2026年版・3-17

鉄道の軌道構造と路盤の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、鉄道の軌道構造と路盤に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全950問) 専門土木の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-17

鉄道の軌道の構成に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①軌道は、レールとまくらぎのみで構成される構造をいう。
  • ②道床は、レールを直接締結して支持する装置のことである。
  • ③軌道は、レール・まくらぎ・道床などで構成されている。
  • ④路盤は、軌道の一部として道床の上に設ける層である。
答えと解説を見る
正解 ③軌道は、レール・まくらぎ・道床などで構成されている。
解説
鉄道の線路は、上から下へ順に力が伝わっていく構造になっています。この流れをたどると、部材の名前と役割が整理できます。
まず車輪が直接載るのがレールです。レールは列車の荷重を受け、それを長手方向に分散させながら、下のまくらぎへ伝えます。レールをまくらぎに固定するのが締結装置で、軌間を保持し、レールの浮上りや横移動を防ぎます。まくらぎは、レールから受けた荷重をさらに広い面積で道床へ伝えるとともに、左右のレールの間隔(軌間)を正しく保つ役割を担います。道床は、まくらぎの下に敷いた砕石(バラスト)などの層で、荷重を路盤へ広く分散させ、まくらぎを動かないよう固定し、適度な弾力性と排水機能を与えます。
この、レール・まくらぎ・道床・締結装置などをまとめたものが軌道です。
これに対し路盤は、軌道の下にあって軌道全体を支え、荷重を最終的に地盤へ伝える層で、軌道とは区別されます。したがって上下関係は、上から軌道(レール・まくらぎ・道床)、その下に路盤、さらに下に地盤という順になります。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「軌道は、レールとまくらぎのみで構成される構造をいう。」は誤りです。道床や締結装置も軌道を構成する重要な要素であり、これらを欠いては軌道として機能しません。
「道床は、レールを直接締結して支持する装置のことである。」も誤りです。レールをまくらぎに固定するのは締結装置であり、道床はまくらぎの下に敷く砕石などの層です。
「路盤は、軌道の一部として道床の上に設ける層である。」も誤りです。路盤は軌道の下にあって軌道を支える層であり、軌道の一部ではありません。位置も上下が逆になっています。
問23-17

有道床軌道の道床の役割に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①まくらぎから伝わる荷重を、路盤へ広く分散して伝える。
  • ②列車の荷重を、まくらぎを介さずレールで直接支持する。
  • ③軌道の弾力性をなくし、剛性を高めることが役割である。
  • ④雨水を軌道内にとどめ、路盤の乾燥を防ぐ役割をもつ。
答えと解説を見る
正解 ①まくらぎから伝わる荷重を、路盤へ広く分散して伝える。
解説
有道床軌道(バラスト軌道)の道床は、まくらぎの下に砕石を厚く敷き詰めた層です。一見すると単に石を敷いただけに見えますが、四つの重要な役割を同時に果たしています。
第一が荷重の分散です。まくらぎから伝わってきた荷重を、砕石どうしのかみ合いを通じて斜め下へ広げ、路盤には単位面積あたり小さな圧力として伝えます。これによって路盤の沈下を防ぎます。
第二がまくらぎの固定です。まくらぎの周囲と間を砕石で埋めることで、砕石との摩擦とかみ合いによってまくらぎが前後左右へ動くのを防ぎ、軌道の位置を保ちます。
第三が弾力性の付与です。砕石の層はわずかに変形するため、車輪から伝わる衝撃をやわらげ、レールや車両、路盤への衝撃を減らします。剛性を高めることが目的ではありません。
第四が排水です。砕石の間には多くのすき間があるため、雨水は速やかに下へ抜けます。水が軌道内にとどまると路盤が軟弱化し、道床の沈下や噴泥の原因になります。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「列車の荷重を、まくらぎを介さずレールで直接支持する。」は誤りです。荷重はレールからまくらぎ、まくらぎから道床へと順に伝わる構造であり、道床がレールを直接支持することはありません。
「軌道の弾力性をなくし、剛性を高めることが役割である。」も誤りです。道床の重要な役割の一つは適度な弾力性を与えて衝撃を吸収することであり、弾力性をなくすことではありません。
「雨水を軌道内にとどめ、路盤の乾燥を防ぐ役割をもつ。」も誤りです。道床は雨水を速やかに排除するための層で、水がとどまると路盤の軟弱化や噴泥を招きます。
問33-17

