2026年版・3-1

鋼材の性質と鋼橋の架設工法の一問一答

1級土木施工管理技士「専門土木」から、鋼材の性質と鋼橋の架設工法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-1

鋼材の力学的性質に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ヤング係数は、鋼材の引張強さが大きいものほど大きくなる。
  • ②ヤング係数は、鋼種にかかわらずほぼ一定の値とみなせる。
  • ③軟鋼の引張試験では、降伏点が現れずに破断に至る。
  • ④弾性域では、ひずみは応力に反比例して大きくなる。
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正解 ②ヤング係数は、鋼種にかかわらずほぼ一定の値とみなせる。
解説
ヤング係数(弾性係数)は、材料の「引っ張ったときの伸びにくさ」を表す値で、応力をひずみで割って求めます。鋼の場合はおよそ200kN/mm²で、普通鋼でも高張力鋼でも、この値はほとんど変わりません。
これは意外に思われるところですが、強度(どこまで耐えられるか)と剛性(どれだけ変形しにくいか)は別の性質だからです。強い鋼に取り替えても、同じ荷重に対するたわみはほぼ同じで、変わるのは壊れるまでの余裕のほうです。したがって、たわみを減らしたい場合は材料を強くするのではなく、断面を大きくする(断面二次モーメントを増やす)必要があります。
また軟鋼の引張試験では、応力とひずみが比例する弾性域を過ぎたところで、応力がほとんど増えないのにひずみだけが進む降伏という現象がはっきり現れます。これが上降伏点・下降伏点で、その後さらに応力が上がって引張強さに達し、くびれを生じて破断します。
(根拠:日本産業規格 JIS Z 2241「金属材料引張試験方法」および鋼構造の一般的な材料性質によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ヤング係数は、鋼材の引張強さが大きいものほど大きくなる。」は誤りで、引張強さとヤング係数は独立した性質です。
「軟鋼の引張試験では、降伏点が現れずに破断に至る。」も誤りで、軟鋼では降伏点が明瞭に現れます。降伏点が明瞭でないのは高張力鋼などで、その場合は0.2%耐力を用います。
「弾性域では、ひずみは応力に反比例して大きくなる。」も誤りで、弾性域ではひずみは応力に比例します(フックの法則)。
問23-1

鋼材の炭素含有量が増加した場合の性質の変化に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①引張強さは低下し、伸びは大きくなる。
  • ②溶接性は向上し、じん性も高くなる。
  • ③硬さは低下し、加工性が悪くなる。
  • ④引張強さは増加し、伸びは小さくなる。
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正解 ④引張強さは増加し、伸びは小さくなる。
解説
鋼は鉄と炭素の合金であり、含まれる炭素の量が性質を大きく左右します。炭素が増えると鋼は硬く強くなりますが、そのぶん粘り強さが失われ、伸びにくく、割れやすくなります。
身近な例でいえば、よく伸びる針金と、硬くて曲げるとパキッと折れる刃物の違いです。炭素が少ない軟鋼は変形しやすい代わりに粘り強く、炭素が多い硬鋼は強い代わりにもろくなります。土木構造物の主要部材に低炭素鋼が使われるのは、地震などで大きな力を受けたときに、いきなり折れるのではなく変形して力を逃がす性質(じん性)が必要だからです。
さらに炭素量が多い鋼は溶接性が悪くなります。溶接した部分が急冷されて硬く硬化し、割れが生じやすくなるためです。そのため溶接構造用の鋼材では炭素量が抑えられており、溶接性の指標として炭素当量が用いられます。一方、高い強度が要求されるPC鋼材やワイヤーロープには、炭素量の多い硬鋼が用いられます。
(根拠:日本産業規格 JIS G 3106「溶接構造用圧延鋼材」等の鋼材規格の考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「引張強さは低下し、伸びは大きくなる。」は変化の向きがすべて逆で、炭素が増えれば強さは増し伸びは減ります。
「溶接性は向上し、じん性も高くなる。」も誤りで、炭素量が増えると溶接部が硬化して割れやすくなり、じん性も低下します。
「硬さは低下し、加工性が悪くなる。」も誤りで、炭素が増えれば硬さは増加します。加工性が悪くなる点だけは正しいものの、硬さの記述が誤っています。
問33-1

耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①緻密なさび層が表面を覆い、腐食の進行を抑える鋼材である。
  • ②飛来塩分の多い海岸部でも、無塗装で使用できる鋼材である。
  • ③炭素を多く加えることで、耐食性を高めた鋼材のことである。
  • ④さびを完全に生じさせない目的で、亜鉛めっきした鋼材である。
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正解 ①緻密なさび層が表面を覆い、腐食の進行を抑える鋼材である。
解説
耐候性鋼材は、銅・クロム・ニッケル・りんなどを少量加えた鋼で、表面に緻密で密着性の高いさび層(安定さび)をつくらせ、それ以上さびが内部へ進まないようにする鋼材です。
普通の鋼のさびは粗く、はがれながら次々と内部へ進みますが、耐候性鋼材のさびは細かく緻密で、内部を保護する膜として働きます。さびを防ぐのではなく、良質のさびで守るという発想の材料です。塗装をしなくても長期間使えるため、塗替え費用を大きく減らせるという利点があり、橋梁の主桁などに用いられます。
ただし万能ではありません。緻密なさび層が形成されるには、乾湿が適度に繰り返される環境が必要です。飛来塩分が多い海岸部や、凍結防止剤が多量に散布される箇所、常時湿潤で乾かない箇所では、安定さびが形成されず腐食が進むため、無塗装での使用は適しません。使用にあたっては飛来塩分量の調査が行われます。
(根拠:日本産業規格 JIS G 3114「溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材」の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「飛来塩分の多い海岸部でも、無塗装で使用できる鋼材である。」は誤りで、塩分が多い環境では安定さびが形成されず適用できません。
「炭素を多く加えることで、耐食性を高めた鋼材のことである。」も誤りで、耐候性は炭素ではなく銅・クロム・ニッケル等の添加によるものです。
「さびを完全に生じさせない目的で、亜鉛めっきした鋼材である。」も誤りで、これは溶融亜鉛めっき鋼材の説明であり、耐候性鋼材はむしろさびを積極的に利用します。
問43-1

鋼構造物の疲労に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①疲労破壊は、降伏点を超える大きな荷重が1回加わると生じる。
  • ②溶接部の余盛を平滑に仕上げると、疲労強度は大きく低下する。
  • ③降伏点以下の応力でも、繰返し荷重により破壊に至ることがある。
  • ④疲労の影響は、応力の繰返し回数とは関係なく決まるものである。
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正解 ③降伏点以下の応力でも、繰返し荷重により破壊に至ることがある。
解説
疲労とは、材料が壊れないはずの小さな力でも、何度も繰り返し受けるうちに少しずつ傷(き裂)が育ち、最後に破断してしまう現象です。針金を同じ場所で何度も曲げ伸ばしすると折れるのと同じ理屈です。
ここで重要なのは、疲労破壊は降伏点よりはるかに低い応力でも起こりうるという点です。一度の載荷で壊れないことを確かめる強度の照査とは別に、繰返し回数を前提とした疲労の照査が必要になります。道路橋では大型車の通行、鉄道橋では列車の通過が繰返し荷重の主な原因です。
疲労き裂は、応力が局所的に集中する場所から発生します。特に溶接部は形状が急変し、内部欠陥も生じやすいため弱点になります。そこで、溶接の余盛(盛り上がった部分)をグラインダーで滑らかに削って形状の急変をなくす、突合せ溶接として断面の急変を避ける、といった対策で疲労強度を高めます。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の疲労設計に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「疲労破壊は、降伏点を超える大きな荷重が1回加わると生じる。」は誤りで、それは疲労ではなく静的な破壊の説明です。
「溶接部の余盛を平滑に仕上げると、疲労強度は大きく低下する。」は逆で、平滑に仕上げると応力集中が緩和され疲労強度は向上します。
「疲労の影響は、応力の繰返し回数とは関係なく決まるものである。」も誤りで、疲労寿命は応力の大きさと繰返し回数の組合せで決まります。
問53-1

