2026年版・3-19

シールド工法の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、シールド工法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-19

シールド工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①シールド工法は、硬岩の山岳部で最も多く用いられている。
  • ②シールドで地山を保持しながら掘進し、覆工を組み立てる。
  • ③シールド工法は、地下水位以下では採用できない工法である。
  • ④シールド工法は、掘削と覆工を別の工区で行う工法である。
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正解 ②シールドで地山を保持しながら掘進し、覆工を組み立てる。
解説
シールド工法は、鋼製の円筒(シールド)を地中へ押し込みながらトンネルを築く工法です。円筒そのものが周囲の地山を押さえる仮の壁になるため、地山が自立しない軟らかい地盤でも、掘った穴が崩れずに作業空間を保てます。
作業の流れは次のとおりです。シールドの先端で地山を掘削し、後方にある推進ジャッキで反力を取ってシールド本体を前進させます。前進した分だけ後方(テール部)に空間ができるので、そこでセグメントと呼ばれるプレキャストの部材をリング状に組み立て、トンネルの覆工とします。次はその組み立てたリングを反力としてジャッキを押し、また前進する、という繰り返しです。つまり掘削と覆工の組立てが同じ機械の中で一連に行われる点が、この工法の本質です。
この仕組みから、適用場所も決まってきます。地山が自立せず、地下水位が高く、地表には家屋や道路があって開削できない都市部の軟弱地盤こそ、シールド工法の主たる舞台です。切羽を密閉して圧力をかける密閉型を用いれば、地下水位以下でも施工できます。逆に、地山が自立する硬岩の山岳部では、山岳工法のほうが経済的です。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「シールド工法は、硬岩の山岳部で最も多く用いられている。」は誤りです。硬岩で地山が自立する場所では山岳工法が用いられ、シールド工法は主に都市部の軟弱地盤で採用されます。
「シールド工法は、地下水位以下では採用できない工法である。」も誤りです。密閉型シールドは切羽に土圧や泥水圧をかけて地下水圧に対抗できるため、地下水位以下こそ主な適用場面です。
「シールド工法は、掘削と覆工を別の工区で行う工法である。」も誤りです。掘進とセグメントの組立てを同じ機械の中で交互に繰り返すのがシールド工法の基本です。
問23-19

シールドの構造に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①フード部は、シールドの最後部で覆工を組み立てる部分だ。
  • ②ガーダー部は、切羽と直接接して地山を切削する部分である。
  • ③テール部は、シールドの先端で切羽を保持する部分である。
  • ④テール部は、セグメントの組立てを行う後部の部分である。
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正解 ④テール部は、セグメントの組立てを行う後部の部分である。
解説
シールド本体は、前から順にフード部、ガーダー部、テール部の三つに分かれています。それぞれ受け持つ仕事が違うので、位置と役割をセットで覚えるのが近道です。
フード部は最も前にある部分で、切羽(掘り進む先端の地山の面)に接します。カッターヘッドや掘削装置を備え、地山を掘削するとともに、密閉型では隔壁(バルクヘッド)でチャンバーを仕切り、切羽の土圧や水圧を受け止めて安定を保ちます。
ガーダー部は中間にある部分で、シールドの骨組みとしてフード部とテール部をつなぎ、推進ジャッキやカッターの駆動装置など主要な機器を納めています。切羽に直接接して地山を切削するのはフード部であり、ガーダー部ではありません。
テール部は最も後ろの部分です。ここでセグメントを吊り上げ、リング状に組み立てて覆工とします。シールドの外殻がセグメントの外側を覆っている状態で組み立てるため、周囲の土に押しつぶされることなく安全に作業できます。組み立てたリングを反力にしてジャッキを押し、シールドが前進すると、テール部の後端からリングが地山の中へ現れます。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「フード部は、シールドの最後部で覆工を組み立てる部分だ。」は誤りです。フード部は最前部で切羽に接する部分であり、覆工を組み立てるのは最後部のテール部です。
「ガーダー部は、切羽と直接接して地山を切削する部分である。」も誤りです。ガーダー部は中間にあってジャッキや駆動装置を納める部分で、地山を切削するのはフード部です。
「テール部は、シールドの先端で切羽を保持する部分である。」も誤りです。テール部は最後部にあり、切羽を保持するのはフード部の役割です。
問33-19

