成を助けます。
「表面処理により初期のさびを整えられる」も正しい記述で、さび汁による汚れを抑える目的で用いられます。
問53-21

鋼橋に用いる溶融亜鉛めっきに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①皮膜に傷が付くと直ちに鋼が腐食する
  • ②めっき槽の大きさは部材寸法を選ばない
  • ③めっきした部材は塗装を施してはならない
  • ④亜鉛が鋼より先に腐食し鋼材を保護する
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正解 ④亜鉛が鋼より先に腐食し鋼材を保護する
解説
溶融亜鉛めっきは、溶かした亜鉛の浴に鋼部材を浸し、表面を亜鉛の層で覆う防食法です。効果は二段構えになっています。
第一に、亜鉛の層そのものが水と酸素を遮る覆いとして働きます。第二に、覆いに傷が付いて鋼が露出しても、亜鉛のほうが鋼より腐食しやすい金属であるため、亜鉛が先に溶けて鋼の腐食を肩代わりします。これを犠牲防食といい、多少の傷では鋼がすぐにさび始めることはありません。塗装にはないこの性質が、めっきの大きな利点です。
一方で施工上の制約があります。部材を丸ごと浴に浸すため、めっき槽より大きな部材は一度に処理できず、分割して製作するか他の防食法を選ぶことになります。また、めっき面は完成後に塗装を重ねることもできます。景観への配慮や、より厳しい腐食環境での耐久性向上を目的として行われ、その場合は亜鉛面に適した下地処理と塗料を用います。
(根拠:日本道路協会 鋼道路橋防食便覧における溶融亜鉛めっきの規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「皮膜に傷が付くと直ちに鋼が腐食する」は誤りで、周囲の亜鉛が先に腐食して鋼を守るため、直ちには腐食しません。
「めっき槽の大きさは部材寸法を選ばない」も誤りで、槽に入る寸法に制約され、大きな部材は分割等の対応が必要です。
「めっきした部材は塗装を施してはならない」も誤りで、景観や耐久性の向上のために塗装を重ねることができます。
問63-21

橋の支承の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ゴム支承は水平力を各支点へ分散できる
  • ②線支承は接触面が広く支圧に強い構造
  • ③免震支承は地震時に橋の固有周期を短くする
  • ④支承板支承は回転に追随できない構造
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正解 ①ゴム支承は水平力を各支点へ分散できる
解説
支承は、材料で大きく鋼製支承とゴム支承に分かれます。
鋼製支承には、円筒面が線状に接して転がる線支承、平らな支承板とその上の沓で受ける支承板支承などがあります。線支承は接触が線であるため、その部分に力が集中し、大きな荷重には向きません。支承板支承は、支承板の曲面によって桁の回転に追随できるようにつくられており、回転できない構造ではありません。
ゴム支承は、ゴムと鋼板を交互に重ねた積層ゴムを用います。鉛直方向には硬く荷重を支え、水平方向にはやわらかく変形します。この性質のおかげで、地震時の水平力を固定支承の1点に集中させず、複数の支点へ分けて負担させることができます。これを水平力分散といい、下部構造の負担を平準化できるため広く用いられています。
免震支承は、ゴム支承をさらに進めたものです。ゴムに鉛の棒を入れたり、変形時に大きな抵抗が出る材料を使ったりして、橋の揺れる周期を意図的に長くします。周期を長くすると地震の揺れと共振しにくくなり、同時にエネルギーを熱に変えて振動を早く収めます。周期を短くするのではない点に注意してください。
(根拠:日本道路協会 道路橋示方書における支承部の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「線支承は接触面が広く支圧に強い構造」は誤りで、接触は線状であり、力が集中するため大きな荷重には向きません。
「免震支承は地震時に橋の固有周期を短くする」も誤りで、周期は長くして共振を避け、あわせてエネルギーを吸収します。
「支承板支承は回転に追随できない構造」も誤りで、支承板の曲面によって桁の回転に追随できるようになっています。
問73-21

