2026年版・2-14

鉄筋の加工・組立てとかぶりの一問一答

1級土木施工管理技士「土木一般」から、鉄筋の加工・組立てとかぶりに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-14

鉄筋コンクリートにおけるかぶりの目的に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①かぶりは鉄筋を腐食させる物質の侵入を防ぐ
  • ②かぶりは鉄筋とコンクリートの付着を確保する
  • ③かぶりは火災時に鉄筋の温度上昇を遅らせる
  • ④かぶりはコンクリートの圧縮強度を高める働き
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正解 ④かぶりはコンクリートの圧縮強度を高める働き
解説
かぶりとは、鉄筋の表面から、それを包んでいるコンクリートの表面までの最短の距離のことです。単なる余白ではなく、構造物が長持ちするかどうかを左右する重要な寸法です。
役割は三つあります。第一に、鉄筋を守る覆いとしての働きです。コンクリートはもともと強いアルカリ性で、その中にある鉄筋の表面には目に見えない不動態の被膜ができ、さびから守られています。ところが空気中の二酸化炭素が入り込むとアルカリ性が失われ、また海水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオンが届くと被膜が壊れ、鉄筋がさび始めます。かぶりが厚いほど、これらが鉄筋に届くまでの時間を稼げます。
第二に、鉄筋とコンクリートを一体で働かせるための付着の確保です。鉄筋のまわりに十分な厚さのコンクリートがないと、力が伝わる前に割れてしまいます。
第三に、火災時の熱を遮る働きです。鉄筋は高温になると強度が急激に落ちるため、かぶりが断熱材の役目を果たします。
一方、コンクリートそのものの圧縮強度は、水セメント比や材料の品質で決まるものであり、かぶりの厚さで変わるものではありません。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書におけるかぶりの規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「かぶりは鉄筋を腐食させる物質の侵入を防ぐ」は正しい記述で、中性化や塩化物イオンの浸透を遅らせます。
「かぶりは鉄筋とコンクリートの付着を確保する」も正しい記述で、両者が一体となって力を伝えるために必要です。
「かぶりは火災時に鉄筋の温度上昇を遅らせる」も正しい記述で、耐火性の確保という役割があります。
問22-14

鉄筋の加工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①鉄筋は常温で加工することを原則としている
  • ②曲げ加工した鉄筋は曲げ戻さないのが原則
  • ③加熱加工した鉄筋は水で急冷して仕上げる
  • ④鉄筋は所定の寸法に正確に切断して加工する
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正解 ③加熱加工した鉄筋は水で急冷して仕上げる
解説
鉄筋は、工場や現場で切断され、曲げられてから組み立てられます。このとき守るべき原則は、鉄筋が本来持っている強さと粘り強さを損なわないことです。
まず、加工は常温で行うのが原則です。鉄筋は熱を加えると内部の組織が変わり、強度や伸びの性質が変わってしまうためです。やむを得ず加熱して加工する場合でも、鉄筋が赤く熱せられた状態で行い、加工後は空気中でゆっくり冷まします。水などで急に冷やすと、金属が硬く、もろくなってしまい、地震時などに粘り強く変形する能力が失われます。したがって「加熱加工した鉄筋は水で急冷して仕上げる」は誤りです。
次に、いったん曲げた鉄筋を元に戻す曲げ戻しは行わないのが原則です。同じ場所を往復して曲げると、その部分に細かい傷が入り、荷重がかかったときにそこから折れるおそれがあるためです。
また、鉄筋の表面には、コンクリートとの付着を妨げる泥や油、浮いたさびを付けたまま組み立ててはいけません。密着した薄いさびであれば付着を害さないので、無理に落とす必要はありません。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における鉄筋の加工の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「鉄筋は常温で加工することを原則としている」は正しい記述で、加熱は材質の変化を招きます。
「曲げ加工した鉄筋は曲げ戻さないのが原則」も正しい記述で、繰り返しの曲げは折損の原因になります。
「鉄筋は所定の寸法に正確に切断して加工する」も正しい記述で、寸法の誤差はかぶりや定着長の不足に直結します。
問32-14

