2026年版・3-20

上水道・下水道の管路施工と推進工法の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、上水道・下水道の管路施工と推進工法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-20

上水道の配水管に用いる管種の特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①ダクタイル鋳鉄管は、強度が大きくじん性に富むが質量が大きい。
  • ②鋼管は、じん性に富み溶接継手により一体化できるが腐食する。
  • ③硬質塩化ビニル管は、軽量で耐食性に優れるが熱に弱い。
  • ④水道配水用ポリエチレン管は、重いが有機溶剤に侵されない。
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正解 ④水道配水用ポリエチレン管は、重いが有機溶剤に侵されない。
解説
配水管の管種選定は、その路線にどんな力・どんな環境が加わるかを見て、長所と短所を突き合わせて決める作業です。管種ごとの弱点を知っておくことが、そのまま設計・施工上の注意点になります。
水道配水用ポリエチレン管は、比重がおよそ0.95と水とほぼ同じで、金属管に比べてきわめて軽い管です。軽いので運搬や布設が容易で、電気融着(EF)継手によって管と継手が一体化するため、地震時の地盤変位にも追従しやすい耐震性の高い管として広く用いられています。したがって「重い」という記述は事実に反します。
さらにポリエチレンは有機溶剤に対して弱く、ガソリンや灯油などが漏れた土壌に埋設すると、管壁を透過して水質事故を起こすおそれがあります。給油所の周辺などでは、他の管種に変更するか、さや管等で防護する配慮が必要です。つまり「有機溶剤に侵されない」という点も逆で、2つの記述がいずれも誤っています。
(根拠:水道施設設計指針(日本水道協会)の配水管の管種に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ダクタイル鋳鉄管は、強度が大きくじん性に富むが質量が大きい。」は正しい記述です。鋳鉄に黒鉛を球状化させてねばり強さを与えた管で、内圧・外圧に強い反面、重いため運搬・据付に重機を要します。
「鋼管は、じん性に富み溶接継手により一体化できるが腐食する。」も正しく、溶接によって管路を一体化できる一方、内外面に塗覆装を施さなければ腐食が進みます。
「硬質塩化ビニル管は、軽量で耐食性に優れるが熱に弱い。」も正しく、軽く錆びない反面、熱や紫外線に弱く、低温時には衝撃に対してもろくなります。
問23-20

ダクタイル鋳鉄管の継手に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①メカニカル継手は、ボルトの締付けで水密性を確保する。
  • ②プッシュオン継手は、押輪をボルトで締め付けて接合する。
  • ③フランジ継手は、伸縮性と可とう性に優れた継手である。
  • ④溶接継手は、ダクタイル鋳鉄管の標準的な接合である。
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正解 ①メカニカル継手は、ボルトの締付けで水密性を確保する。
解説
水道管の継手に求められるのは、水を漏らさないこと(水密性)と、地盤が動いたときに管が折れないよう多少の角度変化を許すこと(可とう性)の二つです。ダクタイル鋳鉄管の継手は、この二つをどう両立させるかで形式が分かれます。
メカニカル継手は、受口に挿口を差し込み、ゴム輪を押輪で押さえ、その押輪をボルトで締め付けてゴム輪を圧縮する形式です。ゴム輪がつぶれて管との間を密封するため、確実な水密性が得られます。同時に、管が受口の中で少し首を振ることができるので可とう性もあり、不同沈下や地震時の変位に追従できます。ボルトを締めるという人の作業で水密性を作り出すため、締付けトルクの管理が施工上の要点になります。
これに対しプッシュオン継手は、あらかじめ受口に装着したゴム輪へ挿口を押し込むだけで接合が完了する形式で、ボルトを使いません。施工が速いのが利点です。
(根拠:水道施設設計指針および水道工事標準仕様書(日本水道協会)の管の接合に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「プッシュオン継手は、押輪をボルトで締め付けて接合する。」は誤りです。押輪とボルトを用いるのはメカニカル継手であり、プッシュオン継手は挿口を押し込むだけで接合が完了します。
「フランジ継手は、伸縮性と可とう性に優れた継手である。」も誤りで、フランジ継手は管端の鍔どうしをボルトで密着させる剛性の高い継手であり、伸縮も屈曲もほとんど許しません。ポンプ室など変位の生じない箇所に用います。
「溶接継手は、ダクタイル鋳鉄管の標準的な接合である。」も誤りです。溶接で管路を一体化するのは鋼管の接合方法で、ダクタイル鋳鉄管では一般に用いません。
問33-20

