2026年版・3-11

ダムの型式・基礎処理・転流工の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、ダムの型式・基礎処理・転流工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全950問) 専門土木の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-11

ダムの型式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①重力式コンクリートダムは、アーチ作用で水圧を両岸へ伝える。
  • ②アーチダムは、堤体の自重のみで水圧に抵抗する型式である。
  • ③ロックフィルダムは、堤体の自重と広い底面で水圧に抵抗する。
  • ④アースダムは、堅硬な岩盤がなければ築造できない型式である。
答えと解説を見る
正解 ③ロックフィルダムは、堤体の自重と広い底面で水圧に抵抗する。
解説
ダムの型式は「貯水池の水が堤体を下流へ押す力を、どうやって受け止めるか」の違いで分かれます。ここを押さえると、型式ごとに要求される地形と地質が自然に理解できます。
ロックフィルダムは、岩石や土質材料を台形に高く盛り上げた堤体で、その大きな自重と、底面が非常に広いことによって水圧に抵抗します。底面が広いということは、同じ荷重をより広い面積で地盤に伝えられるということなので、単位面積あたりに地盤が受け持つ力は小さくて済みます。このためフィルダムは、コンクリートダムほど堅硬な岩盤を必要とせず、基礎地盤の条件が比較的緩い地点でも築造できます。堤体材料を現地付近から調達できる点も大きな利点です。
これに対し重力式コンクリートダムは、コンクリート堤体の自重によって滑動と転倒に抵抗します。アーチダムは、堤体をアーチ状に湾曲させ、水圧をアーチの圧縮力に変えて両岸の岩盤へ伝える型式で、そのぶん堤体を薄くできるかわりに、両岸に非常に堅硬な岩盤があり、谷幅が狭いことが条件になります。
(根拠:河川管理施設等構造令のダムに関する規定および土木学会のダム関係基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「重力式コンクリートダムは、アーチ作用で水圧を両岸へ伝える。」は誤りです。アーチ作用で両岸へ力を伝えるのはアーチダムであり、重力式は名前のとおり堤体の重さで抵抗します。
「アーチダムは、堤体の自重のみで水圧に抵抗する型式である。」も誤りで、これは重力式の説明です。アーチダムは自重ではなくアーチ作用が主体であるため、堤体を薄くできます。
「アースダムは、堅硬な岩盤がなければ築造できない型式である。」も誤りです。アースダムは土質材料を主体とする型式で、基礎地盤に対する要求は各型式のなかで最も緩く、岩盤でない地点でも築造できます。
問23-11

ゾーン型フィルダムの堤体に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①中央のコアは、細粒の土質材料を用いて遮水を受け持たせる。
  • ②フィルタは、コアの上下流に置き透水性を下げる役割をもつ。
  • ③ロック材は、堤体の中央部に配置して遮水性を確保している。
  • ④コア材の締固めは、含水比を最適値より乾燥側にして行う。
答えと解説を見る
正解 ①中央のコアは、細粒の土質材料を用いて遮水を受け持たせる。
解説
ゾーン型フィルダムは、役割の違う材料を層状に並べて一つの堤体をつくります。役割は大きく三つで、水を止める、細かい土が流されるのを防ぐ、堤体の形と重さを保つ、です。
中央に置かれるコア(遮水ゾーン)は、粘性土やシルト質の細粒土を用いて水を止める部分です。堤体の中で唯一、遮水を受け持つ場所であり、ここが機能しなくなればダムそのものが成立しません。コアの締固めは、最適含水比よりやや湿潤側で行うのが原則です。乾燥側で締め固めると土の粒子が団粒状に残り、粒子どうしのすき間から水が通りやすくなるためで、湿潤側で締めると粒子が向きをそろえて並び、透水係数が小さくなります。
コアの上下流に接して置かれるのがフィルタ(半透水ゾーン)です。これはコアの細かい粒子が水の流れに乗って外へ流出すること(パイピング)を防ぐ層で、コアより粗く、コアより透水性の高い材料を用います。最も外側のロックゾーンは、岩石材料によって堤体の重量と安定を確保する部分です。
(根拠:フィルダムの設計・施工に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「フィルタは、コアの上下流に置き透水性を下げる役割をもつ。」は目的が誤りです。フィルタの役割はコアの細粒分の流出防止と浸透水の安全な排除であり、透水性はコアより高い材料を用います。
「ロック材は、堤体の中央部に配置して遮水性を確保している。」も誤りです。ロック材は透水性が大きく遮水には使えないため、堤体の外側に配置して重量と安定を受け持たせます。
「コア材の締固めは、含水比を最適値より乾燥側にして行う。」も誤りで、遮水性を高めるためには最適含水比よりやや湿潤側で締め固めます。
問33-11

