2026年版・3-15

海岸堤防・消波工と侵食対策の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、海岸堤防・消波工と侵食対策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-15

海岸堤防の形式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①混成型は、傾斜型と直立型の両方の特徴をあわせもつ形式である。
  • ②直立型は、軟弱な地盤で堤防用地が広い場合に適した形式である。
  • ③傾斜型は、良好な地盤で堤防用地が狭い場合に適した形式である。
  • ④緩傾斜型は、海浜の利用が想定されない場所で用いられている。
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正解 ①混成型は、傾斜型と直立型の両方の特徴をあわせもつ形式である。
解説
海岸堤防は、高潮や波浪から背後の土地を守る施設です。形式は表法(海に面した側の斜面)の形で三つに分かれ、地盤の良否と用地の広さで選びます。
傾斜型は、表法を緩やかな勾配で築く形式です。堤体の底面が広くなるので地盤に伝わる応力が小さく、比較的軟弱な地盤でも成立します。堤体が土砂や捨石でできているため、前面が洗掘されても堤体が追随して沈み込み、致命的な破壊に至りにくいという順応性もあります。ただし用地は広く必要です。
直立型は、表法をほぼ鉛直に立ち上げる形式で、用地が狭くて済むかわりに、堤体の重さを狭い底面で支えるため良好な地盤が必要です。
混成型は、下部を捨石などの傾斜構造とし、その上に直立部を載せる形式で、両者の特徴をあわせもちます。水深が深い場所や、地盤がそれほど良好でない場所でも、直立型ほど厳しい地盤条件を求めずに用地を抑えられます。
緩傾斜型は傾斜型をさらに緩い勾配にしたもので、人が海辺へ下りやすく、海浜の利用を図りたい場所で採用されます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「直立型は、軟弱な地盤で堤防用地が広い場合に適した形式である。」は条件が逆です。直立型は狭い底面で堤体を支えるため良好な地盤が必要で、採用される主な理由は用地が狭いことにあります。
「傾斜型は、良好な地盤で堤防用地が狭い場合に適した形式である。」も逆です。傾斜型は底面が広く軟弱地盤に適し、そのぶん広い用地を必要とします。
「緩傾斜型は、海浜の利用が想定されない場所で用いられている。」も誤りです。緩傾斜型は勾配が緩く人が海辺へ近づきやすいため、むしろ海浜の利用を図る場所で採用されます。
問23-15

傾斜型の海岸堤防に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①波の反射が大きく、堤防前面の洗掘が進みやすい形式である。
  • ②地盤が良好でなければ採用することができない形式である。
  • ③比較的軟弱な地盤にも適し、洗掘に対する順応性が高くなる。
  • ④堤体材料が入手しにくい場所ほど、有利になる形式である。
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正解 ③比較的軟弱な地盤にも適し、洗掘に対する順応性が高くなる。
解説
傾斜型の海岸堤防は、表法を緩やかな勾配で築き、その表面を石張りやコンクリートブロックなどの被覆工で保護する形式です。この形が生む長所は二つあります。
一つは、地盤条件への強さです。堤体の底面が広いため、同じ重さでも地盤の単位面積あたりに作用する応力が小さくなり、比較的軟弱な地盤でも支えられます。
もう一つは、洗掘に対する順応性です。波によって前面の海底が削られたとき、直立型のような剛な構造は基礎を失うと転倒や崩壊に直結しますが、傾斜型は石やブロックの集合体なので、下が抜ければ上の材料が滑り落ちて空いた部分を埋め、形を変えながら機能を保ちます。この変形しながら追随する性質を可とう性といい、傾斜型の大きな利点です。
また、緩い斜面は波を斜面上ではい上がらせながらエネルギーを消費させるため、反射波が小さくなります。反射波が小さいと前面の海底が洗掘されにくく、周辺の海浜への悪影響も抑えられます。一方で、堤体量が多くなるため、土砂や石材が近くで得られることが経済性の条件になります。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「波の反射が大きく、堤防前面の洗掘が進みやすい形式である。」は誤りです。緩い斜面で波のエネルギーを消費させるため反射は小さく、前面の洗掘も直立型より生じにくくなります。
「地盤が良好でなければ採用することができない形式である。」も誤りです。良好な地盤を必要とするのは直立型で、傾斜型はむしろ軟弱地盤に適します。
「堤体材料が入手しにくい場所ほど、有利になる形式である。」も逆です。傾斜型は堤体の体積が大きく多量の材料を要するため、土砂や石材が近くで得られる場所ほど有利になります。
問33-15