鉄筋の折曲げ加工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①折曲げ内半径は鋼種が異なっても同じ値でよい
  • ②強度の高い鋼種ほど折曲げ内半径を大きくとる
  • ③折曲げ内半径は鉄筋の直径とは無関係に決まる
  • ④折曲げ内半径は小さいほど鉄筋の性能が上がる
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正解 ②強度の高い鋼種ほど折曲げ内半径を大きくとる
解説
鉄筋を曲げるとき、曲げた部分の内側にできる円弧の半径を折曲げ内半径といいます。この半径をむやみに小さくすると、曲げの外側が強く引き伸ばされ、細かなひび割れが入って、そこから折れるおそれがあります。また、曲げた部分の内側のコンクリートには大きな支圧力が集中するため、半径が小さすぎるとコンクリートが局所的に押しつぶされます。そこで、鋼種と鉄筋の直径に応じた最小値が定められています。
ここで大事なのは、強度の高い鋼種ほど大きな半径が必要になるという点です。高強度の鋼材は硬い反面、曲げに対する余裕が小さく、また設計上より大きな力を伝えるため、内側のコンクリートに生じる支圧力も大きくなるからです。たとえばSD345では鉄筋直径の2.5倍以上とされるのに対し、より強度の高いSD390やSD490ではこれより大きい値が求められます。
また、必要な半径は鉄筋の直径に比例して決められます。太い鉄筋ほど大きく曲げなければならないということです。加工前に、その鉄筋の鋼種と直径から必要な半径を確かめ、曲げ加工機の設定を合わせることが施工上の要点になります。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における鉄筋の折曲げ形状の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「折曲げ内半径は鋼種が異なっても同じ値でよい」は誤りで、必要な最小値は鋼種ごとに定められています。
「折曲げ内半径は鉄筋の直径とは無関係に決まる」も誤りで、鉄筋直径の何倍という形で定められています。
「折曲げ内半径は小さいほど鉄筋の性能が上がる」も誤りで、小さくするほど曲げ部の損傷や支圧破壊のおそれが増します。
問42-14

鉄筋の重ね継手に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①重ね継手の長さは鉄筋直径の20倍以上を確保する
  • ②重ね継手は同一断面にまとめて設けるのがよい
  • ③重ね継手部は鉄筋どうしを溶接して固定する
  • ④重ね継手の長さはコンクリート強度と無関係である
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正解 ①重ね継手の長さは鉄筋直径の20倍以上を確保する
解説
鉄筋は工場で製造される都合上、一本の長さに限りがあります。そのため長い部材では途中でつなぐ必要があり、その方法の一つが重ね継手です。二本の鉄筋を重ねて並べ、周囲のコンクリートを介して力を受け渡す仕組みです。
重ねる長さは、その鉄筋が持っている力を確実に相手へ伝えられる長さでなければなりません。この長さは、計算で求めた定着に必要な長さ以上とし、あわせて鉄筋直径の20倍以上を確保します。細い鉄筋であっても、あまりに短い重ねでは付着だけで力を伝えきれないため、下限としてこの規定が置かれています。
力の受け渡しは鉄筋とコンクリートの付着によるので、必要な長さはコンクリートの強度に左右されます。強度が低いほど付着力も小さくなり、必要な長さは長くなります。
重ねた鉄筋は、位置がずれないよう焼なまし鉄線で緊結します。ここで溶接してはいけません。溶接は熱によって鉄筋の材質を変えるおそれがあり、行う場合は溶接継手として所定の方法と管理のもとで施工する必要があります。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における継手の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「重ね継手は同一断面にまとめて設けるのがよい」は誤りで、同じ断面に継手が集まると、その断面だけ弱点となるため、位置をずらして配置します。
「重ね継手部は鉄筋どうしを溶接して固定する」も誤りで、位置の保持は焼なまし鉄線による緊結で行います。
「重ね継手の長さはコンクリート強度と無関係である」も誤りで、付着で力を伝えるため、コンクリート強度が低いほど必要な長さは長くなります。
問52-14

