2026年版・2-6

土留め工と掘削の施工の一問一答

1級土木施工管理技士「土木一般」から、土留め工と掘削の施工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-6

土留め壁の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①親杭横矢板壁は、地下水位が高く遮水を要する地盤に最も適する。
  • ②鋼矢板壁は、継手をかみ合わせるため高い遮水性を期待できる。
  • ③ソイルセメント柱列壁は、剛性が高く周辺への影響を抑えやすい。
  • ④地中連続壁は、剛性と遮水性に優れるが工事費は高くなりやすい。
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正解 ①親杭横矢板壁は、地下水位が高く遮水を要する地盤に最も適する。
解説
土留め壁は、掘削した穴の側面が崩れないように支える壁です。選ぶときの着眼点は、剛性(変形しにくさ)、遮水性(水を止める力)、施工性、そして費用の四つです。
親杭横矢板壁は、H形鋼の親杭を一定間隔で打込み、掘り下げながらその間に木製などの横矢板を差し込んでいく工法です。板と板のすき間や板と杭のすき間から水が通るため、遮水性はほとんどありません。したがって、地下水位が高い地盤ではそのまま用いることができず、地下水位低下工法や地盤改良を併用します。安価で施工が速いことが長所です。
鋼矢板壁は、矢板の両端にある継手をかみ合わせながら打込むため、連続した壁となり高い遮水性が得られます。ソイルセメント柱列壁は、原位置の土にセメントミルクを混ぜて柱状に固め、そこに芯材を建て込む工法で、剛性と遮水性を兼ね備えます。地中連続壁は、安定液で孔壁を保持しながら掘削して鉄筋コンクリートの壁をつくる工法で、性能は最も高い反面、費用がかさみます。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「鋼矢板壁は、継手をかみ合わせるため高い遮水性を期待できる。」は、連続した壁となる鋼矢板の特徴であり適当です。
「ソイルセメント柱列壁は、剛性が高く周辺への影響を抑えやすい。」は、変形が小さく低騒音である特徴を述べており適当です。
「地中連続壁は、剛性と遮水性に優れるが工事費は高くなりやすい。」は、性能と費用の関係を正しく述べており適当です。
問22-6

土留め支保工の形式に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①自立式は、支保工を用いず土留め壁の根入れ部だけで土圧を支える。
  • ②切りばり式は、掘削面内に切りばりを設けて左右の土圧を受け持たせる。
  • ③アンカー式は、背面の地盤に定着させた鋼材の引張力で壁を支持する。
  • ④アンカー式は、掘削面内に切りばりが多くなり機械掘削の障害となる。
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正解 ④アンカー式は、掘削面内に切りばりが多くなり機械掘削の障害となる。
解説
土留め壁は土圧を受けるため、深く掘るほど何かで支えなければ倒れてしまいます。その支え方の違いが支保工の形式です。
自立式は、支保工を一切設けず、根入れ部(掘削面より下に入っている部分)の地盤の抵抗だけで壁を支える形式です。掘削の内側に何も出てこないので作業はしやすい反面、深い掘削や軟弱地盤には使えません。
切りばり式は、向かい合う壁の間に切りばりを水平に架け渡し、両側の土圧をつっぱり合わせて受け持たせる形式です。最も一般的ですが、掘削の内側に切りばりが何段も入るため、掘削機械の動きやコンクリートの打込みの妨げになります。
アンカー式は、壁の背面の安定した地盤にアンカー体をつくり、そこから伸びる鋼材を緊張して壁を引き止める形式です。掘削面の内側に部材が出てこないため作業空間が広く取れることが最大の長所で、切りばり式の弱点を補うために選ばれる形式です。ただし、背面の敷地の使用について権利者の承諾が必要になる場合があります。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「自立式は、支保工を用いず土留め壁の根入れ部だけで土圧を支える。」は、自立式の定義そのものであり適当です。
「切りばり式は、掘削面内に切りばりを設けて左右の土圧を受け持たせる。」は、切りばり式の仕組みとして適当です。
「アンカー式は、背面の地盤に定着させた鋼材の引張力で壁を支持する。」は、アンカー式の原理として適当です。
問32-6