上水道の配水管の布設に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①管の布設は、原則として低所から高所へ向けて行う。
  • ②受口のある管は、受口を高所に向けて配管していく。
  • ③管の切断は、直管だけでなく異形管でも自由に行える。
  • ④埋戻しは、片埋めを避けて両側から均等に締め固める。
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正解 ③管の切断は、直管だけでなく異形管でも自由に行える。
解説
配水管の布設には、水を流したときの空気の抜けやすさと、継手を確実に組み立てられるかという二つの観点から決められた原則があります。
まず切断についてです。ダクタイル鋳鉄管の切断が許されるのは直管に限られ、曲管・T字管・帽など形の付いた異形管を切断してはいけません。異形管は内部の水圧によって管軸を曲げようとする力が働く部位に置かれ、その形状と肉厚が設計上そろって初めて所定の強度を発揮します。切断すると必要な直管部の長さが失われ、継手が正しく納まらないうえ、切断面から内面の防食層が破られて腐食の起点にもなります。したがって「異形管でも自由に行える」という記述は誤りです。
布設方向を低所から高所へ向けるのは、受口を高所側に向けて据えることで挿口を差し込みやすくし、あわせて管内に残った空気を高所の空気弁へ追い出しやすくするためです。
(根拠:水道工事標準仕様書(日本水道協会)の管の布設に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「管の布設は、原則として低所から高所へ向けて行う。」は正しい記述です。管内の空気を高い側へ集めて排除しやすくし、接合作業もしやすくなります。
「受口のある管は、受口を高所に向けて配管していく。」も正しく、低所から高所へ布設する原則と対になる据付方法です。
「埋戻しは、片埋めを避けて両側から均等に締め固める。」も正しく、片側だけを先に埋め戻すと管が横へ押されて蛇行し、継手部に無理な力がかかります。
問43-20

下水道の管渠の基礎工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①硬質塩化ビニル管などの可とう性管渠には、砂基礎を用いる。
  • ②軟弱地盤の鉄筋コンクリート管には、まくら木基礎を用いる。
  • ③極軟弱地盤で支持力が期待できない場合は、砂基礎とする。
  • ④岩盤上に管渠を布設する場合は、基礎を設けずに直接置く。
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正解 ①硬質塩化ビニル管などの可とう性管渠には、砂基礎を用いる。
解説
管渠の基礎は「管がどう壊れるか」から考えると理解しやすくなります。管には、力を受けて自分は変形せずに割れる剛性管渠(鉄筋コンクリート管など)と、たわんで力を周囲の土に逃がす可とう性管渠(硬質塩化ビニル管、強化プラスチック複合管など)があります。
可とう性管渠は、たわむことで管の横の土が反力を返し、その土の抵抗によって荷重を支える仕組みです。ですから基礎に求められるのは、管をがっちり固定することではなく、管の下面と側面に均一に密着して土の抵抗を確実に伝えることです。そのため砂基礎や砕石基礎のような自由支承(管を拘束しない支持)の基礎を標準とし、管の下半分の空隙が残らないよう入念に締め固めます。逆にコンクリートで固めてしまうと、たわんで力を逃がすという設計の前提が崩れ、局部に応力が集中します。
剛性管渠では、地盤が良好なら砂基礎、軟弱ならはしご胴木基礎やコンクリート基礎、支持力がまったく期待できない極軟弱地盤では杭に受け木を渡す鳥居基礎と、地盤の強さに応じて基礎を強くしていきます。
(根拠:下水道施設計画・設計指針と解説(日本下水道協会)の管渠の基礎に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「軟弱地盤の鉄筋コンクリート管には、まくら木基礎を用いる。」は誤りです。まくら木基礎は比較的良好な地盤に用いる基礎で、軟弱地盤ではまくら木を縦木でつないだはしご胴木基礎やコンクリート基礎を用います。
「極軟弱地盤で支持力が期待できない場合は、砂基礎とする。」も誤りで、この場合は杭を打って受け木を渡す鳥居基礎など、荷重を下の良好層へ伝える基礎とします。
「岩盤上に管渠を布設する場合は、基礎を設けずに直接置く。」も誤りです。岩盤に直接置くと管に局部的な反力が集中して破損するため、砂や砕石のクッション層を敷いてから据え付けます。
問53-20