直立型および混成型の海岸堤防に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①直立型は、堤防用地を広く必要とする形式となっているものだ。
  • ②直立型は、前面の水深が深いと波の反射が大きくなりやすい。
  • ③混成型は、水深の浅い箇所に限って用いられる形式である。
  • ④直立型は、堤体の変形に順応できる可とう性の高い形式である。
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正解 ②直立型は、前面の水深が深いと波の反射が大きくなりやすい。
解説
直立型の海岸堤防は、表法をほぼ鉛直に立ち上げた形式です。用地が狭くて済むため、背後に余裕のない市街地や港湾に面した海岸で採用されます。
この形式で注意すべきなのが波の反射です。前面の水深が浅ければ、波は堤防に届く前に砕けてエネルギーを失いますが、水深が深いと砕けないまま鉛直な壁に当たり、そのまま跳ね返されます。反射波が大きくなると、入射波と重なり合って前面の水面が大きく上下し、堤防前面の海底が洗掘されやすくなります。洗掘が進めば基礎が浮き上がり、堤体の安定そのものが損なわれます。この反射を抑えるために、直立型では前面に消波工(異形コンクリートブロックなど)を据え付けることが多くなります。
また直立型は、コンクリート壁体という剛な構造なので、基礎の一部が洗掘されると全体が傾いたり倒れたりします。傾斜型のように材料が滑り込んで補い合う可とう性は期待できません。
混成型は、下部を捨石マウンドなどの傾斜構造、上部を直立構造とした形式で、水深が深い場所や地盤条件が直立型ほど良くない場所でも成立します。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「直立型は、堤防用地を広く必要とする形式となっているものだ。」は誤りです。直立型が選ばれる主な理由は、必要な用地が狭くて済むことにあります。
「混成型は、水深の浅い箇所に限って用いられる形式である。」も誤りです。混成型は下部の傾斜構造で水深に対応できるため、むしろ水深が深い箇所で有利になります。
「直立型は、堤体の変形に順応できる可とう性の高い形式である。」も誤りです。可とう性が高いのは石やブロックの集合体である傾斜型で、直立型は剛な壁体であるため変形への順応性は低くなります。
問43-15

海岸堤防の各部の構造に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①波返工は、堤防の裏側に設けて越波を受け止める施設である。
  • ②基礎工は、堤防の天端に設けて越波の量を減らす構造である。
  • ③根固工は、剛性を高めて一体化させることが最も重要である。
  • ④根固工は、基礎工前面の洗掘を防ぐために設ける構造である。
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正解 ④根固工は、基礎工前面の洗掘を防ぐために設ける構造である。
解説
海岸堤防が壊れるとき、そのきっかけの多くは堤体そのものの破壊ではなく、足元の洗掘です。波が繰り返し打ち寄せると、堤防の前面の海底の砂が巻き上げられて運び去られ、そこがだんだん深くなります。基礎の下の土が失われれば、いくら丈夫な堤体でも沈下し、傾き、やがて崩れます。
これを防ぐために基礎工の前面に設けるのが根固工です。捨石や異形コンクリートブロックを敷き並べ、その重さで海底を覆って砂が動くのを防ぎます。
根固工で大切なのは、剛に固めないことです。海底の砂は波によってどうしても動き、根固工の下の地盤は少しずつ変形します。根固工をコンクリートで一体に固めてしまうと、下が空洞になったときに構造全体が折れて機能を失います。そこで、個々のブロックや捨石が独立して沈み込み、変形に追随できる可とう性のある構造にします。
なお波返工は、堤防の表法の天端付近に設ける、海側へ湾曲した壁です。はい上がってきた波を海側へ跳ね返し、越波量を減らします。基礎工は堤体の底部で堤体を支え、地盤へ荷重を伝える部分です。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「波返工は、堤防の裏側に設けて越波を受け止める施設である。」は誤りです。波返工は表法側の天端付近に設け、波を海側へ返して越波そのものを減らす構造です。
「基礎工は、堤防の天端に設けて越波の量を減らす構造である。」も誤りです。基礎工は堤体の底部にあって荷重を地盤に伝える部分であり、越波を減らす役割は担いません。
「根固工は、剛性を高めて一体化させることが最も重要である。」も誤りです。根固工は地盤の変形に追随できる可とう性を持たせることが重要で、剛に一体化させると変形時に破壊します。
問53-15