掘削底面の破壊現象に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ヒービングは、砂質地盤で掘削底面の砂が水とともに吹き上がる現象である。
  • ②ボイリングは、砂質地盤で上向きの浸透流により砂が沸き上がる現象である。
  • ③盤ぶくれは、粘性土の背面の重さで底面が押し上げられる現象である。
  • ④パイピングは、粘性土がすべり面に沿って回り込んでくる現象である。
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正解 ②ボイリングは、砂質地盤で上向きの浸透流により砂が沸き上がる現象である。
解説
掘削底面が壊れる現象は、起きる地盤と原因が違うだけで、いずれも「底面が支えを失う」という結果は同じです。土質と原因の組合せで整理すると混乱しません。
ボイリングは砂質地盤で起こります。掘削の内側と外側で地下水位に差があると、水は高いほうから低いほうへ、土留め壁の下を回り込んで上向きに流れます。この上向きの流れが砂粒を持ち上げる力が砂の重さを超えると、砂が水と一緒に沸騰したように噴き上がり、底面が崩壊します。パイピングは、この流れが局所的な水みちとなって進行し、穴が広がっていく現象です。
ヒービングは軟弱な粘性土で起こります。掘削の外側にある土の重さが底面の下の粘土を押し、粘土が掘削側へ回り込んで底面が盛り上がります。
盤ぶくれは、掘削底面より下に、水圧の高い地下水を含む層(被圧帯水層)があるときに起こります。掘り進めて上に載る土が薄くなると、下からの水圧が土の重さに勝ち、底面が持ち上がります。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ヒービングは、砂質地盤で掘削底面の砂が水とともに吹き上がる現象である。」は、ボイリングの説明になっているため誤りです。
「盤ぶくれは、粘性土の背面の重さで底面が押し上げられる現象である。」は、ヒービングの説明になっているため誤りです。
「パイピングは、粘性土がすべり面に沿って回り込んでくる現象である。」は、砂質地盤で水みちが発達する現象であるため誤りです。
問42-6

ボイリングを防止するための対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①土留め壁の根入れ長を長くして、浸透流の経路を長くする。
  • ②掘削の外側で地下水位を下げて、内外の水位差を小さくする。
  • ③掘削底面より下の地盤を改良して、地盤の透水性を低下させる。
  • ④掘削の内側に水を張るのをやめ、内外の水位差を大きくする。
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正解 ④掘削の内側に水を張るのをやめ、内外の水位差を大きくする。
解説
ボイリングは、掘削の内側と外側の水位差によって生じる上向きの浸透流が、砂粒を持ち上げてしまう現象です。したがって対策は、この「水位差」と「浸透流の勢い」をどう小さくするかに集約されます。
方法は大きく三つあります。第一に、土留め壁の根入れ長を長くすることです。壁が深くなれば、水が壁の下を回り込む道のりが長くなり、その分だけ水圧が失われて、底面に達したときの上向きの力が弱まります。第二に、掘削の外側の地下水位を下げることです。ウェルポイント工法やディープウェル工法で背面の水位を下げれば、水位差そのものが減ります。第三に、掘削底面より下の地盤を薬液注入などで改良し、水を通しにくくすることです。
逆に、内側と外側の水位差を大きくすることは、上向きの浸透流を強めるだけで、ボイリングを誘発します。むしろ、掘削の内側にあえて水を張って(湛水して)水位差を減らし、底面を安定させる方法がとられることさえあります。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「土留め壁の根入れ長を長くして、浸透流の経路を長くする。」は、上向きの水圧を弱める基本の対策であり適当です。
「掘削の外側で地下水位を下げて、内外の水位差を小さくする。」は、原因である水位差を減らす対策であり適当です。
「掘削底面より下の地盤を改良して、地盤の透水性を低下させる。」は、浸透流そのものを抑える対策であり適当です。
問52-6

