2026年版・3-18

営業線近接工事と保安対策の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、営業線近接工事と保安対策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-18

営業線に近接して行う工事の保安対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①工事は、列車の運行時間帯を優先して昼間の時間帯に実施する。
  • ②保安対策は、作業が始まってから検討すれば足りるものだ。
  • ③営業線に近接する作業は、監督員の立会いなく変更できる。
  • ④列車の運転に支障するおそれのある作業は、線路閉鎖等で行う。
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正解 ④列車の運転に支障するおそれのある作業は、線路閉鎖等で行う。
解説
営業線近接工事とは、列車が実際に走っている線路のすぐそばで行う工事のことです。ここでは、工事の品質や工程より前に、列車の運行を絶対に妨げないこと、そして作業員が列車に触れる事故(触車事故)を絶対に起こさないことが最優先されます。ひとたび事故が起これば、多数の利用者の生命に関わり、社会的な影響もきわめて大きいためです。
この考え方から導かれる基本が、危険な作業と列車の運行を時間的・空間的に分離するという原則です。列車の運転に支障を及ぼすおそれのある作業、たとえば軌道に近づく作業や、機械のブームが線路上空へ入る可能性のある作業は、その区間に列車を入れない手続(線路閉鎖)を取ったうえで行うか、列車と列車の間の時間(列車間合い)に、列車見張員を配置して行います。
したがって作業は、列車の運行が少ない深夜帯に行われることが多くなります。また、保安対策は着工前に鉄道事業者と協議して定めておくものであり、作業が始まってから考えるようなものではありません。作業内容を変更する場合も、必ず所定の協議と承諾の手続を経ます。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事は、列車の運行時間帯を優先して昼間の時間帯に実施する。」は誤りです。列車の運行が多い時間帯は触車の危険が高く、作業を中断する回数も増えるため、危険な作業は列車の少ない夜間の間合いや線路閉鎖の時間帯に行うのが原則です。
「保安対策は、作業が始まってから検討すれば足りるものだ。」も誤りです。保安対策は着工前に鉄道事業者と協議して施工計画に定め、作業員へ周知しておくべきものです。
「営業線に近接する作業は、監督員の立会いなく変更できる。」も誤りです。作業内容や方法の変更は列車の運行の安全に直結するため、所定の協議と承諾を経ずに行うことはできません。
問23-18

営業線近接工事における工事管理者に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①工事管理者は、複数の工事現場を兼任するのが原則である。
  • ②工事管理者は、工事現場ごとに専任の者を常時配置させる。
  • ③工事管理者は、資格を有しない者でも従事できる職である。
  • ④工事管理者は、現場には出ず、事務所に常駐して指示する。
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正解 ②工事管理者は、工事現場ごとに専任の者を常時配置させる。
解説
営業線近接工事では、現場に責任を持つ人を明確に決めておくことが保安の出発点になります。その中心となるのが工事管理者です。
工事管理者は、その工事現場において作業の全体を指揮し、保安に関する取決めが確実に守られているかを監督する立場の人です。線路閉鎖や列車見張員の配置が計画どおり行われているか、機械や材料が営業線を支障していないか、作業員が定められた退避を行っているかを現場で直接確認し、危険があれば作業を止めます。
この役割の性質上、現場を離れることはできません。工事管理者は工事現場ごとに専任で配置し、作業に従事する時間帯を通じて常時その現場に居ることが求められます。複数の現場を掛け持ちすれば、居ない現場では誰も判断できず、事故の芽を見逃すことになるからです。事務所にいて現場に出ないのでは、そもそも役割を果たせません。
また、工事管理者となるには、鉄道事業者が定める所定の教育を受けて資格を得ている必要があります。これは、線路閉鎖や列車見張りの仕組み、退避の方法、事故発生時の列車防護の手順といった、鉄道特有の知識が不可欠だからです。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事管理者は、複数の工事現場を兼任するのが原則である。」は誤りです。工事現場ごとに専任で配置し、常時その現場に居ることが求められます。
「工事管理者は、資格を有しない者でも従事できる職である。」も誤りです。鉄道事業者が定める教育を修了し、資格を有する者でなければ工事管理者になることはできません。
「工事管理者は、現場には出ず、事務所に常駐して指示する。」も誤りです。現場で作業の状況を直接確認し、危険があれば直ちに作業を中止させることが職務の中心です。
問33-18