道床バラストに用いる材料に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①丸みを帯びた河川砂利が、かみ合わせに最も適している。
  • ②硬くて摩耗に強く、角ばった砕石が適した材料とされる。
  • ③吸水率が大きく、単位容積重量の小さい材料が望ましい。
  • ④粒径のそろわない細粒分の多い材料が適した材料である。
答えと解説を見る
正解 ②硬くて摩耗に強く、角ばった砕石が適した材料とされる。
解説
道床バラストに求められる性質は、道床の役割から逆算すると理解できます。道床はまくらぎを動かないよう保持し、荷重を分散し、水を通さなければなりません。
まず、まくらぎを保持するには、粒どうしがしっかりかみ合って動かないことが必要です。丸い粒は互いに転がってずれてしまうため、角ばった形の砕石が適します。角の多い粒は互いに引っかかり合い、大きなせん断抵抗を発揮します。
次に、列車が通るたびに粒どうしがこすれ合うため、硬くて摩耗しにくいことが必要です。軟らかい石を使うと角がすぐ取れて丸くなり、さらに砕けて細かい粉になります。細粒分が増えると粒の間のすき間が詰まり、排水が悪くなって噴泥(水と細粒分が泥となって噴き出す現象)を招きます。
また、単位容積重量が大きいほど道床自体が重くなり、列車の振動に対して安定します。吸水率は小さいほうがよく、水を吸う石は凍結融解によって破砕されやすくなります。粒径は適度にそろっていることが望ましく、細粒分が多いと空隙が埋まって排水機能が失われます。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)の道床バラストに関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「丸みを帯びた河川砂利が、かみ合わせに最も適している。」は誤りです。丸い粒は互いに転がって動きやすく、まくらぎを保持する抵抗力が得られません。
「吸水率が大きく、単位容積重量の小さい材料が望ましい。」も誤りです。吸水率が大きいと凍結融解で破砕されやすく、単位容積重量が小さいと道床が軽くなって安定性が下がります。いずれも逆の性質が求められます。
「粒径のそろわない細粒分の多い材料が適した材料である。」も誤りです。細粒分が多いと空隙が詰まって排水機能が失われ、噴泥や道床の沈下を引き起こします。
問43-17

鉄道のまくらぎに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①まくらぎは、レールを支持せず道床を保護する部材である。
  • ②PCまくらぎは、木まくらぎに比べて軽く扱いやすい部材だ。
  • ③まくらぎは、軌間を保持する役割をもたない部材である。
  • ④PCまくらぎは、重量が大きく軌道の安定に有利な部材だ。
答えと解説を見る
正解 ④PCまくらぎは、重量が大きく軌道の安定に有利な部材だ。
解説
まくらぎは、レールの下に直角に並べて敷く部材で、三つの役割を担っています。第一に、レールから受けた荷重を広い面積で道床へ伝えること。第二に、左右のレールの間隔である軌間を正しく保つこと。第三に、締結装置を介してレールを固定し、レールの傾きや移動を防ぐことです。
材質による違いを押さえておきましょう。PCまくらぎ(プレストレストコンクリート製)は、コンクリート製なので単位あたりの重量が大きく、これがそのまま長所になります。重いということは、列車の通過に伴う振動や横方向の力を受けても動きにくいということであり、軌道の狂いが生じにくく、保守の手間が減ります。また腐朽しないため耐用年数が長く、現在の主流となっています。
木まくらぎは軽くて扱いやすく、電気を通しにくいので信号回路の面で有利ですが、腐朽や割れが生じるため取替えの頻度が高くなります。合成まくらぎは、木まくらぎの扱いやすさと耐久性を両立させた材料で、橋りょう上など特殊な箇所で用いられます。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)のまくらぎに関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「まくらぎは、レールを支持せず道床を保護する部材である。」は誤りです。まくらぎはレールを直接支持し、その荷重を道床へ伝えることが本来の役割です。
「PCまくらぎは、木まくらぎに比べて軽く扱いやすい部材だ。」も誤りです。PCまくらぎはコンクリート製で重く、運搬や交換には機械が必要になります。軽くて扱いやすいのは木まくらぎです。
「まくらぎは、軌間を保持する役割をもたない部材である。」も誤りです。左右のレールを一定の間隔に保つことは、まくらぎの重要な役割の一つです。
問53-17