シールドの型式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①密閉型は、隔壁で切羽を仕切り土圧や泥水圧で支える。
  • ②開放型は、切羽を隔壁で仕切って掘進する型式である。
  • ③密閉型は、自立する良好な地山に限って用いられている。
  • ④開放型は、地下水位の高い軟弱地盤に最も適した型式だ。
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正解 ①密閉型は、隔壁で切羽を仕切り土圧や泥水圧で支える。
解説
シールドの型式は、切羽をどう扱うかで大きく二つに分かれます。開放型と密閉型です。
開放型は、切羽が坑内に向かって開いている型式で、作業員が切羽の状態を直接見ながら掘削します。手掘り式や半機械掘り式がこれにあたります。切羽が自立することが前提なので、地山が比較的良好で地下水が少ない場合に限られます。地下水位が高い軟弱地盤で用いると、切羽から土砂と水が坑内へ流れ込み、たいへんな事故になります。
密閉型は、シールドの前方に隔壁(バルクヘッド)を設けて切羽と坑内を完全に仕切る型式です。隔壁の前のチャンバーに掘削土や泥水を満たして圧力をかけ、その圧力で切羽に作用する土圧と地下水圧に対抗します。坑内は大気圧のまま保たれるので、作業員は安全な環境で働けます。地下水位以下の軟弱地盤でも、地山を緩めずに掘進できるのがこの型式の値打ちで、現在の都市部のシールド工事はほとんどが密閉型です。
密閉型はさらに、チャンバー内の掘削土そのものの圧力で支える土圧式と、加圧した泥水で支える泥水式に分かれます。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「開放型は、切羽を隔壁で仕切って掘進する型式である。」は誤りです。隔壁で仕切るのは密閉型で、開放型は切羽が坑内に開いた状態で掘進します。
「密閉型は、自立する良好な地山に限って用いられている。」も誤りです。良好な地山に適するのは開放型で、密閉型はむしろ自立しない軟弱地盤や地下水位以下で威力を発揮します。
「開放型は、地下水位の高い軟弱地盤に最も適した型式だ。」も誤りです。地下水位の高い軟弱地盤では切羽から土砂と水が流入するため、開放型は適しません。
問43-19

土圧式シールド工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①掘削した土砂は、泥水として流体輸送により排出していく。
  • ②チャンバー内を空にして掘進するのが原則の工法である。
  • ③チャンバー内の掘削土の圧力で、切羽の安定を保っている。
  • ④地上には、大規模な泥水処理設備を設ける必要がある。
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正解 ③チャンバー内の掘削土の圧力で、切羽の安定を保っている。
解説
土圧式シールドは、掘った土そのものを切羽を支える材料として使う、という発想の工法です。
カッターヘッドで削り取った土砂は、隔壁の前のチャンバーへ取り込まれ、そこに充満します。シールドを前進させると、この充満した土砂が押されて圧力を持ちます。その圧力が、切羽の地山から作用する土圧と地下水圧につり合うように調整することで、地山が内側へ動くのを防ぎます。つまり、外から支える材料を持ち込むのではなく、掘った土を使って支えるわけです。
圧力の調整は、チャンバーの下部に取り付けたスクリューコンベヤの回転速度で行います。排土を速めればチャンバー内の土が減って圧力が下がり、遅くすれば圧力が上がります。これと掘進速度の組合せで、切羽の圧力を設定値の範囲に保ちます。排土は、スクリューコンベヤで坑内へ取り出し、ベルトコンベヤやずり鋼車で搬出します。
なお、砂れきのように粘り気のない土では、チャンバー内で土が流動せず圧力が均等に伝わりません。そこで作泥土材(ベントナイトや高分子材など)を注入して練り混ぜ、塑性流動性と止水性を与える方式を泥土圧式シールドといいます。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削した土砂は、泥水として流体輸送により排出していく。」は誤りです。泥水にして管で送るのは泥水式の方法で、土圧式ではスクリューコンベヤで排土します。
「チャンバー内を空にして掘進するのが原則の工法である。」も誤りです。チャンバーを掘削土で満たし、その圧力で切羽を支えることが工法の根幹であり、空にすれば切羽が崩壊します。
「地上には、大規模な泥水処理設備を設ける必要がある。」も誤りです。泥水と土砂を分離する処理設備が必要になるのは泥水式であり、土圧式では不要です。
問53-19