線路閉鎖工事と線閉責任者に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①線閉責任者は、線路閉鎖の手続を行い解除まで立ち会う。
  • ②線路閉鎖の手続は、作業が終わってから行うものである。
  • ③線路閉鎖の区間内では、列車の進入を前提に作業を行う。
  • ④線閉責任者は、列車見張員を兼ねて作業するのが原則だ。
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正解 ①線閉責任者は、線路閉鎖の手続を行い解除まで立ち会う。
解説
線路閉鎖とは、ある区間について列車を進入させないことを鉄道の運行を司る指令と取り決め、その区間を工事に使えるようにする手続のことです。列車が来ない状態をつくり出すのですから、触車事故を防ぐうえで最も確実な方法といえます。
この手続を担うのが線閉責任者です。作業の開始前に、指令に対して線路閉鎖の承認を求め、承認を得たことを確認したうえで作業の開始を認めます。作業中は、その区間に列車が入らない状態が保たれていることに責任を持ちます。そして作業が終わったら、軌道や施設が列車の運行に支障のない状態に戻っていること、作業員と機械・材料がすべて線路から撤去されていることを確認したうえで、指令へ線路閉鎖の解除を通告します。開始から解除まで、責任者が現場に立ち会って確認することが要点です。
手続の順序を取り違えてはいけません。線路閉鎖は作業に先立って行うものであり、作業が終わってから手続をするのでは何の意味もありません。また、線路閉鎖された区間は列車が入らないことを前提とする区間であり、列車の進入を前提とするものではありません。
線閉責任者と列車見張員は、それぞれ担う役割も見るべき対象も異なるため、兼務は認められません。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「線路閉鎖の手続は、作業が終わってから行うものである。」は誤りです。線路閉鎖は作業の開始前に承認を得ておくもので、承認前に作業を始めることはできません。
「線路閉鎖の区間内では、列車の進入を前提に作業を行う。」も誤りです。線路閉鎖はその区間に列車を進入させないための手続であり、進入を前提とすることはあり得ません。
「線閉責任者は、列車見張員を兼ねて作業するのが原則だ。」も誤りです。両者は職務の内容が異なり、それぞれ専任の者を配置します。
問43-18

営業線近接工事における列車見張員に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①列車見張員は、見張りのかたわら作業に従事してもよい。
  • ②列車見張員は、列車が接近してから配置すれば足りる。
  • ③列車見張員は、専任として列車の接近を監視し合図する。
  • ④列車見張員は、見通しの悪い区間ほど人数を減らしてよい。
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正解 ③列車見張員は、専任として列車の接近を監視し合図する。
解説
列車見張員は、列車の接近をいち早く発見し、作業をしている人たちへ知らせて安全な場所へ退避させる役目を負う人です。線路閉鎖ができない列車間合いの作業では、作業員の命はこの見張員の目にかかっているといっても過言ではありません。
ここから、いくつかの厳格な決まりが導かれます。第一に、列車見張員は専任でなければなりません。見張りのかたわら作業に従事すると、手元に目が行った一瞬に列車が現れ、合図が遅れます。したがって見張り以外の仕事をしてはいけません。
第二に、作業を開始する前から配置しておく必要があります。列車が接近してから配置するのでは、そもそも接近を発見する人がいなかったことになります。
第三に、見通しの確保が前提となります。列車の速度が速いほど、また見通しが悪いほど、遠くで発見しなければ退避が間に合いません。曲線区間や構造物で視界が遮られる場所では、見通せる位置に増員して配置し、合図をリレーして伝えます。人数を減らしてよいというのは、まったく逆の考え方です。
合図には、笛や信号旗など、作業の騒音の中でも確実に伝わる手段を用い、あらかじめ全員に周知しておきます。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「列車見張員は、見張りのかたわら作業に従事してもよい。」は誤りです。作業に気を取られると列車の発見が遅れ、退避が間に合わなくなるため、専任としなければなりません。
「列車見張員は、列車が接近してから配置すれば足りる。」も誤りです。接近を発見するために置く要員なので、作業の開始前から配置しておく必要があります。
「列車見張員は、見通しの悪い区間ほど人数を減らしてよい。」も逆です。見通しが悪いほど発見が遅れるため、見通せる位置に増員して合図を伝達します。
問53-18