レールおよびロングレールに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ロングレールは、継目が多くなり保守の手間が増える。
  • ②ロングレールは、全長にわたり自由に伸縮する構造である。
  • ③ロングレールの端部には、伸縮継目を設けるのが一般的だ。
  • ④レールの継目部は、他の部分より変位が生じにくい箇所だ。
答えと解説を見る
正解 ③ロングレールの端部には、伸縮継目を設けるのが一般的だ。
解説
レールの継目は、線路のなかで最も弱い場所です。継目では、レールの支持が不連続になるため車輪が落ち込むような衝撃(継目落ち)が生じ、大きな騒音と振動を発生させます。その衝撃で継目板やまくらぎ、道床が傷み、変位も生じやすくなるため、保守の手間の多くが継目に費やされます。
この弱点をなくすためにレールを溶接してつなぎ、非常に長い一本のレールとしたものがロングレールです。継目が大幅に減るので、乗り心地がよくなり、騒音・振動が小さくなり、保守の手間も減ります。
ただし、レールは温度変化で伸び縮みします。長いレールをそのまま自由に伸縮させると、夏には大きく伸びて座屈(軌道が横へ張り出す現象)を起こし、冬には縮んで折損する危険があります。そこでロングレールでは、中間部を道床の抵抗力によって動かないよう固定し(不動区間)、温度変化を伸縮ではなくレール内部の軸力として受け持たせます。そのうえで、動きが集中する端部に伸縮継目(レールの端を斜めに削り、重ね合わせて滑らせる構造)を設け、伸縮を安全に逃がします。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)のロングレールに関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ロングレールは、継目が多くなり保守の手間が増える。」は誤りです。ロングレールの目的はまさに継目を減らすことにあり、これによって保守の手間は減ります。
「ロングレールは、全長にわたり自由に伸縮する構造である。」も誤りです。中間部は道床の抵抗によって動かないよう固定され、温度変化はレール内部の軸力として受け持たれます。
「レールの継目部は、他の部分より変位が生じにくい箇所だ。」も誤りです。継目部は支持が不連続で衝撃が集中するため、軌道の変位が最も生じやすい箇所です。
問63-17

スラブ軌道に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①コンクリート路盤の上に軌道スラブを据え、填充材で調整する。
  • ②有道床軌道に比べて、初期の建設費が安い軌道構造である。
  • ③有道床軌道に比べて、日常の保守作業が多い軌道構造である。
  • ④軌道スラブは、現場で打設して仕上げるのが標準となっている。
答えと解説を見る
正解 ①コンクリート路盤の上に軌道スラブを据え、填充材で調整する。
解説
スラブ軌道は、砕石の道床を用いない軌道構造です。コンクリート路盤の上に、工場で製作したプレキャストの軌道スラブ(コンクリート板)を据え付け、路盤とスラブの間のすき間にセメントアスファルトモルタルなどの填充材を注入して、高さと傾きを調整しながら固定します。スラブの上に締結装置でレールを直接取り付けます。
この構造の最大の利点は保守の省力化です。有道床軌道では、列車の通過を繰り返すうちに砕石が動いて道床が沈み、定期的につき固めて軌道の狂いを直す作業が欠かせません。スラブ軌道はコンクリートで固定されているため、この沈下がほとんど生じず、保守作業が大幅に減ります。トンネル内や高架橋上のように保守作業が難しい場所、高速で走行する路線で採用されるのはこのためです。
一方で弱点もあります。プレキャスト部材の製作、精密な据付け、填充材の注入と工程が多く、初期の建設費は有道床軌道より高くなります。また、砕石のような弾力性が乏しいため、締結装置に弾性材を組み込んで振動を吸収させる必要があります。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)のスラブ軌道に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「有道床軌道に比べて、初期の建設費が安い軌道構造である。」は誤りです。プレキャスト部材の製作と精密な据付けを要するため、初期建設費は有道床軌道より高くなります。
「有道床軌道に比べて、日常の保守作業が多い軌道構造である。」も逆です。道床の沈下による軌道の狂いが生じにくいため、保守作業は大幅に少なくなります。
「軌道スラブは、現場で打設して仕上げるのが標準となっている。」も誤りです。軌道スラブは工場で製作したプレキャスト部材を運搬して据え付けるのが標準です。
問73-17