泥水式シールド工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①排土は、スクリューコンベヤによって行うのが標準である。
  • ②加圧した泥水と泥膜によって、切羽の安定を保っている。
  • ③泥水は、切羽へ送るだけで循環させない方式となっている。
  • ④地上には泥水処理設備を設ける必要がない方式である。
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正解 ②加圧した泥水と泥膜によって、切羽の安定を保っている。
解説
泥水式シールドは、水より重く粘り気のある泥水を切羽に満たし、その圧力で地山を支える工法です。
仕組みは二段構えです。第一に、チャンバー内の泥水を地下水圧より高い圧力に加圧し、その圧力で切羽の土圧と水圧に対抗します。第二に、加圧された泥水は切羽の地山へわずかにしみ込み、そこで泥水中の粘土粒子が土のすき間に詰まって薄い膜(泥膜)をつくります。この泥膜があることで泥水がそれ以上逃げなくなり、加えた圧力が切羽の面に有効に働きます。泥膜が形成されるかどうかが、この工法が成立するかどうかの鍵です。
掘削した土砂は、泥水と混ざったまま送泥管・排泥管を通してポンプで地上へ送られます(流体輸送)。地上では、この泥水から土砂を分離し、泥水の濃度と比重を調整して再び切羽へ送り返します。したがって泥水は循環させるのが前提であり、そのために地上に大規模な泥水処理設備(土砂の分離装置、調整槽など)が必要になります。この設備用地の確保が、泥水式を採用するうえでの制約になります。
反面、切羽の圧力を精密に管理でき、地表面の沈下を抑えやすいという長所があります。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「排土は、スクリューコンベヤによって行うのが標準である。」は誤りです。スクリューコンベヤで排土するのは土圧式で、泥水式は泥水とともに管で流体輸送します。
「泥水は、切羽へ送るだけで循環させない方式となっている。」も誤りです。泥水は切羽から土砂とともに地上へ戻し、処理して品質を調整したうえで再び切羽へ送る循環方式です。
「地上には泥水処理設備を設ける必要がない方式である。」も誤りです。土砂の分離と泥水の調整を行う設備は不可欠であり、その用地の確保が採用の制約になります。
問63-19

シールドトンネルのセグメントに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①セグメントは、テール部の前方で組み立てる部材である。
  • ②セグメントの継手は、接着のみで接合するのが標準である。
  • ③セグメントは、二次覆工の完成後に組み立てる部材である。
  • ④セグメントは、リング状に組み立てて一次覆工を構成する。
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正解 ④セグメントは、リング状に組み立てて一次覆工を構成する。
解説
セグメントは、シールドトンネルの覆工を構成するプレキャストの部材で、円弧状に分割された板を何枚か組み合わせて一つのリングをつくります。このリングを順につないでいったものが、トンネルの本体となる一次覆工です。
組み立てる場所はテール部、すなわちシールドの最後部です。ここはシールドの外殻に囲まれているので、周囲の土や水に押されることなく安全に組立て作業ができます。組み上がったリングは、次の掘進で推進ジャッキの反力を受け止める役目も果たします。したがって、セグメントには覆工としての役割だけでなく、掘進のたびに大きな推力を受け止める強度も求められます。
接合はボルトによります。リングを構成する部材どうしを継手板とボルトで締結し、さらに前のリングとも軸方向のボルトで結合して、一体の管として働かせます。接着だけで済ませることはできません。継手面には止水のためのシール材を取り付け、地下水の浸入を防ぎます。
材質には、鉄筋コンクリート製、鋼製、ダクタイル鋳鉄製、鋼とコンクリートの合成などがあり、必要な強度や施工条件に応じて選びます。必要に応じて、一次覆工の内側にコンクリートを打設する二次覆工を行います。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「セグメントは、テール部の前方で組み立てる部材である。」は誤りです。組立てはシールド最後部のテール部で行い、その内側で作業することで安全が確保されます。
「セグメントの継手は、接着のみで接合するのが標準である。」も誤りです。継手はボルトで締結するのが標準で、接着だけでは推進ジャッキの推力や地山の圧力に耐えられません。
「セグメントは、二次覆工の完成後に組み立てる部材である。」も順序が誤りです。セグメントによる一次覆工が先で、二次覆工はその内側に後から施工します。
問73-19