鉄筋の継手の位置に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①継手は同一断面に集めず軸方向にずらして配置
  • ②継手は引張応力の大きい断面に集めるのが原則
  • ③継手をずらす距離は鉄筋直径の2倍あればよい
  • ④継手位置は部材のどの位置に設けても影響は同じ
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正解 ①継手は同一断面に集めず軸方向にずらして配置
解説
継手は、鉄筋が連続していない箇所です。どれほど適切に施工しても、連続した鉄筋よりは弱点になりやすいため、どこに設けるかが施工計画の要点になります。
基本は二つです。第一に、応力の小さい断面に設けること。引張力が大きく作用する断面に継手を置くと、その位置が構造物の弱点となります。
第二に、同一の断面に継手を集中させないことです。もし一つの断面ですべての鉄筋がつながっていれば、その面はコンクリートだけで引張力を負担することになりかねません。そこで継手の位置を軸方向にずらし、断面ごとに継手のない健全な鉄筋が残るようにします。ずらす距離は、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上を標準とします。鉄筋直径の数倍程度ずらしただけでは、実質的に同一断面に集まっているのと変わりません。
組立ての現場では、この配置を図面で指示し、鉄筋の切断長さを何種類か用意して交互に配置するのが一般的です。かぶりや配筋の検査では、継手の位置がずれているかも確認の対象になります。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における継手位置の規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「継手は引張応力の大きい断面に集めるのが原則」は誤りで、応力の小さい断面に設けるのが原則です。
「継手をずらす距離は鉄筋直径の2倍あればよい」も誤りで、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上を標準とします。
「継手位置は部材のどの位置に設けても影響は同じ」も誤りで、作用する応力の大きさによって影響が異なるため、位置の選定が必要です。
問62-14

鉄筋のガス圧接継手に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①圧接部のふくらみの直径は鉄筋径の1.4倍以上とする
  • ②圧接部のふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上とする
  • ③圧接面のずれは鉄筋径の4分の1以下とする
  • ④径の差が大きい鉄筋どうしでも圧接してよい
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正解 ④径の差が大きい鉄筋どうしでも圧接してよい
解説
ガス圧接は、二本の鉄筋の端面を突き合わせ、酸素とアセチレンの炎で加熱しながら軸方向に強く押し付けて、原子のレベルで一体化させる継手です。重ね継手と違い、鉄筋そのものが連続するため、鉄筋量を増やさずに済む利点があります。
できばえの良否は外観の寸法で判定します。押し付けが十分であれば、圧接部は太鼓のようにふくらみます。このふくらみの直径は鉄筋径の1.4倍以上、ふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上が必要です。ふくらみが小さいということは、押し付ける力や加熱が足りず、内部が接合しきれていないおそれがあるということです。
また、二本の鉄筋の軸が食い違っていると、力が真っすぐ伝わらず曲げが生じます。そのため圧接面のずれや軸心の偏りにも上限が定められ、ずれは鉄筋径の4分の1以下とされます。
そして、径の差が大きい鉄筋どうしの圧接は原則として行いません。太さが違うと加熱の進み方と押し付けの効き方が両側で食い違い、細いほうだけが過度に変形して健全な接合が得られないためです。したがって「径の差が大きい鉄筋どうしでも圧接してよい」は誤りです。
(根拠:鉄筋のガス圧接継手に関する日本産業規格及び土木学会 コンクリート標準示方書によります)

他の選択肢が不適切な理由
「圧接部のふくらみの直径は鉄筋径の1.4倍以上とする」は正しい記述で、押し付けが足りないとこの値を下回ります。
「圧接部のふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上とする」も正しい記述で、加熱範囲が適切かどうかの目安になります。
「圧接面のずれは鉄筋径の4分の1以下とする」も正しい記述で、ずれが大きいと力が真っすぐ伝わりません。
問72-14