切りばりと腹起しの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①腹起しは土留め壁に密着させ、すき間はモルタル等で充填する。
  • ②切りばりにはプレロードを導入し、土留め壁の変形を抑制する。
  • ③腹起しの継手は、応力の小さい位置に設けることを原則とする。
  • ④切りばりの接続部は、他の部材と干渉するため補強を省略する。
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正解 ④切りばりの接続部は、他の部材と干渉するため補強を省略する。
解説
切りばりは、向かい合う土留め壁の間に架け渡して土圧をつっぱり合わせる圧縮材、腹起しは土留め壁が受けた土圧を集めて切りばりに伝える曲げ材です。この二つが確実に働かないと、土留め壁は変形し、最悪の場合は倒壊します。
まず、腹起しは土留め壁にぴったり密着させることが必要です。すき間があると、壁が動いて腹起しに当たるまで力が伝わらず、その間に壁が大きく変形してしまいます。すき間はモルタルや裏込め材で確実に充填します。
切りばりには、あらかじめジャッキで押し広げる力(プレロード)を与えることがあります。土圧が作用する前に部材を圧縮しておくことで、壁の変形を初めから抑えられます。
腹起しの継手は、部材がつながる弱点となるため、曲げモーメントが小さくなる位置、すなわち切りばりで支持されている点の近くに設けるのが原則です。
そして、切りばりの接続部や交差部は、力が集中して座屈や外れが起こりやすい最も危険な箇所です。干渉するからといって補強を省略することはできず、火打ちや当て板などで確実に補強します。
(根拠:労働安全衛生規則の土止め支保工に関する規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「腹起しは土留め壁に密着させ、すき間はモルタル等で充填する。」は、土圧を確実に伝えるために必要な措置であり適当です。
「切りばりにはプレロードを導入し、土留め壁の変形を抑制する。」は、変形を初期から抑える方法であり適当です。
「腹起しの継手は、応力の小さい位置に設けることを原則とする。」は、弱点となる継手の配置の考え方であり適当です。
問62-6

土留め工の計測管理に用いる計測項目と計測機器の組合せに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①切りばりに作用する軸力の測定には、荷重計を用いる。
  • ②土留め壁の水平方向の変位の測定には、傾斜計を用いる。
  • ③周辺の地盤の沈下量の測定には、水準測量による方法を用いる。
  • ④背面地盤の地下水位の測定には、切りばりのひずみ計を用いる。
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正解 ④背面地盤の地下水位の測定には、切りばりのひずみ計を用いる。
解説
土留め工は仮設構造物であり、地盤という不確かな相手を扱うため、設計どおりに力が働いているとは限りません。そこで、施工中に実際の挙動を測り、危険な兆候が現れたら支保工を追加するなどの手を打ちます。これが計測管理です。
切りばりに作用する軸力は、切りばりと腹起しの間などに荷重計を挟んで直接測ります。想定より大きな軸力が出ていれば、土圧が予想を超えているという警告になります。土留め壁の水平方向の変位は、壁に沿って埋設したガイド管に傾斜計を挿入し、深さごとの傾きから曲がり具合を求めます。壁がどこでどれだけはらんでいるかが分かります。
周辺地盤の沈下は、周囲に測点を設けて水準測量で高さの変化を追います。近接する建物や道路への影響を早期に把握するためです。地下水位は、観測井を設けて水位計で測るか、間隙水圧計で水圧として測ります。
切りばりのひずみ計は、部材の伸び縮みから応力を知るための機器であり、地下水位を測ることはできません。何を知りたいのかと、機器が何を測っているのかを対応させて覚えることが大切です。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「切りばりに作用する軸力の測定には、荷重計を用いる。」は、軸力を直接測る一般的な方法であり適当です。
「土留め壁の水平方向の変位の測定には、傾斜計を用いる。」は、壁の変形を把握する方法であり適当です。
「周辺の地盤の沈下量の測定には、水準測量による方法を用いる。」は、周辺への影響を確認する方法であり適当です。
問72-6