下水道の管渠の接合方式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①水面接合は、上下流管渠の水面を一致させる方法である。
  • ②管頂接合は、掘削深さを減らせるため経済的な方法である。
  • ③管底接合は、上流部の水理条件が最もよくなる方法である。
  • ④管中心接合は、地表勾配が急な場合に用いる接合である。
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正解 ①水面接合は、上下流管渠の水面を一致させる方法である。
解説
下水道の管渠は、口径の異なる管をマンホールでつないでいきます。このとき上流管と下流管をどの高さでそろえるかを決めるのが接合方式です。水は自然流下で流れるため、つなぎ目で水面に段差ができると流れが乱れてエネルギーを失い、上流側の水位が上がって溢水の原因になります。
水面接合は、計画水量を流したときの上流管と下流管の水面の高さが一致するように管底高を決める方法です。水面が滑らかにつながるので流れの損失が最も小さく、水理学的に最も合理的な接合方式とされています。反面、計算に手間がかかります。
他の方式は次のような位置づけです。管頂接合は管の内面の頂部をそろえる方法で、流れは円滑ですが下流にいくほど管底が下がるため掘削深さが増して不経済になります。管底接合は管の底をそろえる方法で、掘削深さを抑えられる一方、上流側の管内水位が上がるため水理的には不利です。管中心接合は両者の中間にあたります。
地表勾配が急な区間では、これらとは別に、マンホールで落差を設ける段差接合や階段接合を用います。
(根拠:下水道施設計画・設計指針と解説(日本下水道協会)の管渠の接合に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「管頂接合は、掘削深さを減らせるため経済的な方法である。」は誤りです。管頂をそろえると下流ほど管底が深くなるため掘削深さは増え、工事費は高くなります。
「管底接合は、上流部の水理条件が最もよくなる方法である。」も誤りで、管底接合は掘削深さを浅くできる代わりに上流管の水位が高くなり、水理的にはむしろ不利です。
「管中心接合は、地表勾配が急な場合に用いる接合である。」も誤りです。管中心接合は管の中心をそろえる方式で、急勾配区間に用いるのは段差接合や階段接合です。
問63-20

下水道の伏越しに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①伏越し室には、泥だめを設けて土砂の堆積に対応する。
  • ②伏越し管内の流速は、上流管渠の流速より速くする。
  • ③伏越し室には、ゲートを設けず流入を常時自由にする。
  • ④伏越し管は、原則として複数条とし維持管理性を高める。
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正解 ③伏越し室には、ゲートを設けず流入を常時自由にする。
解説
伏越しとは、河川や地下鉄など、下を通らざるを得ない障害物にぶつかったときに、管渠をいったん下げてくぐらせ、再び上げる構造のことです。管の途中がU字形にへこむため、下水が管を満たしたまま圧力で押し上げられて流れることになり、自然流下の他の区間とは性格が大きく異なります。
この形状では、流速が落ちるとくぼんだ部分に土砂が沈殿して管を詰まらせます。そのため、上流側の伏越し室には泥だめを設けて土砂をあらかじめ落とし、伏越し管内の流速は上流管渠の流速よりも速くなるよう管径を絞って設計します。さらに、清掃や点検のときに水を止めて管内へ入れるよう、上流・下流の伏越し室にはゲート(角落しを含む)を設けます。ゲートがなければ、流れを止められず維持管理が事実上できません。したがって「ゲートを設けず流入を常時自由にする」という記述は誤りです。
伏越し管を原則として2条以上とするのも同じ理由で、片方を止めて清掃する間、もう一方で下水を流し続けられるようにするためです。
(根拠:下水道施設計画・設計指針と解説(日本下水道協会)の伏越しに関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「伏越し室には、泥だめを設けて土砂の堆積に対応する。」は正しい記述です。伏越し管に土砂を持ち込ませないための標準的な構造です。
「伏越し管内の流速は、上流管渠の流速より速くする。」も正しく、管径を絞って流速を上げ、沈殿を防ぎます。
「伏越し管は、原則として複数条とし維持管理性を高める。」も正しく、1条を止めても下水の流下を継続できるようにするための構造です。
問73-20