はりにおける軸方向鉄筋の水平方向のあきについて、確保すべき最小値の組合せとして、適当なものはどれか。

  • ①40mm 粗骨材最大寸法の4/3倍 鉄筋直径の1.5倍
  • ②20mm 粗骨材最大寸法の3/4倍 鉄筋直径の1.5倍
  • ③20mm 粗骨材最大寸法の4/3倍 鉄筋直径
  • ④40mm 粗骨材最大寸法の3/4倍 鉄筋直径
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正解 ③20mm 粗骨材最大寸法の4/3倍 鉄筋直径
解説
あきとは、隣り合う鉄筋の表面と表面との間の空間のことです。この空間が狭いと、コンクリートを打ち込んだときに粗骨材が鉄筋の間に引っ掛かって通り抜けられず、下に空洞ができたり、材料が分離したりします。バイブレータを差し込む余地もなくなります。あきの最小値は、こうした施工上の不具合を防ぐために定められています。
はりの軸方向鉄筋の水平方向のあきは、次の三つの値のうち最も大きい値以上とします。
20mm
粗骨材の最大寸法の4/3倍
鉄筋の直径
粗骨材の最大寸法の4/3倍という値は、最も大きい石が鉄筋の間を余裕をもって通り抜けられるようにするための寸法です。鉄筋直径という条件は、太い鉄筋ほど周囲に十分なコンクリートが必要になるという付着上の理由によります。
なお柱の場合は、鉄筋が密になりやすく、コンクリートを上から落とし込むかたちになるため、より厳しい値として40mm、粗骨材の最大寸法の4/3倍、鉄筋直径の1.5倍のうち最大値以上とされます。はりと柱で値が違う点を混同しないよう整理してください。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における鉄筋のあきの規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「40mm 粗骨材最大寸法の4/3倍 鉄筋直径の1.5倍」は柱の軸方向鉄筋に対する値で、はりの規定ではありません。
「20mm 粗骨材最大寸法の3/4倍 鉄筋直径の1.5倍」は粗骨材に対する倍率が逆数になっており、大きい石が通り抜けられません。
「40mm 粗骨材最大寸法の3/4倍 鉄筋直径」も粗骨材に対する倍率が誤っており、寸法の組合せがはりの規定と一致しません。
問82-14

鉄筋のかぶりを確保するためのスペーサに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①型枠に接する部分はモルタル製やコンクリート製とする
  • ②型枠に接する部分に鋼製スペーサを用いるのがよい
  • ③はりでは1m²あたり4個程度を目安に配置する
  • ④スペーサは本体と同等以上の品質のものを用いる
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正解 ②型枠に接する部分に鋼製スペーサを用いるのがよい
解説
スペーサは、鉄筋と型枠の間に挟んで所定のかぶりを確保するための部品です。鉄筋は自重や作業中の踏みつけで下がりやすく、何も入れなければかぶりが不足します。かぶりの不足は、鉄筋の早期の腐食に直結する重大な欠陥です。
材質については、型枠に接する部分にはモルタル製またはコンクリート製を用いるのが原則です。鋼製のものを型枠に接して使うと、その端面が完成後のコンクリート表面に露出することになり、そこからさびが発生して表面に汚れが出るだけでなく、さびが進むと内部への水みちになってしまいます。したがって「型枠に接する部分に鋼製スペーサを用いるのがよい」は誤りです。
品質については、本体のコンクリートと同等以上のものを用います。スペーサだけが弱いと、そこが水や塩分の通り道になってしまうためです。
配置の個数は、鉄筋が垂れ下がらない間隔とする必要があり、はりや床版ではおおむね1m²あたり4個程度、壁や柱ではおおむね1m²あたり2個から4個程度が目安とされます。鉄筋が細く長い場合や、作業員が上を歩く床版などでは、目安より多めに配置する判断が求められます。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書におけるスペーサの規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「型枠に接する部分はモルタル製やコンクリート製とする」は正しい記述で、表面にさびを出さないための原則です。
「はりでは1m²あたり4個程度を目安に配置する」も正しい記述で、鉄筋の垂れ下がりを防ぐ個数の目安です。
「スペーサは本体と同等以上の品質のものを用いる」も正しい記述で、スペーサ部分が弱点にならないようにするためです。
問92-14