橋の伸縮装置に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①伸縮装置は桁の伸縮と回転を吸収する
  • ②遊間量は設置時の桁温度を考慮して定める
  • ③埋設型は伸縮量の大きい橋に適している
  • ④装置からの漏水は桁端部の腐食を招く
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正解 ③埋設型は伸縮量の大きい橋に適している
解説
伸縮装置は、桁と桁のあいだ、あるいは桁と橋台のあいだにある隙間をふさぐ部品です。隙間そのものは、桁が温度で伸び縮みしたり、荷重でたわんで端部が回転したりするために必要なもので、これをなくすことはできません。伸縮装置は、その動きを許しながら車が段差なく通れるようにする役目を負います。
種類には、隙間をゴムや鋼のフィンガーで突き合わせる形式や、荷重を装置自体で支える形式、そして舗装の中に特殊な材料を埋め込む埋設型があります。埋設型は路面が連続して見え、走行性と静かさに優れる反面、材料が追随できる変位が小さいため、伸縮量が小さい橋に限って用いられます。したがって「埋設型は伸縮量の大きい橋に適している」が誤りです。
据え付けのときは、そのときの桁の温度を測り、後で温度が下がったときも上がったときも隙間が過不足なく確保されるように遊間量を調整します。夏の暑い日に隙間を広げすぎれば冬に開きすぎ、逆に狭くしすぎれば夏に装置どうしがぶつかります。
また、装置から水が漏れると、直下にある桁端部や支承に水と塩分が供給され続け、鋼橋で最も腐食が進みやすい箇所になります。
(根拠:日本道路協会 道路橋示方書における伸縮装置の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「伸縮装置は桁の伸縮と回転を吸収する」は正しい記述で、温度変化と活荷重による桁端部の動きに追随させます。
「遊間量は設置時の桁温度を考慮して定める」も正しい記述で、その後の温度変化の幅を見込んで調整します。
「装置からの漏水は桁端部の腐食を招く」も正しい記述で、桁端部と支承の劣化の最大の原因になります。
問83-21

橋面の排水装置に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①排水管は水平に配置するのが原則である
  • ②排水ますは伸縮装置の直上流側に設ける
  • ③排水ますは支間の中央部に集約して設ける
  • ④排水管の出口は桁の下面に向けて設ける
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正解 ②排水ますは伸縮装置の直上流側に設ける
解説
橋の上に降った雨をどこへ流すかは、見た目に地味でありながら、橋の寿命を大きく左右します。水が桁の端部や支承にかかり続けると、そこだけ腐食が急速に進むからです。
そこで、まず橋面の水を集める排水ますは、路面の勾配に沿って水が流れてくる方向を考え、伸縮装置に達する前、つまりその上流側に設けます。こうしておけば、伸縮装置の隙間から下へ落ちる水を減らせます。ますは橋面全体の水を受けられるよう、勾配と流量に応じた間隔で配置するもので、一箇所に集約するものではありません。
次に、集めた水を流す排水管には十分な勾配をつけます。水平に近い管では水がたまり、土砂が堆積して詰まる原因になります。
そして最後に、管の出口の位置が重要です。出口を桁の下面に向けると、流れ出た水が桁や下部構造の表面を伝い、そこに塩分や汚れを残していきます。出口は桁より下まで導き、構造物にかからないように排出します。
(根拠:日本道路協会 道路橋示方書における排水施設の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「排水管は水平に配置するのが原則である」は誤りで、水や土砂がたまらないよう十分な勾配をつけて配置します。
「排水ますは支間の中央部に集約して設ける」も誤りで、路面の勾配と流量に応じて所要の間隔で分散して配置します。
「排水管の出口は桁の下面に向けて設ける」も誤りで、排水が桁や下部構造にかからないよう桁より下へ導いて排出します。
問93-21