ダム工事の転流工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①半川締切り方式は、河幅の狭い峡谷部で一般に採用される。
  • ②仮排水トンネル方式は、河川の流量が極端に少ない場合に限る。
  • ③転流工は、本体完成後の放流設備として計画するものである。
  • ④仮排水トンネル方式は、河幅が狭い場合に多く用いられる。
答えと解説を見る
正解 ④仮排水トンネル方式は、河幅が狭い場合に多く用いられる。
解説
ダムは川をせき止める構造物ですが、その工事は川の中で行います。堤体を築くあいだ、流れてくる水をどこかへ逃がしておかなければ工事ができません。この水の逃がし方を計画するのが転流工で、ダム工事の成否と工期を左右する最初の関門です。
方式は大きく三つあります。第一が仮排水トンネル方式で、片方の岸の岩盤にトンネルを掘り、上下流に仮締切りを設けて、河水をトンネルを通して下流へ流します。工事区域全体を完全に水から切り離せるため、堤体の施工が最も自由になります。河幅が狭く両岸が急峻な峡谷部では、川の中に工事用の区画を分けて取れないため、この方式が多く用いられます。
第二が半川締切り方式で、河川の半分ずつを順に締め切って施工します。これは川の中に工事区域と流水部を並べて確保できることが前提なので、河幅が広い地点に向きます。第三が仮排水開水路方式で、地形が緩やかで河岸に水路を設けられる場合に用いられます。
(根拠:ダムの施工に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「半川締切り方式は、河幅の狭い峡谷部で一般に採用される。」は条件が逆です。半川締切りは川を左右に分けて交互に施工する方式なので、その余地のある河幅の広い地点で採用されます。
「仮排水トンネル方式は、河川の流量が極端に少ない場合に限る。」も誤りです。トンネルの断面は工事期間中に想定される洪水流量に対して設計するもので、流量が少ない場合に限られる方式ではありません。
「転流工は、本体完成後の放流設備として計画するものである。」も誤りです。転流工は工事期間中だけ河水を迂回させる仮設備であり、完成後の放流設備とは目的も設計条件も異なります。
問43-11