建築限界および車両限界に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①建築限界は、車両限界の内側に定められた範囲である。
  • ②車両限界は、構造物を設けてはならない空間の範囲を示している。
  • ③建築限界の内側には、工事用材料を仮置きしてもよい。
  • ④建築限界は、車両限界の外側に余裕を見て定めた範囲である。
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正解 ④建築限界は、車両限界の外側に余裕を見て定めた範囲である。
解説
車両限界と建築限界は、どちらも線路の断面に定められた範囲ですが、対象と目的がまったく違います。
車両限界は、車両の側から見た決まりです。車両はこの範囲からはみ出してはならない、という車両側の外形の限度を示します。
建築限界は、線路の周りの施設の側から見た決まりです。この範囲の内側には構造物や物を置いてはならない、という空間の確保を求めるものです。
両者の関係が重要です。車両は走行中に静止しているわけではなく、ばねのたわみ、曲線通過による傾きと偏り、風による揺れなどで、静止時の外形より外側へ動きます。したがって、車両限界のすぐ外側に構造物を置くと接触します。そこで建築限界は、車両限界の外側に、こうした動きに対する余裕を加えて定められています。つまり建築限界は車両限界より大きく、その外側に位置します。
この関係から、工事にとって決定的な意味が出てきます。建築限界の内側は、車両が入ってくる可能性のある空間なので、工事用の材料や機械を置くことは絶対に許されません。仮置きは、必ず建築限界の外側に、しかも列車の風圧で動かないように確実に固定して行います。
(根拠:鉄道に関する技術上の基準を定める省令および鉄道事業者が定める保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「建築限界は、車両限界の内側に定められた範囲である。」は誤りです。建築限界は車両の動揺などの余裕を加えたものなので、車両限界の外側に定められます。
「車両限界は、構造物を設けてはならない空間の範囲を示している。」も誤りです。構造物を設けてはならない範囲を示すのは建築限界で、車両限界は車両の外形の限度を示すものです。
「建築限界の内側には、工事用材料を仮置きしてもよい。」も誤りです。建築限界の内側は車両が入りうる空間であり、材料を置けば接触事故に直結します。
問63-18

営業線近接工事における建設機械の使用に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①架空電車線に近接する作業でも、通電のまま作業を行う。
  • ②機械は、転倒しても営業線を支障しない位置に据え付ける。
  • ③クレーンのブーム旋回範囲は、制限しないのが原則である。
  • ④機械の使用中は、誘導員を配置しないまま作業を進める。
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正解 ②機械は、転倒しても営業線を支障しない位置に据え付ける。
解説
営業線のそばで建設機械を使うときは、「正常に作業している状態」だけでなく、「異常が起きた状態」まで想定して据付け位置を決めるのが原則です。機械が転倒したり、ブームが折れて倒れ込んだりしたときに、その先端が営業線に届いてしまえば、直ちに列車との衝突事故になります。
そこで、機械は倒れても営業線に達しない位置に据え付け、やむを得ず近接する場合は転倒防止の措置を講じたうえで、旋回範囲を制限します。制限の方法としては、旋回そのものを機械的に止めるストッパを設ける、営業線側にブームが向かないよう作業範囲を定めて表示する、といった措置をとります。旋回範囲を制限しないという考え方は、この原則と正反対です。
電化区間では、架空電車線(トロリ線)への接近も大きな危険です。高圧の電気が流れているため、機械が直接触れなくても、近づいただけで放電して感電する危険があります。したがって、架空電車線に近接して作業する場合は、あらかじめき電を停止して電気を切る、または絶縁性の防護管などで防護したうえで作業します。通電のまま近接作業を行うことは認められません。
あわせて、機械の運転者から見えない範囲を補うため、誘導員を配置して合図を行わせます。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「架空電車線に近接する作業でも、通電のまま作業を行う。」は誤りです。感電の危険があるため、き電停止または絶縁防護を行ったうえで作業します。
「クレーンのブーム旋回範囲は、制限しないのが原則である。」も誤りです。ブームが営業線側へ入らないよう、ストッパの設置などによって旋回範囲を制限します。
「機械の使用中は、誘導員を配置しないまま作業を進める。」も誤りです。運転者の死角を補い、営業線への接近を防ぐため、誘導員を配置して合図させます。
問73-18