シールド工法の裏込め注入に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①テールボイドへ速やかに注入し、地盤の沈下を防止する。
  • ②注入は、掘進が全区間終わってから行うのが原則である。
  • ③裏込め注入は、地表面の沈下とは関係のない作業である。
  • ④テールボイドは、注入を行わなくても自然に閉じていく。
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正解 ①テールボイドへ速やかに注入し、地盤の沈下を防止する。
解説
シールドが前進すると、テール部の後端から組み立てたセグメントのリングが地山の中へ現れます。このとき問題になるのが、シールドの外径とセグメントの外径の差です。シールドは外殻の板厚とテールシールの分だけセグメントより大きいので、リングの外側には必ずすき間が生じます。これをテールボイドといいます。
このすき間を放置すると、周囲の地山がすき間へ向かって動き、その動きが上へ伝わって地表面の沈下になります。都市部では、この沈下が家屋や埋設管の損傷に直結するため、絶対に避けなければなりません。またリングが地山に支えられないため、覆工が変形したり、リングどうしの目が開いて漏水したりします。
そこで、シールドの前進に合わせて、できるだけ早くこのすき間へ注入材を充填します。これが裏込め注入です。時間をおくほど地山はすき間へ動いてしまうので、掘進と同時に注入する方式が多く用いられます。掘進が全区間終わってから行うのでは、その間の沈下を防げません。
注入材には、早期に固まって地山を支えられること、すき間の隅々まで行き渡ることが求められます。注入量と注入圧は記録し、理論的な空隙量と比較して管理します。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「注入は、掘進が全区間終わってから行うのが原則である。」は誤りです。すき間が生じた瞬間から地山は動き始めるため、掘進と同時、あるいは直後に注入します。
「裏込め注入は、地表面の沈下とは関係のない作業である。」も誤りです。テールボイドの充填の遅れは地表面沈下の主要な原因の一つであり、両者は直結しています。
「テールボイドは、注入を行わなくても自然に閉じていく。」も誤りです。自然に閉じるということは周囲の地山が動くということであり、それがそのまま地表面の沈下になります。
問83-19

シールドのテール部と覆工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①テールシールは、セグメントの継手を接合する部材である。
  • ②二次覆工は、セグメントの組立てに先立って施工されている。
  • ③テールシールは、土砂や裏込め材の流入を防ぐ部材である。
  • ④テールボイドは、セグメントの内側に生じる空隙である。
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正解 ③テールシールは、土砂や裏込め材の流入を防ぐ部材である。
解説
テール部の内側では、シールドの外殻と、その中に組み立てられたセグメントのリングとの間に必然的にすき間ができます。このすき間は坑内につながっているので、そのままでは外側の土砂、地下水、注入したばかりの裏込め材が、このすき間を通って坑内へ流れ込んできます。流入が起これば作業ができなくなるだけでなく、地山が緩んで地表面の沈下を招きます。
これを防ぐ部材がテールシールです。テール部の後端の内側に、ワイヤブラシ状のシール材を数段に取り付け、その間にグリースを充填して、セグメントの外面に押し当てます。セグメントが相対的に後方へ抜けていく動きに追随しながら、土砂や水、裏込め材の坑内への流入を止めます。摩耗する消耗部材なので、状態を管理し、必要に応じて交換します。
テールボイドは、テール部から現れたセグメントリングの外側に生じるすき間のことです。内側ではなく外側である点を取り違えないようにしてください。ここを裏込め注入で埋めます。
覆工の順序は、セグメントによる一次覆工が先、その内側にコンクリートを打つ二次覆工が後です。二次覆工は、内面を平滑にして流水の抵抗を減らす、止水性を高める、耐久性を補うなどの目的で行います。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「テールシールは、セグメントの継手を接合する部材である。」は誤りです。継手を接合するのはボルトであり、テールシールはテール部からの流入を止めるための部材です。
「二次覆工は、セグメントの組立てに先立って施工されている。」も誤りです。順序が逆で、セグメントによる一次覆工の後に、その内側へ二次覆工を施工します。
「テールボイドは、セグメントの内側に生じる空隙である。」も誤りです。テールボイドはセグメントの外側と地山との間に生じるすき間であり、裏込め注入で充填します。
問93-19