鉄道の路盤に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①路盤は、道床の上に設けて列車荷重を受ける層である。
  • ②強化路盤は、良質な砕石やスラグを用いた路盤である。
  • ③路盤は、排水の機能をもたない構造とするのが原則だ。
  • ④土路盤は、強化路盤よりも支持力が大きい路盤である。
答えと解説を見る
正解 ②強化路盤は、良質な砕石やスラグを用いた路盤である。
解説
路盤は、軌道(レール・まくらぎ・道床)の下にあって軌道全体を支える層です。役割は三つあり、道床から伝わってきた荷重をさらに広い面積へ分散して地盤へ伝えること、軌道に必要な支持力を安定して与え続けること、そして雨水を速やかに排除して自らと地盤の軟弱化を防ぐことです。
路盤は使う材料によって大きく二つに分かれます。土路盤は、現地発生土や良質土を締め固めてつくる路盤で、経済的ですが支持力と耐久性には限界があり、水の影響も受けやすくなります。
強化路盤は、粒度調整砕石やクラッシャランなどの良質な砕石、あるいは高炉スラグを用い、必要に応じてアスファルトコンクリートを組み合わせて構築する路盤です。土路盤に比べて支持力が大きく、水に対する抵抗性も高いため、繰り返される列車荷重に対して沈下が小さく、軌道の狂いが生じにくくなります。輸送量の多い線路や高速の路線では、この強化路盤が用いられます。
したがって支持力の大小関係は、強化路盤のほうが土路盤より大きい、というのが正しい理解です。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)の路盤に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「路盤は、道床の上に設けて列車荷重を受ける層である。」は誤りです。上下関係が逆で、路盤は道床の下にあって軌道全体を支える層です。
「路盤は、排水の機能をもたない構造とするのが原則だ。」も誤りです。路盤に水がたまると支持力が低下し、噴泥や沈下の原因になるため、排水機能の確保は路盤の重要な要件です。
「土路盤は、強化路盤よりも支持力が大きい路盤である。」も逆です。良質な砕石等を用いる強化路盤のほうが、支持力も耐水性も上回ります。
問83-17

鉄道の路盤の排水に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①路盤の表面は、水平に仕上げて水をためる構造とする。
  • ②路盤の排水は、道床の汚れとは無関係な事項となっている。
  • ③路盤に水がたまると、支持力が増して軌道が安定していく。
  • ④路盤の表面には排水勾配を設け、雨水を速やかに排除する。
答えと解説を見る
正解 ④路盤の表面には排水勾配を設け、雨水を速やかに排除する。
解説
鉄道の軌道が狂う原因をたどっていくと、多くの場合その根に水の問題があります。したがって路盤の排水は、地味に見えて軌道の品質を決定づける要素です。
雨水は道床の砕石のすき間を通って下へ抜け、路盤の表面に達します。ここで水が抜けずにとどまると、路盤が水を含んで軟らかくなり、支持力が低下します。支持力が落ちた路盤の上を列車が繰り返し通ると、路盤が局部的に沈下して軌道に高低の狂いが生じます。さらに悪いことに、水を含んだ路盤の細粒分が列車の振動でかき混ぜられ、泥水となって道床の中へ噴き上がります。これが噴泥です。噴泥が起きると、道床の砕石のすき間が泥で埋まって排水機能を失い、弾力性も低下して、状態はいっそう悪化します。
この連鎖を断ち切るため、路盤の表面には排水勾配(横断方向の傾き)をつけて水が線路の外側へ流れるようにし、線路脇の側溝へ導きます。あわせて、路盤材料自体も水を含みにくい良質なものを選びます。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)の路盤の排水に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「路盤の表面は、水平に仕上げて水をためる構造とする。」は誤りです。水がたまれば路盤が軟弱化して沈下や噴泥を招くため、勾配をつけて排除します。
「路盤の排水は、道床の汚れとは無関係な事項となっている。」も誤りです。路盤の排水が悪いと噴泥が発生し、泥が道床の空隙を埋めて道床を汚し、その機能を失わせます。
「路盤に水がたまると、支持力が増して軌道が安定していく。」も誤りです。土は水を含むほど支持力が低下するため、軌道はかえって不安定になります。
問93-17