コンクリートダムの基礎掘削に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①掘削は、仕上げ面まで大発破で一気に掘り下げるのが原則である。
  • ②仕上げ面近くでは、岩盤を緩めないよう発破の影響を小さくする。
  • ③基礎岩盤は、風化した表層を残したまま堤体を打ち込んでもよい。
  • ④掘削は、下部から上部へ向かって順に段を切り上げて進める。
答えと解説を見る
正解 ②仕上げ面近くでは、岩盤を緩めないよう発破の影響を小さくする。
解説
コンクリートダムは、堤体の重さをそのまま基礎岩盤に預ける構造物です。したがって基礎掘削の目的は、単に土砂をどけることではなく、堤体を支えるのにふさわしい新鮮で堅硬な岩盤を、傷つけずに露出させることにあります。
ここで問題になるのが発破です。発破は硬い岩盤を効率よく掘る有効な手段ですが、爆発の衝撃は掘り取った範囲の外側の岩盤にも及び、割れ目を広げて岩盤を緩めます。せっかく良質な支持層に達しても、その表面が発破で緩んでいれば、支持力も止水性も設計どおりになりません。そこで仕上げ面に近づいたら、一度に使う火薬量を減らして小分けに発破する、あらかじめ仕上げ面に沿って列状の孔をあけて割れ目をつくっておく(プレスプリッティング)、最後の層は機械や人力でていねいに取り除く、といった方法で影響を抑えます。
掘削の進め方は、上の段から下へ向かって階段状に切り下げるベンチカット工法が一般的です。露出させた岩盤面は、風化した部分や浮石を確実に取り除き、湧水があれば処理してからコンクリートの打込みに移ります。
(根拠:ダムの基礎掘削に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削は、仕上げ面まで大発破で一気に掘り下げるのが原則である。」は誤りです。仕上げ面まで大発破を続けると基礎岩盤が広い範囲で緩み、支持力と遮水性が低下します。
「基礎岩盤は、風化した表層を残したまま堤体を打ち込んでもよい。」も誤りです。風化部は強度が小さく透水性も大きいため、必ず除去して新鮮な岩盤を露出させます。
「掘削は、下部から上部へ向かって順に段を切り上げて進める。」も誤りです。掘削は上部から下部へ階段状に切り下げるベンチカット工法で進めるのが一般的です。
問53-11

コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①基礎岩盤の深部に、幕状に注入して浸透流を抑える目的で行う。
  • ②堤体コンクリートの打継目に注入し、一体化を図る目的で行う。
  • ③基礎岩盤の浅い部分を改良し、変形性と遮水性を高めるために行う。
  • ④コアの着岩部の下に行い、遮水ゾーンの浸透流を抑えるために行う。
答えと解説を見る
正解 ③基礎岩盤の浅い部分を改良し、変形性と遮水性を高めるために行う。
解説
グラウチングとは、岩盤に孔をあけてセメントミルクなどの注入材を圧入し、岩盤の割れ目を埋めて性質を改良する基礎処理のことです。目的の違いによっていくつかの種類に分かれるので、「どこを、何のために改良するのか」で整理すると混同しません。
コンソリデーションという語は「固結させる」という意味で、この名のとおりコンソリデーショングラウチングは、堤敷の下にある基礎岩盤の浅い部分を対象に、割れ目を注入材で埋めて岩盤を固め、一体化させる処理です。目的は二つあり、一つは岩盤の変形性の改良、すなわち堤体の荷重を受けたときに岩盤が不均一に沈み込むのを防ぐこと、もう一つは浅部の遮水性の改良です。堤体の上流側の端部(ヒール部)付近では浸透水の圧力が高くなるため、この部分を重点的に改良します。
これに対し、基礎岩盤の深部まで一列の幕をつくって貯水池からの浸透流そのものを抑えるのがカーテングラウチングです。両者は深さも目的も違う、と押さえてください。
(根拠:ダムの基礎処理(グラウチング)に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「基礎岩盤の深部に、幕状に注入して浸透流を抑える目的で行う。」はカーテングラウチングの説明です。深部に幕状の改良ゾーンをつくって浸透流を遮る処理であり、浅部を固めるコンソリデーションとは対象範囲が異なります。
「堤体コンクリートの打継目に注入し、一体化を図る目的で行う。」も誤りです。グラウチングはあくまで基礎岩盤を対象とする処理であり、堤体のブロック間の継目に注入するのはジョイントグラウチングと呼ばれる別の作業です。
「コアの着岩部の下に行い、遮水ゾーンの浸透流を抑えるために行う。」はフィルダムで行うブランケットグラウチングの説明であり、コンクリートダムのコンソリデーションとは対象が異なります。
問63-11