鋼材の種類とその一般的な用途の組合せとして、適当でないものはどれか。

  • ①低炭素鋼 ---- 橋梁の主桁や床版などの一般構造用材
  • ②軟鋼線材 ---- プレストレストコンクリートの緊張材
  • ③耐候性鋼材 ---- 無塗装で用いる橋梁の主要な部材
  • ④鋳鉄 ---- マンホールのふたなど圧縮を受ける部材
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正解 ②軟鋼線材 ---- プレストレストコンクリートの緊張材
解説
鋼材は、必要とされる性質によって使い分けられます。ここで押さえるべきは、粘り強さが欲しい部材には炭素の少ない鋼を、非常に高い引張強さが欲しい部材には炭素の多い鋼を使う、という原則です。
プレストレストコンクリート(PC)は、あらかじめコンクリートに強い圧縮力を与えておく構造で、そのために鋼材を大きな力で引っ張って緊張させます。したがって緊張材には、きわめて高い引張強さが求められ、炭素量の多い硬鋼線を用いたPC鋼線・PC鋼より線・PC鋼棒が使われます。炭素が少なく強度の低い軟鋼線材では、必要な緊張力を導入できないうえ、時間とともに緊張力が失われてしまいます。軟鋼線材は、鉄線やくぎ、結束線など、強度をあまり要求されない用途に用いられる材料です。
一方、橋梁の主桁のように地震時に変形して力を逃がす必要がある部材には、粘り強い低炭素鋼が用いられます。
(根拠:日本産業規格 JIS G 3536「PC鋼線及びPC鋼より線」等の鋼材規格によります)

他の選択肢が不適切な理由
「低炭素鋼 ---- 橋梁の主桁や床版などの一般構造用材」は正しく、溶接性とじん性に優れるため一般構造用として広く使われます。
「耐候性鋼材 ---- 無塗装で用いる橋梁の主要な部材」も正しく、緻密なさび層により無塗装での使用を可能にした鋼材です。
「鋳鉄 ---- マンホールのふたなど圧縮を受ける部材」も正しく、鋳鉄は引張には弱いものの圧縮に強く、鋳造で複雑な形状をつくれます。
問63-1

鋼橋のベント式架設工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①深い谷や河川など、桁下が利用できない場所に適している。
  • ②架設地点の後方で桁を組み立て、前方へ押し出して架設する。
  • ③桁下に仮の支柱を設け、クレーンで部材を吊り上げて架設する。
  • ④台船に載せた大型クレーンで、桁を一括して吊り込み架設する。
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正解 ③桁下に仮の支柱を設け、クレーンで部材を吊り上げて架設する。
解説
鋼橋の架設工法は、「桁の下が使えるかどうか」で大きく分かれます。ベント式架設工法は、桁の下に仮の支柱であるベントを組み立て、その上に部材を仮受けしながら、自走式クレーンなどで順に吊り上げて組み立てていく工法です。
部材を仮受けする点が確保できるため、架設中の桁に無理な力がかからず、精度の管理もしやすく、最も一般的で経済的な工法とされます。ただし、これが成り立つのは桁下が平坦で、ベントを建てられる地盤があり、クレーンが進入できる場合に限られます。深い谷、水深のある河川、供用中の道路や鉄道の上では、ベントを建てられないため他の工法を選ぶことになります。
ベント自体も仮設構造物ですから、架設中の桁の重さや風荷重に耐えるよう支持力を検討し、基礎の沈下対策も必要です。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の架設に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「深い谷や河川など、桁下が利用できない場所に適している。」は誤りで、桁下が利用できない場合こそベントを建てられません。
「架設地点の後方で桁を組み立て、前方へ押し出して架設する。」は送出し(引出し)工法の説明です。
「台船に載せた大型クレーンで、桁を一括して吊り込み架設する。」はフローティングクレーンによる一括架設の説明であり、いずれも別の工法です。
問73-1