海岸の消波工に用いる異形コンクリートブロックの据付けに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①層積みは、荒天時であっても据付けが容易な施工方法である。
  • ②乱積みは、据付け後の沈下がまったく生じない方法とされる。
  • ③乱積みは、据付け後の沈下でかみ合わせが進み安定していく。
  • ④層積みは、乱積みに比べて外観が乱れやすい方法とされる。
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正解 ③乱積みは、据付け後の沈下でかみ合わせが進み安定していく。
解説
消波工に使う異形コンクリートブロックの据付け方には、乱積みと層積みの二つがあります。どちらを選ぶかは、施工の難しさと安定性、外観のつり合いで決めます。
乱積みは、ブロックを規則正しく並べず、ランダムに投入して積み上げる方法です。据付けそのものが簡単で、水中の見えない場所や、波の荒い時期でも施工できます。据え付けた直後は空隙が多く不安定に見えますが、波の作用を受けてブロックが少しずつ動き、沈下しながら互いにかみ合っていくため、時間の経過とともにむしろ安定していきます。この「据付け後に落ち着いて安定する」という性質が乱積みの特徴です。ただし沈下する前提なので、必要な天端高が確保できるよう余裕を見込んでおく必要があります。
層積みは、ブロックの向きをそろえて規則正しく層状に積む方法です。空隙が少なく初期から安定しており、外観も整いますが、一つ一つ位置と向きを合わせて据え付けるため手間がかかり、波の荒い日や水深の深い場所では施工が困難になります。
(根拠:海岸保全施設の消波工に関する技術基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「層積みは、荒天時であっても据付けが容易な施工方法である。」は誤りです。層積みは一個ずつ向きをそろえて据え付ける必要があるため、波が高い荒天時の施工はきわめて困難です。
「乱積みは、据付け後の沈下がまったく生じない方法とされる。」も誤りです。乱積みは据付け後に波の作用で沈下することを前提としており、その沈下によってかみ合わせが進みます。
「層積みは、乱積みに比べて外観が乱れやすい方法とされる。」も逆です。層積みはブロックの向きをそろえて規則正しく積むため、外観は乱積みより整います。
問63-15

海岸堤防の消波工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①消波工は、波のエネルギーを減らして越波と反射を抑える。
  • ②消波工は、堤防の裏法尻に設けて洗掘を防止する構造である。
  • ③消波工は、堤防の反射波を大きくして砂の堆積を促す。
  • ④消波工は、直立型の堤防には用いられない構造である。
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正解 ①消波工は、波のエネルギーを減らして越波と反射を抑える。
解説
消波工は、堤防の表法の前面に異形コンクリートブロックなどを積み上げて設ける施設です。ブロックどうしの間には多くの空隙があり、押し寄せた波はその中へ入り込んで乱れ、ぶつかり合いながらエネルギーを失います。壁で受け止めるのではなく、波を迷路に迷い込ませて力を奪う、と考えると働きが分かりやすくなります。
この結果、二つの効果が得られます。第一に、堤防をはい上がる波の高さ(打上げ高)が下がり、天端を越えて背後へ入る水の量、すなわち越波量が減ります。第二に、跳ね返る波の高さが下がります。反射波が小さくなると、堤防前面での水面の激しい上下が抑えられ、前面の海底の洗掘が起きにくくなります。
消波工が特に有効なのは、波を強く跳ね返しやすい直立型の堤防です。直立型に消波工を組み合わせることで、用地が狭くて済むという長所を保ちながら、反射と越波という弱点を補えます。設置位置は、波を受ける表法の前面であり、堤防の裏側ではありません。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「消波工は、堤防の裏法尻に設けて洗掘を防止する構造である。」は誤りです。消波工は波を受ける表法の前面に設けるものです。基礎工前面の洗掘を防ぐのは根固工です。
「消波工は、堤防の反射波を大きくして砂の堆積を促す。」も誤りです。消波工の目的は反射波を小さくすることであり、反射波が大きくなれば前面の洗掘が進んで堤防の安定が損なわれます。
「消波工は、直立型の堤防には用いられない構造である。」も誤りです。反射が大きくなりやすい直立型こそ、消波工を組み合わせて用いる代表的な形式です。
問73-15