ダムの基礎処理におけるカーテングラウチングに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①基礎岩盤に幕状の改良部をつくり、浸透流を抑えるために行う。
  • ②基礎排水孔よりも下流側に、一列に配置することが原則である。
  • ③注入は、高い圧力から始めて順に低い圧力へ下げていく。
  • ④堤敷の浅い部分だけを対象とし、深部の岩盤は対象としない。
答えと解説を見る
正解 ①基礎岩盤に幕状の改良部をつくり、浸透流を抑えるために行う。
解説
ダムができると、上流側の貯水池の水位と下流側の水位に大きな差が生まれます。この水位差は、堤体を越えるだけでなく、基礎岩盤の割れ目を通って下流へ抜けようとする流れも生みます。この浸透流を放置すると、水が岩盤の細かい物質を運び去って空洞をつくり、やがて基礎の破壊につながります。また基礎岩盤内の水圧(揚圧力)が上がって堤体を持ち上げる力となり、安定を損ないます。
カーテングラウチングは、この浸透流を抑えるための処理です。堤体の上流側寄りに沿って注入孔を一列に並べ、基礎岩盤の深部まで注入材を圧入して、地中に幕(カーテン)のような改良ゾーンをつくります。水の通り道である割れ目をあらかじめふさぐことで、浸透流の量を減らし、揚圧力を下げます。
配置で重要なのは、基礎排水孔との位置関係です。基礎排水孔は、それでも浸透してくる水を集めて排除し揚圧力を下げるための孔なので、まずカーテンでせき止め、その下流側で排水するという順になります。したがってカーテンは基礎排水孔の上流側に配置します。
(根拠:ダムの基礎処理(グラウチング)に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「基礎排水孔よりも下流側に、一列に配置することが原則である。」は位置関係が逆です。上流から来る浸透流をまず遮り、それでも通ってきた水を下流側の排水孔で処理するため、カーテンは排水孔の上流側に置きます。
「注入は、高い圧力から始めて順に低い圧力へ下げていく。」も誤りです。いきなり高圧をかけると岩盤を割り広げたり地表を持ち上げたりするおそれがあるため、低い圧力から始めて段階的に高めていきます。
「堤敷の浅い部分だけを対象とし、深部の岩盤は対象としない。」も誤りで、浅部を対象とするのはコンソリデーショングラウチングです。カーテンは深部まで達する改良ゾーンをつくります。
問73-11

フィルダムの基礎処理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ブランケットグラウチングは、ロックゾーンの下の岩盤を対象とする。
  • ②カーテングラウチングは、フィルダムでは行わないのが通例だ。
  • ③基礎地盤は、コンクリートダムより堅硬な岩盤が必要となる。
  • ④ブランケットグラウチングは、コア着岩部の浅部の遮水性を高める。
答えと解説を見る
正解 ④ブランケットグラウチングは、コア着岩部の浅部の遮水性を高める。
解説
フィルダムでは、堤体の中で水を止めているのは中央のコア(遮水ゾーン)だけです。したがって、コアが岩盤に接している部分、すなわち着岩部が最も弱点になりやすい場所になります。ここに岩盤の割れ目が残っていると、コアの下をくぐるように水が浸透し、コアの細粒分を洗い流してしまいます。
ブランケットグラウチングは、このコア着岩部の直下の基礎岩盤の浅い部分を対象に、格子状に注入孔を配置して注入材を圧入し、遮水性を高める処理です。名前のとおり、コアの下に毛布(ブランケット)を敷くように面的に改良するのが特徴で、コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングに相当する位置づけの処理といえます。
これに加えて、フィルダムでも基礎岩盤の深部にはカーテングラウチングを行い、浸透流そのものを抑えます。浅部を面で固めるブランケットと、深部を線で遮るカーテンを組み合わせるのが基本形だと理解してください。
なお、フィルダムは底面が広く単位面積あたりの荷重が小さいため、基礎地盤に求められる強度はコンクリートダムより低くて済みます。
(根拠:フィルダムの基礎処理に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ブランケットグラウチングは、ロックゾーンの下の岩盤を対象とする。」は場所が誤りです。ロックゾーンは遮水を受け持たないため、その下の岩盤の遮水性を高めても浸透流を止める効果は期待できません。対象はコア着岩部の直下です。
「カーテングラウチングは、フィルダムでは行わないのが通例だ。」も誤りです。基礎岩盤深部の浸透流対策はフィルダムでも必要であり、カーテングラウチングは同様に行われます。
「基礎地盤は、コンクリートダムより堅硬な岩盤が必要となる。」も誤りで、底面が広く荷重が分散されるフィルダムは、基礎地盤への要求がコンクリートダムより緩やかです。
問83-11