下水道の推進工法の分類に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①刃口式推進工法は、切羽を密閉して掘削する工法である。
  • ②泥水式推進工法は、泥水圧で切羽の安定を保つ工法である。
  • ③小口径管推進工法は、人が管内に入って掘削する工法である。
  • ④推進工法は、開削工法より地表への影響が大きい。
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正解 ②泥水式推進工法は、泥水圧で切羽の安定を保つ工法である。
解説
推進工法は、発進立坑に据えたジャッキで管を地中へ押し込み、地表を掘り返さずに管路を築く工法です。工法の分類は、掘削する面(切羽)をどうやって崩れないように支えるかという一点で整理できます。
泥水式推進工法は、掘進機の前面をカッタと隔壁で閉じ、その内側の泥水室に加圧した泥水を満たす方式です。泥水の圧力が地下水圧と土圧に対抗して切羽を押さえ、同時に泥水が切羽面に薄い膜をつくって水の流入を止めます。掘った土砂は泥水と混ぜて流体輸送で地上へ運びます。地下水位が高い砂れき層のように自立しない地盤でも施工でき、地表の沈下を小さく抑えられるのが特長です。
これに対し刃口式推進工法は、先端の刃口の内側で人力または機械により掘削する開放型で、切羽は密閉されていません。そのため自立する地盤に限られ、地下水位以下では地下水位低下工法や薬液注入などの補助工法が前提になります。
(根拠:下水道推進工法の指針と解説(日本下水道協会)の工法分類に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「刃口式推進工法は、切羽を密閉して掘削する工法である。」は誤りです。刃口式は切羽が開放された開放型の工法で、密閉して切羽を保持するのは泥水式・泥土圧式などの密閉型です。
「小口径管推進工法は、人が管内に入って掘削する工法である。」も誤りで、小口径管推進工法は作業員が中に入れない口径(一般に呼び径700mm以下)を対象とし、地上からの遠隔操作で掘進します。
「推進工法は、開削工法より地表への影響が大きい。」も誤りです。推進工法は地表を掘り返さない非開削工法であり、交通や周辺への影響は開削工法より小さく抑えられます。
問83-20

推進工法の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①元押しジャッキは、到達立坑に設置して管を引き込む。
  • ②中押し工法は、推進延長が長い場合に推進力を分散する。
  • ③滑材注入は、管の内面に行って流下能力を高めるものである。
  • ④推進管の目地は、推進力を伝えないよう緩衝材を省く。
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正解 ②中押し工法は、推進延長が長い場合に推進力を分散する。
解説
推進工法で最大の課題は、押し込む距離が延びるほど推進力が増していくことです。推進力は、先端の掘進機が地山を切り進むための抵抗と、管の外周と土との間に働く摩擦抵抗の和で決まります。このうち摩擦抵抗は管の表面積に比例するので、延長が長くなると急激に増え、やがて管が推進力に耐えられなくなったり、ジャッキの能力を超えたりします。
そこで用いるのが中押し工法です。管列の途中に中押しジャッキを組み込み、区間を区切って順に押し出すことで、1本の管に作用する推進力を小さく分散します。長距離推進や曲線推進では標準的な方法です。
あわせて、管の外周に滑材(ベントナイト系など)を注入して摩擦抵抗そのものを減らす方法も併用されます。滑材は管と地山のすき間を満たし、管を滑りやすくすると同時に地山の緩みも抑えます。
推進管の継手部には、木材や合成樹脂のクッション材(緩衝材)を挟みます。管端どうしが直接当たると接触面の一部に力が集中して管を欠損させるため、力を管断面全体へ均一に伝える役割を担っています。
(根拠:下水道推進工法の指針と解説(日本下水道協会)の推進力と施工に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「元押しジャッキは、到達立坑に設置して管を引き込む。」は誤りです。元押しジャッキは発進立坑に据え付け、管を前方へ押し出します。到達立坑は掘進機を回収するための立坑です。
「滑材注入は、管の内面に行って流下能力を高めるものである。」も誤りで、滑材は管の外周に注入して周面摩擦抵抗を減らすためのものであり、管内面の流下能力とは関係ありません。
「推進管の目地は、推進力を伝えないよう緩衝材を省く。」も誤りです。緩衝材は推進力を管断面へ均等に伝えて応力集中を防ぐために必要で、省いてはいけません。
問93-20