シールド工法の掘進管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①掘削土量は、理論量と比較して過大でないかを管理する。
  • ②蛇行が生じても、推進ジャッキの調整では修正ができない。
  • ③切羽の土圧や泥水圧は、設定値の範囲に保つよう管理する。
  • ④掘進の速度は、切羽の安定を確認しながら決めていく。
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正解 ②蛇行が生じても、推進ジャッキの調整では修正ができない。
解説
シールドは、後方に組み立てたセグメントリングを反力として、円周上に並んだ多数の推進ジャッキで押し出すことによって前進します。ここで重要なのは、ジャッキが一本ではなく円周に分かれて配置されているという点です。
この配置により、押す力の配分を変えることで進む向きを制御できます。たとえばシールドが右へずれていれば、右側のジャッキの推力を強め、左側を弱めることで、シールドの向きを左へ修正できます。上下方向も同様です。つまり推進ジャッキの選択と推力の調整は、蛇行を修正する主要な手段そのものです。したがって「推進ジャッキの調整では修正ができない」という記述は誤りです。実際の施工では、測量でシールドの位置と方向を常時確認し、計画線からのずれが小さいうちにジャッキの配分を調整して修正します。ずれが大きくなってから急に修正しようとすると、セグメントリングに無理な力が加わって目開きや損傷を招くため、こまめな修正が原則です。
掘進管理のもう一つの柱が掘削土量の管理です。シールドが進んだ長さから計算される理論的な土量と、実際に排出された土量を比較し、実際が過大であれば、切羽から余分に土を取り込んでいる、すなわち地山を緩めていることを意味します。これは地表面沈下の前触れであり、直ちに切羽の圧力設定や排土速度を見直します。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削土量は、理論量と比較して過大でないかを管理する。」は正しい記述です。実際の排土量が理論量を上回るのは、地山を余分に取り込んでいる証拠であり、沈下の予兆となります。
「切羽の土圧や泥水圧は、設定値の範囲に保つよう管理する。」も正しく、低すぎれば地山が緩んで沈下し、高すぎれば地盤が持ち上がったり泥水が噴出したりします。
「掘進の速度は、切羽の安定を確認しながら決めていく。」も正しい記述です。速度は排土量や圧力の状況と一体で管理すべきものです。
問103-19

シールド工事に伴う地表面沈下に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①切羽の土圧が不足すると、地表面の沈下が生じやすくなる。
  • ②裏込め注入の遅れは、地表面の沈下の原因となりうるものだ。
  • ③掘削土量が理論量を超えると、地表面の沈下を招きやすい。
  • ④地表面の沈下は、掘進が終われば以後は生じないものである。
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正解 ④地表面の沈下は、掘進が終われば以後は生じないものである。
解説
都市部のシールド工事で最も注意すべきなのが、地表面の沈下です。地上には家屋や道路、埋設管があり、わずかな沈下でも損傷につながるため、原因ごとに手を打つ必要があります。
沈下は時間の経過とともに何段階かに分かれて現れます。シールドが到達する前に切羽前方の地山が動くことによる沈下、シールドが通過する際に切羽の圧力不足やテールボイドの充填不足で地山が動くことによる沈下、そして通過した後に長い時間をかけて進む沈下です。最後の段階は、掘進によって乱された地盤や、周辺の粘性土層が圧密されることで生じるもので、掘進が終わってからも数か月にわたって続くことがあります。したがって「掘進が終われば以後は生じない」という記述は誤りです。掘進の完了後も、地表面の計測を一定期間続けて挙動を確認する必要があります。
沈下を抑える基本は三つです。第一に、切羽の圧力を設定値の範囲に保ち、地山が内側へ動くのを許さないこと。第二に、テールボイドへの裏込め注入を掘進と同時、あるいは直後に確実に行うこと。第三に、掘削土量を理論量と照合し、余分に取り込んでいないかを常時確かめることです。
(根拠:トンネル標準示方書(土木学会)のシールド工法に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「切羽の土圧が不足すると、地表面の沈下が生じやすくなる。」は正しい記述です。圧力が地山からの土圧・水圧を下回ると、切羽の地山が内側へ動き、それが地表まで伝わります。
「裏込め注入の遅れは、地表面の沈下の原因となりうるものだ。」も正しく、テールボイドが空いたままの時間が長いほど、周囲の地山がすき間へ動いて沈下が進みます。
「掘削土量が理論量を超えると、地表面の沈下を招きやすい。」も正しい記述です。理論量を超える排土は、地山を余分に取り込んでいることを意味し、その分だけ地盤が失われます。

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