営業線近接工事における材料の取扱いと防護設備に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①工事現場と営業線の間には、防護設備を設けて隔離する。
  • ②工事用材料は、作業の効率を考え軌道内に仮置きしてよい。
  • ③防護設備は、作業が終わってから設置するものである。
  • ④材料の集積は、建築限界の内側で行うのが原則である。
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正解 ①工事現場と営業線の間には、防護設備を設けて隔離する。
解説
営業線近接工事の事故は、人が線路へ立ち入ってしまう、物が線路へ入り込んでしまう、という二つの形で起こります。これを物理的に防ぐのが防護設備です。
工事現場と営業線との間には、仮囲いや防護柵、必要に応じて防護構台などを設け、作業員が誤って線路側へ出られないようにし、同時に工事で発生する土砂や資材が線路へ落ちないようにします。この隔離があることで、作業員は自分の作業に集中でき、結果として全体の安全性が高まります。
設置の時期が重要です。防護設備は、作業を始める前に完成させておかなければ意味がありません。作業が終わってから設けるというのは、危険な時間帯だけ無防備でいるということになります。
材料の置き場所も同じ考え方です。軌道内はもちろん、建築限界の内側は車両が入りうる空間なので、材料を置くことは許されません。仮置きは建築限界の外側で行い、しかも列車が通過するときの風圧で飛ばされたり倒れたりしないよう、確実に固定または結束しておきます。作業の効率を理由に軌道内へ材料を置くことは、いかなる場合も認められません。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事用材料は、作業の効率を考え軌道内に仮置きしてよい。」は誤りです。軌道内への仮置きは列車との接触に直結するため、いかなる理由があっても認められません。
「防護設備は、作業が終わってから設置するものである。」も誤りです。防護設備は作業の開始前に設置を完了しておくべきもので、作業中こそ機能させなければなりません。
「材料の集積は、建築限界の内側で行うのが原則である。」も誤りです。建築限界の内側は車両が入りうる空間であり、材料は必ず建築限界の外側に置きます。
問83-18

列車間合い作業と徐行に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①列車間合い作業では、列車見張員を省略することができる。
  • ②徐行の手配は、作業を始めてから行えばよいものである。
  • ③列車間合い作業は、列車の合間の限られた時間内で行う。
  • ④軌道の状態を変えた場合でも、徐行の必要は生じない。
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正解 ③列車間合い作業は、列車の合間の限られた時間内で行う。
解説
列車間合い作業とは、線路閉鎖を行わずに、列車と列車の通過の合間の時間を使って行う作業のことです。線路閉鎖と違って列車は通常どおり走ってくるため、作業できる時間は次の列車が来るまでの限られた時間に区切られます。
この性質から、二つのことが必然的に導かれます。第一に、列車見張員の配置が不可欠だということです。列車が走ってくる状態で作業するのですから、接近を知らせる人がいなければ触車事故を避けられません。線路閉鎖のときより、むしろ見張りの重要性は高まります。第二に、作業の内容は、その限られた時間内に確実に終えられ、かつ中断しても列車の運行に支障しない状態に戻せるものに限られるということです。時間内に片づかない作業を始めてしまうと、列車が接近しても中断できず、最悪の事態を招きます。
また、軌道のつき固めや道床の入替えなど、軌道の状態を一時的に変える作業を行った場合は、直後の軌道がまだ落ち着いていないため、その区間の列車の速度を落とす徐行の手配が必要になります。徐行は、鉄道事業者へ事前に申し込んで所定の手続を経てから作業に入るものであり、作業を始めてから手配するものではありません。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「列車間合い作業では、列車見張員を省略することができる。」は誤りです。列車が通常どおり運行している状態で行う作業であるため、列車見張員の配置は不可欠です。
「徐行の手配は、作業を始めてから行えばよいものである。」も誤りです。徐行は事前に鉄道事業者へ申し込み、所定の手続を経てから作業に着手します。
「軌道の状態を変えた場合でも、徐行の必要は生じない。」も誤りです。つき固めなどの直後は軌道が落ち着いていないため、必要な期間は徐行させて安全を確保します。
問93-18