労働安全衛生規則に定める、手掘りによる地山の掘削作業の掘削面のこう配の基準に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①砂からなる地山は、こう配を45度以下または高さを2m未満とする。
  • ②砂からなる地山は、こう配を35度以下または高さを5m未満とする。
  • ③岩盤からなる地山は、掘削面の高さが5m以上のとき90度以下とする。
  • ④その他の地山は、掘削面の高さが5m以上のとき75度以下とする。
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正解 ②砂からなる地山は、こう配を35度以下または高さを5m未満とする。
解説
手掘りとは、パワーショベルなどの掘削機械を用いないで行う掘削のことです。土留め支保工を設けない場合、掘削面が崩れないように、あらかじめこう配を緩くしておく必要があります。その基準が労働安全衛生規則に定められています。
まず、岩盤または堅い粘土からなる地山では、高さ5m未満のとき90度以下、5m以上のとき75度以下とされています。その他の地山では、高さ2m未満のとき90度以下、2m以上5m未満のとき75度以下、5m以上のとき60度以下です。硬い地山ほど急な面を保てる、高くなるほど緩くする、という二つの原則がそのまま数値に表れています。
これとは別に、崩れやすい二つの地山には特別な基準があります。砂からなる地山はこう配35度以下または高さ5m未満、発破などにより崩壊しやすい状態になっている地山はこう配45度以下または高さ2m未満です。砂は粘り気がなく粒がばらばらに転がり落ちるため、こう配の値が最も厳しくなっています。
(根拠:労働安全衛生規則第356条および第357条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「砂からなる地山は、こう配を45度以下または高さを2m未満とする。」は、発破等により崩壊しやすい地山の基準と取り違えており誤りです。
「岩盤からなる地山は、掘削面の高さが5m以上のとき90度以下とする。」は、5m以上では75度以下であるため誤りです。
「その他の地山は、掘削面の高さが5m以上のとき75度以下とする。」は、5m以上では60度以下であるため誤りです。
問82-6

労働安全衛生規則に定める土止め支保工の点検に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①点検は、7日をこえない期間ごとに必ず行わなければならない。
  • ②点検は、30日をこえない期間ごとに行えば足りるものとする。
  • ③中震以上の地震の後は、作業を再開する前の点検を要しない。
  • ④点検の項目に、切りばりの緊圧の度合は含まれていない。
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正解 ①点検は、7日をこえない期間ごとに必ず行わなければならない。
解説
土止め支保工は仮設の構造物ですが、その下では常に人が作業をしています。土圧は時間とともに変化し、部材の変形やゆるみは少しずつ進むため、定期的に確かめなければ崩壊の前ぶれを見逃します。
そこで労働安全衛生規則は、土止め支保工を設けたときは、7日をこえない期間ごとに点検することを事業者に義務づけています。あわせて、中震以上の地震の後、および大雨などにより地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後にも点検が必要です。地震や大雨は、それまで安定していた土圧の状態を一度に変えてしまうためです。
点検する内容は、部材の損傷・変形・腐食・変位および脱落の有無と状態、切りばりの緊圧の度合、そして部材の接続部・取付部・交差部の状態の三つです。切りばりの緊圧、すなわちどれだけしっかり突っ張っているかは、支保工が働いているかどうかを直接示す項目であり、点検の中心となります。点検して異常を認めたときは、直ちに補強または補修を行わなければなりません。
(根拠:労働安全衛生規則第373条によります)

他の選択肢が不適切な理由
「点検は、30日をこえない期間ごとに行えば足りるものとする。」は、定められた7日をこえない期間より長く、規定に反するため誤りです。
「中震以上の地震の後は、作業を再開する前の点検を要しない。」は、地震後の点検が義務づけられているため誤りです。
「点検の項目に、切りばりの緊圧の度合は含まれていない。」は、緊圧の度合が定められた点検項目であるため誤りです。
問92-6