鋼橋の片持ち式(張出し)架設工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①既に架設した桁から順に張り出して、部材を継ぎ足していく。
  • ②桁下全体にベントを組み、その上で部材を組み立てていく。
  • ③海上でクレーン船を用い、大ブロックを一括して据え付ける。
  • ④地上で組み立てた桁を、手延べ機を用いて前方へ送り出す。
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正解 ①既に架設した桁から順に張り出して、部材を継ぎ足していく。
解説
片持ち式架設工法は、すでに架け終わった桁を足場代わりにして、その先端から次の部材を張り出すように継ぎ足していく工法です。橋の上に載せたトラベラークレーンで部材を吊り上げ、継手をつないでは前へ進む、という作業を繰り返します。
この工法の最大の利点は、桁の下に何も置かなくてよいことです。深い谷、水深のある河川、供用中の道路や鉄道の上など、ベントを建てられない場所で威力を発揮します。トラス橋や連続桁橋でよく用いられます。
注意すべきなのは、架設中の力の流れが完成した橋とはまったく違うという点です。張り出している間、桁は片持ちばりとして働くため、支点付近に完成時よりはるかに大きな曲げモーメントが生じます。そのため各段階での応力と変形を確認し、必要に応じて仮のケーブルや控えで支えるといった検討が欠かせません。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の架設に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「桁下全体にベントを組み、その上で部材を組み立てていく。」はベント式架設工法の説明です。
「海上でクレーン船を用い、大ブロックを一括して据え付ける。」はフローティングクレーンによる一括架設の説明です。
「地上で組み立てた桁を、手延べ機を用いて前方へ送り出す。」は送出し工法の説明であり、いずれも桁下や周囲の条件が異なる別の工法です。
問83-1

鋼橋の送出し(引出し)工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①交通量の多い道路や鉄道をまたぐ場合に適した工法である。
  • ②桁の先端に手延べ機を取り付けて、たわみを小さくする。
  • ③送り出し中の桁には、完成時と異なる断面力が生じる。
  • ④手延べ機は、送出し完了後にそのまま主桁として利用する。
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正解 ④手延べ機は、送出し完了後にそのまま主桁として利用する。
解説
送出し工法は、橋を架ける場所の後方(すでに完成した橋台や作業ヤード)で桁を組み立て、それを前方へ押し出して所定の位置に据える工法です。桁の下を長時間ふさげない、交通量の多い道路や鉄道をまたぐ場合に適しています。
ここで使われる手延べ機(送出し用の仮設部材)は、桁の先端に取り付ける軽量な鋼製の仮設構造物です。桁だけを送り出すと、先端が支点に届く前に自重で大きくたわみ、支点に乗り上げられなくなります。そこで先に軽い手延べ機を突き出して支点に到達させ、桁本体のたわみと曲げモーメントを小さく抑えます。あくまで仮設材ですから、送出しが完了して桁が所定の位置に据えられたあとは取り外して撤去します。主桁として残すことはありません。
また送出し中は、桁の支持位置が刻々と変わるため、各段階で断面力が完成時とは大きく異なります。全過程について応力の照査が必要です。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の架設に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「交通量の多い道路や鉄道をまたぐ場合に適した工法である。」は正しく、桁下の占用を最小限にできるのがこの工法の利点です。
「桁の先端に手延べ機を取り付けて、たわみを小さくする。」も正しく、手延べ機の役割そのものです。
「送り出し中の桁には、完成時と異なる断面力が生じる。」も正しく、支持条件が変化するため各段階の照査が必要になります。
問93-1