鉄道の曲線部の軌道構造に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①カントは、曲線の内側のレールを高くすることをいう。
  • ②スラックは、曲線部において軌間を狭くすることをいう。
  • ③緩和曲線は、直線と円曲線の間で曲率を徐々に変える。
  • ④曲線部では、カントもスラックも設けないのが原則だ。
答えと解説を見る
正解 ③緩和曲線は、直線と円曲線の間で曲率を徐々に変える。
解説
曲線部では、直線部にはない三つの工夫が必要になります。それぞれ解決したい問題が違います。
第一がカントです。曲線を走る列車には外向きの遠心力が働き、そのままでは外側のレールに大きな横圧が加わり、乗り心地も悪くなります。そこで外側のレールを内側より高くし、車体を曲線の内側へ傾けることで、遠心力と重力の合力を軌道面に近い向きへ向けます。高くするのは外側のレールです。
第二がスラックです。鉄道車両の車輪は台車に固定されており、前後の車軸が平行のまま曲線に入るため、車輪のつばがレールに強く接触します。そこで曲線部では軌間をわずかに広げ、車輪が無理なく通れるようにします。広げるのであって、狭くするのではありません。
第三が緩和曲線です。直線から円曲線へいきなり入ると、遠心力とカントが瞬間的に変化し、車体に急な衝撃が加わります。そこで直線と円曲線の間に、曲率(曲がりの度合い)とカントを徐々に変化させる区間を設けます。これが緩和曲線で、乗り心地と走行の安全を確保するために不可欠です。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)の曲線部に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「カントは、曲線の内側のレールを高くすることをいう。」は誤りです。遠心力に対応するために高くするのは外側のレールで、内外が逆になっています。
「スラックは、曲線部において軌間を狭くすることをいう。」も誤りです。スラックは車輪が円滑に曲線を通過できるよう軌間をわずかに広げることをいいます。
「曲線部では、カントもスラックも設けないのが原則だ。」も誤りです。いずれも曲線部の安全と乗り心地の確保に必要な措置であり、曲線半径などに応じて設けます。
問103-17

鉄道の軌道変位と保守に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①軌道変位は、列車の走行とは無関係に生じるものである。
  • ②有道床軌道は、道床のつき固めによって変位を整正する。
  • ③軌道変位には、高低・通り・水準・軌間などの種類がある。
  • ④曲線部は、直線部に比べて軌道変位が生じやすい箇所だ。
答えと解説を見る
正解 ①軌道変位は、列車の走行とは無関係に生じるものである。
解説
軌道変位とは、軌道が本来あるべき正しい位置や形からずれた状態をいいます。その主な原因は、列車が通過するたびに軌道へ加わる荷重と振動です。
列車が通ると、車輪の荷重によって道床の砕石が少しずつ動き、まくらぎの下に微妙な沈下が生じます。通過する列車の本数が増えるほど、また列車が重く速いほど、この変位は積み重なっていきます。したがって「列車の走行とは無関係に生じる」という記述は誤りで、軌道変位の主因はまさに列車の走行の繰り返しにあります。もちろん、路盤の軟弱化、降雨、凍上、レールの温度変化なども変位の要因になりますが、それらも列車荷重と重なって現れるのが実態です。
変位には種類があります。レール頭頂面の高さの狂いを高低、左右方向の曲がりの狂いを通り、左右レールの高さの差の狂いを水準、レール間隔の狂いを軌間といい、これらを測定して管理します。
有道床軌道では、マルチプルタイタンパなどの機械でまくらぎを持ち上げ、道床の砕石をつき固めて所定の位置に戻す作業(つき固め)によって変位を整正します。曲線部は横方向の力が繰り返し作用するため、直線部より変位が生じやすくなります。
(根拠:鉄道構造物等設計標準・同解説(軌道構造)の軌道の維持管理に関する記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「有道床軌道は、道床のつき固めによって変位を整正する。」は正しい記述です。沈下したまくらぎを持ち上げて下の砕石を締め固め、正しい高さと位置に戻します。
「軌道変位には、高低・通り・水準・軌間などの種類がある。」も正しく、これらを定期的に測定して管理値と照らし合わせます。
「曲線部は、直線部に比べて軌道変位が生じやすい箇所だ。」も正しい記述です。曲線部では車輪から横方向の力が繰り返し作用するため、通りの狂いなどが進みやすくなります。

1級土木施工管理技士の対策問題(全950問)に戻る

※本ページは非公式の資格試験対策ページであり、一般財団法人 全国建設研修センターおよびその他の主催団体とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】