下水道管渠の更生工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①反転工法は、樹脂を含浸させた材料を反転挿入し硬化させる。
  • ②形成工法は、加熱や加圧で管を拡径し既設管に密着させる。
  • ③さや管工法は、既設管を全て撤去してから新管を布設する。
  • ④製管工法は、既設管内に帯状材をらせん状に巻いて管とする。
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正解 ③さや管工法は、既設管を全て撤去してから新管を布設する。
解説
管渠の更生工法とは、老朽化した既設管を掘り返さずに、その内側に新しい管を造り直して機能を回復させる技術の総称です。掘削しないため道路を止めずに済み、周辺への影響が小さいのが共通の利点です。既設管をどう使うかで方式が分かれます。
さや管工法(パイプ・イン・パイプ)は、既設管をそのまま外側のさや(鞘)として残し、その中へひと回り小さい新管を挿入して、既設管との間のすき間に裏込め材を充填する工法です。既設管を撤去しないからこそ非開削で施工できるのであって、「全て撤去してから新管を布設する」のであれば、それは更生ではなく開削による布設替えになります。したがってこの記述が誤りです。なお断面が小さくなるため、流下能力の照査が必要になります。
他の方式も既設管を残す点は同じで、反転工法と形成工法は既設管の内面に樹脂を密着させて一体の管をつくり、製管工法は帯状の材料を巻いて内側に管を組み立てます。
(根拠:下水道管きょの更生工法に関する技術資料の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「反転工法は、樹脂を含浸させた材料を反転挿入し硬化させる。」は正しい記述です。熱硬化性樹脂を含浸させたホース状の材料を水圧や空気圧で裏返しながら既設管へ入れ、温水や蒸気で硬化させます。
「形成工法は、加熱や加圧で管を拡径し既設管に密着させる。」も正しく、あらかじめ小さく折りたたんだ管材を挿入し、加熱・加圧して広げ既設管内面に密着させます。
「製管工法は、既設管内に帯状材をらせん状に巻いて管とする。」も正しく、硬質塩化ビニルなどの帯状材を製管機でらせん状に巻き上げ、既設管との間に裏込め材を充填します。
問103-20

推進工法の立坑及び補助工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①発進立坑の大きさは、推進管の長さと設備配置から決める。
  • ②地下水位が高い砂質地盤の刃口式では、補助工法を検討する。
  • ③薬液注入工法は、切羽の安定と止水を目的として用いられる。
  • ④到達立坑は、掘進機の回収が不要なため発進立坑より大きい。
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正解 ④到達立坑は、掘進機の回収が不要なため発進立坑より大きい。
解説
推進工法では、管を押し出す側に発進立坑を、受け取る側に到達立坑を設けます。この二つは役割が違うため、必要な大きさも違ってきます。
発進立坑には、推進管1本の長さに加えて、元押しジャッキ、支圧壁、坑口の止水装置、掘削土の搬出設備、送排泥設備などを収める必要があります。特に支圧壁は、ジャッキが管を押す反力を背面の地盤へ伝える重要な構造で、これを設ける奥行きが立坑の寸法を決めます。
一方の到達立坑は、掘進機を引き抜いて回収し、管の到達部を仕上げるための空間があれば足ります。したがって、到達立坑は一般に発進立坑より小さくてよいというのが正しい理解です。また、掘進機の回収は到達立坑で行う作業そのものであり、「回収が不要」という記述も事実に反します。理由と結論の両方が誤っている選択肢です。
なお刃口式のように切羽が開放された工法では、地下水位が高い砂質地盤で切羽が崩れたり湧水が噴き出したりするため、地下水位低下工法や薬液注入工法などの補助工法を併用します。
(根拠:下水道推進工法の指針と解説(日本下水道協会)の立坑及び補助工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「発進立坑の大きさは、推進管の長さと設備配置から決める。」は正しい記述です。推進管1本を立坑内に入れて据え付けられる寸法と、ジャッキ・支圧壁などの配置から平面寸法を決めます。
「地下水位が高い砂質地盤の刃口式では、補助工法を検討する。」も正しく、切羽が開放された工法では地下水の処理と切羽の安定確保が必須になります。
「薬液注入工法は、切羽の安定と止水を目的として用いられる。」も正しく、地盤に薬液を注入して固結させ、強度の増加と透水性の低下を図る代表的な補助工法です。

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