鋼橋の架設工法と、その工法が選定される現場条件の組合せとして、適当でないものはどれか。

  • ①ケーブルクレーン架設 ---- 深い谷でベントが設置できない現場
  • ②フローティングクレーン架設 ---- 山間部の狭い作業帯の現場
  • ③ベント式架設 ---- 桁下が平坦で自走クレーンが使える現場
  • ④送出し工法 ---- 供用中の鉄道をまたいで架設する現場
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正解 ②フローティングクレーン架設 ---- 山間部の狭い作業帯の現場
解説
架設工法の選定は、現場の地形・水域の有無・桁下の使用可否・交通への影響という条件から決まります。工法名と条件を機械的に暗記するのではなく、「その道具がその場所で使えるか」を考えると確実です。
フローティングクレーン(起重機船)は、大型クレーンを船に載せたものです。したがって使えるのは、船が入れる十分な水深と広さのある海上や大河川に限られます。地組みした大ブロックを一括して吊り込めるため、架設期間を大幅に短縮できるのが利点ですが、山間部の狭い作業帯には船を持ち込めないため、この組合せは成り立ちません。
山間部の深い谷では、両岸に鉄塔を建ててケーブルを張り渡し、そこから部材を吊り下ろすケーブルクレーン架設や、桁の先端から張り出していく片持ち式架設が選ばれます。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の架設に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ケーブルクレーン架設 ---- 深い谷でベントが設置できない現場」は正しい組合せで、谷底に支柱を建てられない場合の代表的な工法です。
「ベント式架設 ---- 桁下が平坦で自走クレーンが使える現場」も正しく、ベントを建てられる条件がそろう場合に最も一般的で経済的な工法です。
「送出し工法 ---- 供用中の鉄道をまたいで架設する現場」も正しく、桁下の占用時間を短くできるため鉄道や幹線道路の上越しで用いられます。
問103-1

鋼橋の架設に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①架設中の各段階について、部材の応力と変形を検討しておく。
  • ②支承の据付け精度は、完成後の橋の挙動に大きく影響する。
  • ③主桁は、たわみを見込まず設計上の形状どおりに製作する。
  • ④架設用の仮設備は、風荷重や施工時荷重を考慮して計画する。
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正解 ③主桁は、たわみを見込まず設計上の形状どおりに製作する。
解説
橋の桁は、架設が終わって床版やアスファルト舗装が載ると、自重によって下向きにたわみます。もし設計図どおりのまっすぐな形で製作してしまうと、完成した橋は路面が中央でへこんだ状態になり、走行性も見た目も悪くなります。
そこで、あらかじめたわむ量を見込んで、上向きにそらせた形状で桁を製作します。このそりをキャンバー(そり)といい、荷重が載ったときにちょうど計画した路面形状になるよう調整するためのものです。したがって「たわみを見込まず設計上の形状どおりに製作する」という記述は誤りです。
また支承は、桁の重さを下部構造に伝えるとともに、温度変化による桁の伸縮や回転を受け持つ重要な部材です。据付け位置や高さがずれると、想定外の力が桁や橋脚に生じたり、可動支承が動かなくなったりします。据付け時の気温によって可動支承のセット位置を調整するのも、このためです。
(根拠:道路橋示方書・同解説 Ⅱ鋼橋・鋼部材編(日本道路協会)の製作および架設に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「架設中の各段階について、部材の応力と変形を検討しておく。」は正しく、架設途中の支持条件は完成時と異なるため必須の検討です。
「支承の据付け精度は、完成後の橋の挙動に大きく影響する。」も正しく、支承の据付け誤差は上部構造・下部構造の双方に影響します。
「架設用の仮設備は、風荷重や施工時荷重を考慮して計画する。」も正しく、ベントや吊り設備も構造物として安全性を確認する必要があります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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