グラウチングの施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①注入孔は、間隔を詰めずに最終間隔で一度に配置して施工する。
  • ②注入孔は、粗い間隔から順に中間を追加して間隔を詰めていく。
  • ③注入材の濃度は、濃いものから始めて順に薄いものへ変えていく。
  • ④改良効果の確認は、注入直後に湧水の目視で行えば足りる。
答えと解説を見る
正解 ②注入孔は、粗い間隔から順に中間を追加して間隔を詰めていく。
解説
グラウチングは、地中の見えない割れ目を相手にする作業です。どこにどれだけ割れ目があるかは掘ってみないと分からないため、施工そのものを調査と一体で進める点に特徴があります。
そこで用いるのが、孔の間隔を段階的に詰めていく方法です。まず粗い間隔で一次孔を配置して注入し、その結果(どれだけ注入材が入ったか、圧力がどう変化したか)を見ながら、一次孔と一次孔の中間に二次孔を追加します。さらに必要があれば三次孔を中間に加える、というように、改良が足りない範囲だけを重点的に詰めていきます。この進め方なら、必要のない場所まで密に注入する無駄を避けつつ、必要な範囲は確実に改良できます。
注入材の濃度と圧力にも順序があります。濃度は薄いものから始めて、注入量の変化を見ながら順に濃くしていきます。最初から濃いものを入れると細い割れ目の入口が詰まり、奥まで届かなくなるためです。圧力も同じ考え方で、低圧から始めて段階的に高めます。
改良の効果は、注入が終わったあとにチェック孔を掘って透水試験を行い、目標とする遮水性に達しているかを数値で確認します。
(根拠:ダムの基礎処理(グラウチング)に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「注入孔は、間隔を詰めずに最終間隔で一度に配置して施工する。」は誤りです。一度に密な孔を配置すると、注入の必要がない範囲まで施工することになり不経済であるうえ、改良状況を確かめながら範囲を絞る手順が取れません。
「注入材の濃度は、濃いものから始めて順に薄いものへ変えていく。」も逆です。薄いものから始めて徐々に濃くするのが原則で、そうしないと細い割れ目の奥まで注入材が行き渡りません。
「改良効果の確認は、注入直後に湧水の目視で行えば足りる。」も誤りです。効果の判定はチェック孔による透水試験で行い、目標値と照らして数量的に確認します。
問93-11