鋼橋の塗装作業を行う際の気象条件に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①気温が5℃以下のときは塗装を行わない
  • ②湿度が85%以上のときは塗装を行わない
  • ③降雨や強風のおそれがあるときは行わない
  • ④結露した面はふき取れば直ちに塗装できる
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正解 ④結露した面はふき取れば直ちに塗装できる
解説
塗料は、塗った直後の数時間から数日のあいだに溶剤が抜けたり成分どうしが反応したりして、はじめて丈夫な膜になります。この間に条件が悪いと、見た目は塗れていても中身がまったく仕上がっていない膜になってしまいます。そのため、施工してよい気象条件が定められています。
気温が低いと反応や乾燥が進まず、規定の性能が出ません。目安として気温5℃以下では行いません。湿度が高いと、鋼の表面や塗った直後の膜に水分がとどまり、密着不良や白化を招きます。目安として湿度85%以上では行いません。降雨や降雪、強風のおそれがあるときも、水滴や塵埃が膜に入り込むため行いません。
結露にも同じ理由で注意が必要です。空気中の水分が鋼の表面で水になった状態ですから、ふき取っても表面の温度が露点を下回っていれば、すぐにまた濡れてしまいます。表面をふき取っただけで塗装してよいことにはならず、結露が続くと予想される間は作業を見合わせるか、部材を暖めるなどの対策をとります。したがって「結露した面はふき取れば直ちに塗装できる」が誤りです。
(根拠:日本道路協会 鋼道路橋防食便覧における塗装作業の環境条件によります)

他の選択肢が不適切な理由
「気温が5℃以下のときは塗装を行わない」は正しい記述で、低温では塗膜の乾燥と硬化が進まないためです。
「湿度が85%以上のときは塗装を行わない」も正しい記述で、水分が残ると密着不良や白化の原因になります。
「降雨や強風のおそれがあるときは行わない」も正しい記述で、水滴や塵埃の付着で塗膜の品質が保てません。
問103-21

鋼橋の桁端部の劣化とその対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①連続桁化で伸縮装置が減れば漏水も減る
  • ②桁端部は乾燥しやすく腐食が生じにくい
  • ③桁端部の狭い空間は塗替えが容易である
  • ④支承の可動が拘束されても影響は小さい
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正解 ①連続桁化で伸縮装置が減れば漏水も減る
解説
鋼橋で最初に傷むのは、多くの場合、桁の端の部分と支承です。理由は水の集まり方にあります。
橋面に降った雨は勾配に沿って流れ、最後に伸縮装置のところへ到達します。伸縮装置は動く隙間をふさぐ部品なので、経年とともに止水材が傷み、必ず少しずつ水を通すようになります。落ちた水は桁端部と支承の上にたまります。しかも桁端部は橋台との隙間が狭く、風が通らず日も当たらないため、いったん濡れると乾きにくい場所です。冬季に凍結防止剤をまく路線では、この水に塩分が含まれるので腐食は一段と速く進みます。
対策の考え方は単純で、伸縮装置の数そのものを減らすことです。単純桁を並べる代わりに桁を連続させれば、橋の途中にあった伸縮装置がなくなり、水が落ちる箇所が減ります。近年、連続化や埋設型の採用が進められているのはこのためです。
加えて、狭くて足場も組みにくい桁端部は塗替えが難しい場所でもあるため、設計の段階から点検・補修のための空間を確保しておくことが求められます。支承の可動が土砂やさびで拘束されると、桁の伸縮が逃げ場を失い、桁や下部構造に想定外の力が生じます。
(根拠:日本道路協会 道路橋示方書における桁端部及び支承部の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「桁端部は乾燥しやすく腐食が生じにくい」は誤りで、狭く風の通らない場所であるため乾きにくく、最も腐食しやすい部位です。
「桁端部の狭い空間は塗替えが容易である」も誤りで、足場も組みにくく、鋼橋の中でも塗替えが難しい箇所です。
「支承の可動が拘束されても影響は小さい」も誤りで、伸縮が逃げず桁や下部構造に大きな力が生じるおそれがあります。

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