営業線近接工事の保安要員に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①工事管理者は、工事の施工全体を統括して安全を確保している。
  • ②線閉責任者は、線路閉鎖の手続と解除の確認を行っている。
  • ③踏切警備員は、踏切での列車と通行者の安全を確保する。
  • ④列車見張員は、資格を必要としない要員となっているものだ。
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正解 ④列車見張員は、資格を必要としない要員となっているものだ。
解説
営業線近接工事では、保安に関する役割ごとに要員を定め、それぞれが担当する範囲について責任を負う体制をとります。
列車見張員は、そのなかでも作業員の生命に直結する役割です。列車の接近を発見して合図し、作業員を退避させます。この仕事を果たすには、その路線の列車の速度と本数、見通せる距離と退避に必要な時間の関係、合図の方法、退避場所の位置、事故が起きたときに列車を止める列車防護の手順といった、鉄道特有の知識が欠かせません。したがって列車見張員は、鉄道事業者が定める教育を受けて資格を有する者でなければ従事できません。「資格を必要としない要員」という記述は誤りです。
同様に、工事管理者、線閉責任者、踏切警備員なども、それぞれ所定の教育を受けた有資格者を配置します。工事管理者は現場に専任で常駐して作業全体を指揮し、保安の取決めが守られているかを監督します。線閉責任者は、線路閉鎖の承認を得てから作業を開始させ、終了後は線路が支障のない状態に戻ったことを確認して解除を通告します。踏切警備員は、踏切で工事車両が出入りする際に、列車と道路の通行者双方の安全を確保します。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事管理者は、工事の施工全体を統括して安全を確保している。」は正しい記述です。現場に専任で常駐し、作業の指揮と保安の監督にあたります。
「線閉責任者は、線路閉鎖の手続と解除の確認を行っている。」も正しく、作業前の承認取得から、作業後に支障のない状態へ復旧したことの確認までを担当します。
「踏切警備員は、踏切での列車と通行者の安全を確保する。」も正しい記述です。工事用車両が踏切を横断する際などに、列車と道路交通の双方の安全を確保します。
問103-18

営業線近接工事の施工計画に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①施工計画は、鉄道事業者との協議を経ずに定めてよい。
  • ②工事の作業手順は、列車の運行に支障しないよう定める。
  • ③作業に先立ち、保安に関する打合せと教育を実施する。
  • ④工事用重機の作業範囲は、営業線から離して計画する。
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正解 ①施工計画は、鉄道事業者との協議を経ずに定めてよい。
解説
営業線近接工事の施工計画は、通常の工事の計画とは決定的に違う点があります。それは、自分たちの都合だけでは何一つ決められないということです。作業の時間帯、線路閉鎖や徐行の可否、機械の据付け位置、資材の搬入経路のいずれも、列車の運行と直結しており、鉄道事業者の運行計画と保安の仕組みに合わせなければ成り立ちません。
そのため施工計画は、着工前に鉄道事業者と十分に協議し、承諾を得たうえで確定させます。線路閉鎖や徐行はあらかじめ申し込んで手続を経る必要があり、保安要員の配置人数や配置場所も協議のうえで定めます。したがって「鉄道事業者との協議を経ずに定めてよい」という記述は誤りです。協議を経ない計画は、そもそも実行できません。
計画が定まったら、作業に先立って関係者を集めた保安打合せを行い、その日の作業内容、列車の運行状況、退避場所、合図の方法、緊急時の連絡と列車防護の手順を全員に周知します。新しく現場に入る作業員には保安に関する教育を実施し、理解を確認します。
重機の作業範囲は、転倒やブームの倒れ込みまで想定して営業線から離して計画し、やむを得ず近接する場合は旋回制限などの措置を計画に明記します。
(根拠:鉄道事業者が定める営業線工事の保安関係の取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「工事の作業手順は、列車の運行に支障しないよう定める。」は正しい記述です。作業を中断しても直ちに列車の運行に支障しない状態へ戻せるよう、手順を組み立てます。
「作業に先立ち、保安に関する打合せと教育を実施する。」も正しく、当日の作業内容、退避場所、合図の方法、緊急時の対応を全員に周知することが不可欠です。
「工事用重機の作業範囲は、営業線から離して計画する。」も正しい記述です。転倒やブームの倒れ込みを想定して据付け位置と作業範囲を定めます。

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