ダムの型式の選定と基礎地盤の条件に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①アーチダムは、両岸の岩盤が堅硬で谷幅の狭い地点に適している。
  • ②重力式コンクリートダムは、堤体の自重で水圧に抵抗する型式だ。
  • ③フィルダムは、コンクリートダムより高い基礎地盤の強度を要する。
  • ④フィルダムは、堤体材料を現地付近から得やすい地点に適している。
答えと解説を見る
正解 ③フィルダムは、コンクリートダムより高い基礎地盤の強度を要する。
解説
ダムの型式は、地形、地質、材料の入手しやすさ、経済性を総合して決めます。なかでも決め手になるのが「基礎地盤がどれだけの応力を受け持てるか」です。
コンクリートダムは、比重の大きいコンクリートを高く積み上げ、しかも底面の幅は堤高に比べて限られています。その結果、基礎岩盤に伝わる単位面積あたりの応力が大きくなり、新鮮で堅硬な岩盤が不可欠になります。とくにアーチダムは、水圧の大部分をアーチ作用で両岸の岩盤へ押し付ける形で伝えるため、両岸に強固な岩盤があり、かつ谷幅が狭いことが条件です。
一方フィルダムは、緩い勾配で台形に広く盛り立てるため、底面積が非常に大きくなります。同じ高さのダムでも、荷重を受け持つ面積が広いぶん、地盤の単位面積あたりの応力ははるかに小さく済みます。したがって基礎地盤に求められる強度はコンクリートダムより低く、岩盤の条件がよくない地点でも成立します。したがって「フィルダムは、コンクリートダムより高い基礎地盤の強度を要する」という記述は、この関係を逆にしており誤りです。
(根拠:ダムの設計に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「アーチダムは、両岸の岩盤が堅硬で谷幅の狭い地点に適している。」は正しい記述です。水圧をアーチの圧縮力として両岸に伝えるため、それを受け止める岩盤の強度と、アーチが成立する谷幅が条件になります。
「重力式コンクリートダムは、堤体の自重で水圧に抵抗する型式だ。」も正しく、滑動と転倒に対する安定を自重で確保する型式です。
「フィルダムは、堤体材料を現地付近から得やすい地点に適している。」も正しい記述です。堤体量が大きく材料の運搬費が全体の費用を左右するため、良質な土質材料や岩石材料が近くで得られることが選定の重要な条件になります。
問103-11

ダム工事の転流工と仮締切りに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①転流工の断面は、平水時の河川流量だけを対象として決定する。
  • ②半川締切り方式は、河幅が広い場合に採用されることが多い。
  • ③仮排水トンネルは、洪水時にも堤体の施工を続けられる利点がある。
  • ④仮締切りは、転流後の締切り区域を乾燥状態に保つために設ける。
答えと解説を見る
正解 ①転流工の断面は、平水時の河川流量だけを対象として決定する。
解説
転流工は、堤体を築いているあいだ河水を工事区域の外へ逃がしておくための仮設備です。仮設備とはいえ、ダム工事は数年に及ぶため、その間に必ず出水期をまたぎます。したがって断面の決定にあたっては、ふだんの流量ではなく、工事期間中に生じうる洪水の規模を確率的に評価し、それに見合った流下能力を確保しなければなりません。平水時の流量だけを対象に決めると、出水のたびに工事区域が冠水し、仮締切りが破られて工事中の堤体や機械設備が流失する事故につながります。したがって「平水時の流量だけを対象として決定する」という記述は誤りです。
ただし、どんな洪水にも耐える規模にすれば安全ですが、仮設備に費用をかけすぎては全体が不経済になります。そこで実際には、想定する洪水の規模を工期・工費・被害の大きさとの兼ね合いで設定し、それを超える出水時には堤体の一部を越流させるなどの対応をあらかじめ計画しておきます。
仮締切りは、転流したあとの工事区域へ河水や地下水が入り込まないよう上下流に設ける仮設の堤で、区域を乾燥状態に保ち、基礎掘削や堤体打設を可能にします。
(根拠:ダムの施工計画に関する土木学会等の基準の記載によります)

他の選択肢が不適切な理由
「半川締切り方式は、河幅が広い場合に採用されることが多い。」は正しい記述です。河川を左右に分け、片側を締め切って施工しながら残り半分に流水を通すため、その余地のある広い河幅が前提になります。
「仮排水トンネルは、洪水時にも堤体の施工を続けられる利点がある。」も正しく、河水を工事区域から完全に切り離せるため、施工の自由度と安全性が高くなります。
「仮締切りは、転流後の締切り区域を乾燥状態に保つために設ける。」も正しく、上流仮締切りと下流仮締切りによって工事区域を水から隔離します。

1級土木施工管理技士の対策問題(全950問)に戻る

※本ページは非公式の資格試験対策ページであり、一般財団法人 全国建設研修センターおよびその他の主催団体とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】