海岸の侵食対策に用いる突堤に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①突堤は、汀線に平行に設けて波の勢いを弱くする構造である。
  • ②突堤群は、漂砂の上手側から順に設置を進めていく。
  • ③突堤は、漂砂を沖へ流し出すことを目的とする構造である。
  • ④突堤は、汀線に直角に設けて沿岸漂砂を捕捉する構造である。
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正解 ④突堤は、汀線に直角に設けて沿岸漂砂を捕捉する構造である。
解説
砂浜の砂は、波が斜めに打ち寄せることで生じる沿岸流に乗り、海岸に沿って一定の方向へ運ばれています。この砂の移動を沿岸漂砂といい、供給される砂より運び去られる砂が多くなると、砂浜がやせて海岸侵食が起こります。
突堤は、この沿岸漂砂の流れを遮って砂を捕まえるための施設です。汀線(波打ち際の線)に対して直角に、陸から沖へ向かって突き出すように設けます。すると漂砂が上手側(砂が流れてくる側)にせき止められて堆積し、その区間の砂浜が保たれます。
ここで注意しなければならないのが、下手側(砂が流れていく側)への影響です。突堤で砂をせき止めると、その先へ供給される砂が減るため、下手側の海岸が新たに侵食されます。この影響をできるだけ小さくするため、突堤群を設ける場合は、侵食区域の下手側から順に上手側へ向かって設置していくのが原則です。上手側から先に造ると、まだ対策のできていない下手側の侵食を一気に進めてしまいます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「突堤は、汀線に平行に設けて波の勢いを弱くする構造である。」は誤りです。汀線と平行に沖側へ設けて波を減衰させるのは離岸堤であり、突堤は汀線に直角に設けます。
「突堤群は、漂砂の上手側から順に設置を進めていく。」も誤りです。上手側から造ると下手側への砂の供給が絶たれて侵食が進むため、下手側から順に設置します。
「突堤は、漂砂を沖へ流し出すことを目的とする構造である。」も誤りです。目的は沿岸漂砂を捕捉して海岸にとどめることであり、沖へ流し出すことではありません。
問83-15

海岸の離岸堤に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①離岸堤は、汀線に直角に設けて漂砂を捕捉する構造である。
  • ②離岸堤は、汀線から離れた沖に汀線と平行して設置される。
  • ③離岸堤の設置は、侵食区域の上手側から着手していく。
  • ④離岸堤の背後では、砂が流出して汀線が後退していく。
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正解 ②離岸堤は、汀線から離れた沖に汀線と平行して設置される。
解説
離岸堤は、汀線から沖へ離れた位置に、汀線と平行に築く堤です。捨石や異形コンクリートブロックを積み上げて造ります。
働きは二段構えです。まず、沖から来る波が離岸堤にぶつかって砕け、エネルギーを失います。すると離岸堤の背後(陸側)は波が穏やかな区域になり、そこでは砂を運ぶ力が弱まるため、運ばれてきた砂がたまります。堆積が進むと、砂浜が沖へ向かって舌状に伸び、やがて離岸堤とつながることもあります。この地形をトンボロ(陸けい砂州)といいます。つまり離岸堤の背後では、砂が流出するのではなく堆積して汀線が前進します。
設置の順序には注意が必要です。離岸堤も突堤と同じく漂砂の移動を変えるため、上手側から造ると、その先の下手側への砂の供給が減って新たな侵食を招きます。したがって、侵食区域の下手側から着手し、順次上手側へ延ばしていくのが原則です。
なお、天端を水面下に沈めて景観への影響を抑えた形式が潜堤・人工リーフで、考え方は離岸堤と同じく沖で波を砕かせることにあります。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「離岸堤は、汀線に直角に設けて漂砂を捕捉する構造である。」は誤りです。汀線に直角に設けるのは突堤で、離岸堤は汀線と平行に沖側へ設けます。
「離岸堤の設置は、侵食区域の上手側から着手していく。」も誤りです。上手側から造ると下手側への砂の供給が絶たれるため、下手側から順に設置します。
「離岸堤の背後では、砂が流出して汀線が後退していく。」も逆です。背後は波が穏やかになるため砂が堆積し、汀線は前進してトンボロが形成されることもあります。
問93-15