土留め工を用いた掘削の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①掘削は、支保工の設置予定深さより下まで一度に掘り下げない。
  • ②支保工は、掘削の進行に合わせて設計された位置に順次設置する。
  • ③埋戻しでは、上段の切りばりから順に撤去しつつ埋め戻していく。
  • ④掘削中に湧水が生じた場合は、確認のうえ排水設備を検討する。
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正解 ③埋戻しでは、上段の切りばりから順に撤去しつつ埋め戻していく。
解説
土留め工を用いた掘削は、「掘る」と「支える」を交互に繰り返す作業です。この順序を誤ると、支えのない状態の壁が高くなり、変形や倒壊につながります。
掘削は、次の支保工を設ける深さより下まで一度に掘り下げてはいけません。深く掘るほど壁が受ける土圧は増え、支保工がまだ入っていない区間が長いほど壁は大きくたわみます。したがって、支保工の設置位置まで掘ったら、いったん掘削を止めて切りばりや腹起しを設け、それから次の段へ進みます。
埋戻しのときは、この逆をたどります。すなわち、下の段から順に埋め戻し、埋戻し土が壁を支える高さまで達してから、その段の切りばりを撤去します。上段の切りばりから先に外してしまうと、まだ土圧を受けている上部の壁が支えを失い、一気に変形します。「掘るときは上から、戻すときは下から」と覚えると間違えません。
また、掘削中に湧水が生じた場合は、地下水位や地層の状況を確認したうえで、釜場排水やウェルポイント工法などの排水設備を検討します。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削は、支保工の設置予定深さより下まで一度に掘り下げない。」は、支えのない区間を長くしないための原則であり適当です。
「支保工は、掘削の進行に合わせて設計された位置に順次設置する。」は、掘削と支保を交互に進める考え方であり適当です。
「掘削中に湧水が生じた場合は、確認のうえ排水設備を検討する。」は、掘削底面の安定を保つための対応であり適当です。
問102-6

土留め壁の根入れ長の決定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①掘削底面より下の地盤の受働抵抗によって、壁の安定を確保する。
  • ②ボイリングやヒービングに対する安定の検討結果を反映させる。
  • ③根入れ長は、掘削の深さのみで決まり地盤の条件には左右されない。
  • ④支持力が必要な場合は、鉛直荷重を支えられる長さも合わせて検討する。
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正解 ③根入れ長は、掘削の深さのみで決まり地盤の条件には左右されない。
解説
根入れ長とは、土留め壁のうち掘削底面より下に入っている部分の長さです。この部分は地面に差し込まれた「足」にあたり、いくつもの役割を同時に担っています。
第一に、壁が掘削側へ倒れようとするのを、掘削底面より下の地盤が押し返す力(受働抵抗)で止めます。この検討で必要な長さが決まります。第二に、ボイリングやヒービングに対する安定です。ボイリングでは、根入れが長いほど水が壁の下を回り込む道のりが長くなって上向きの水圧が弱まり、ヒービングでは、根入れが硬い層に届いていれば粘土の回り込みを断ち切れます。第三に、壁が鉛直方向の荷重を負担する場合は、その荷重を支えられるだけの支持力を確保する長さも必要です。
これらの検討はいずれも地盤の性質に左右されます。同じ深さを掘るのでも、硬い地盤なら短い根入れで足り、軟弱地盤や砂質地盤では長い根入れが要求されます。したがって、掘削の深さだけで根入れ長が決まることはありません。実際の設計では、上に挙げた複数の検討をすべて行い、最も長い値を採用します。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針によります)

他の選択肢が不適切な理由
「掘削底面より下の地盤の受働抵抗によって、壁の安定を確保する。」は、根入れ部の最も基本的な役割であり適当です。
「ボイリングやヒービングに対する安定の検討結果を反映させる。」は、根入れ長を決める検討項目であり適当です。
「支持力が必要な場合は、鉛直荷重を支えられる長さも合わせて検討する。」は、鉛直荷重を負担する場合の検討として適当です。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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