海岸の侵食対策工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①養浜は、外部から砂を供給して海浜を回復させる工法である。
  • ②人工リーフは、沖側に設けた潜堤で波を砕かせる構造物である。
  • ③ヘッドランドは、砂の供給量を増やすために設ける施設である。
  • ④突堤は、沿岸漂砂を捕捉して汀線の後退を抑える施設である。
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正解 ③ヘッドランドは、砂の供給量を増やすために設ける施設である。
解説
海岸侵食への対策は、大きく二つの考え方に分かれます。一つは、失われた砂そのものを補う方法。もう一つは、砂が動く条件を変えて、その場に砂をとどめる方法です。
ヘッドランド(人工岬)は後者にあたります。海岸線に沿って一定の間隔で、陸から沖へ突き出す岬状の構造物を設け、その間の砂浜を一つの区画として区切ります。区画の中では砂が出入りしにくくなるため、砂浜の形が安定し、汀線の後退が抑えられます。つまりヘッドランドは、沿岸漂砂の移動を制御して砂を区画内にとどめる施設であり、砂の供給量そのものを増やすものではありません。したがって「砂の供給量を増やすために設ける施設である」という記述は誤りです。
砂の量を直接増やすのは養浜です。他の場所から採取した砂やしゅんせつ土砂を海岸へ運んで投入し、やせた砂浜を回復させます。構造物で漂砂を止める方法と違って下手側の海岸に悪影響を与えにくい反面、砂を供給し続けなければ効果が持続しないという性質があります。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「養浜は、外部から砂を供給して海浜を回復させる工法である。」は正しい記述です。不足した砂を直接補うことで、砂浜の幅と波の減衰機能を回復させます。
「人工リーフは、沖側に設けた潜堤で波を砕かせる構造物である。」も正しく、天端を水面下に置くことで景観への影響を抑えつつ、沖合で波を砕いて背後の波を弱めます。
「突堤は、沿岸漂砂を捕捉して汀線の後退を抑える施設である。」も正しい記述で、汀線に直角に設けて漂砂の移動をせき止めます。
問103-15

海岸堤防の形式の選定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①堤防用地に余裕がない場合は、傾斜型が有利な形式となる。
  • ②地盤が比較的軟弱な場合は、傾斜型や混成型が採用される。
  • ③海浜の利用を図る場合は、緩傾斜型が採用されることが多い。
  • ④堤体材料が容易に得られる場合は、傾斜型が有利な形式となる。
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正解 ①堤防用地に余裕がない場合は、傾斜型が有利な形式となる。
解説
海岸堤防の形式選定は、地盤の良否、確保できる用地の広さ、堤体材料の入手しやすさ、海浜の利用の有無という四つの条件を突き合わせて決めます。
ここで押さえるべきなのは、傾斜型と直立型が「用地」と「地盤」について正反対の性格をもつという点です。傾斜型は表法を緩い勾配で築くため、同じ堤高でも底面の幅が大きくなり、必要な用地が広くなります。そのかわり地盤に伝わる応力が小さいので、軟弱な地盤にも対応できます。直立型はその逆で、狭い用地で済むかわりに、狭い底面で堤体を支えるため良好な地盤が必要です。
したがって「堤防用地に余裕がない場合は、傾斜型が有利」という記述は誤りです。用地が限られる場所では、必要な幅の小さい直立型や混成型が選ばれます。背後に市街地が迫っている海岸で直立型が多いのはこのためです。
なお、傾斜型は堤体の体積が大きいため多量の土砂や石材を要します。これらが現地付近で得られる場合には、材料費と運搬費の面で傾斜型が有利になります。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準を定める省令および同解説の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「地盤が比較的軟弱な場合は、傾斜型や混成型が採用される。」は正しい記述です。底面が広く荷重が分散される傾斜型や、下部を捨石マウンドとする混成型は、地盤条件が厳しい場所に適します。
「海浜の利用を図る場合は、緩傾斜型が採用されることが多い。」も正しく、勾配を緩くすることで人が海辺へ下りやすくなり、親水性が高まります。
「堤体材料が容易に得られる場合は、傾斜型が有利な形式となる。」も正しい記述です。堤体量が多い傾斜型は、材料の入手しやすさが経済性を大きく左右します。

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