鉄筋の組立てに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①鉄筋の交点の要所を焼なまし鉄線で緊結する
  • ②組立て用鋼材はかぶりを確保して配置する
  • ③緊結に用いた鉄線の端部はかぶり内に残す
  • ④組立て後に長期間放置した鉄筋は再検査する
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正解 ③緊結に用いた鉄線の端部はかぶり内に残す
解説
鉄筋の組立てで求められるのは、設計どおりの位置に鉄筋を置き、コンクリートを打ち込む間もその位置が動かないようにすることです。バイブレータの振動や作業員の足で鉄筋がずれると、かぶりや有効高さが変わり、構造物の耐久性と強度の両方に影響します。
位置の保持には、鉄筋の交点の要所を焼なまし鉄線で緊結する方法が用いられます。焼なまし鉄線は、熱処理によって軟らかくした針金で、手で締め付けやすい一方、締めた形をよく保ちます。すべての交点を結ぶ必要はなく、動かないだけの要所を確実に結ぶことが要点です。
ここで注意が必要なのが、締め付けたあとに残る鉄線の余りです。この端部をかぶりの中に突き出したままにすると、細い鉄線は短期間でさびてしまい、そのさびがコンクリート表面に染み出したり、水の通り道になったりします。そのため端部は内側に折り曲げ、かぶりの中に残さないようにします。したがって「緊結に用いた鉄線の端部はかぶり内に残す」は誤りです。
また、組立て後に打込みまで長い期間が空いた場合は、鉄筋のずれやさびの進行、結束のゆるみを確かめてから打ち込みます。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書における鉄筋の組立ての規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「鉄筋の交点の要所を焼なまし鉄線で緊結する」は正しい記述で、打込み中の移動を防ぐための基本的な方法です。
「組立て用鋼材はかぶりを確保して配置する」も正しい記述で、組立て用の鋼材であってもかぶりが不足すればそこからさびが生じます。
「組立て後に長期間放置した鉄筋は再検査する」も正しい記述で、ずれやさび、結束のゆるみを確かめる必要があります。
問102-14

鉄筋の防せい及びかぶりの確保に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①施工誤差を見込んだ値を設計上のかぶりとして示す
  • ②鉄筋表面の薄い赤さびは全て除去してから用いる
  • ③かぶりは部材の位置によらず同じ値としてよい
  • ④海岸に近い構造物のかぶりは内陸部より小さくする
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正解 ①施工誤差を見込んだ値を設計上のかぶりとして示す
解説
かぶりは、鉄筋を守るために必要な最小限の厚さが先に決まり、そのうえで施工の現実を織り込んで図面に示す値が決まります。
まず、耐久性の照査から、その環境で必要な最小のかぶりが決まります。しかし現場では、鉄筋の加工寸法のばらつき、型枠のわずかな移動、スペーサの沈み込みなどで、実際のかぶりは図面どおりぴったりにはなりません。そこで、最小かぶりに施工上の誤差を上乗せした値を設計上のかぶりとして図面に示します。こうしておけば、多少の誤差が出ても最小かぶりを下回りません。
必要な厚さは環境で変わります。海岸に近く飛来する塩分が多い場所や、凍結防止剤をまく道路の構造物では、塩化物イオンが鉄筋に届きやすいため、内陸の一般的な環境よりかぶりを大きくします。また同じ構造物でも、水や土に接する面と屋内側の面では条件が違うので、部位ごとに値を変えるのが普通です。
鉄筋の表面については、浮いて粉状になったさびや、泥、油はコンクリートとの付着を妨げるため除去します。一方、表面に密着した薄い赤さびは付着を害さないので、無理に落とす必要はありません。
(根拠:土木学会 コンクリート標準示方書におけるかぶり及び鉄筋の防せいの規定によります)

他の選択肢が不適切な理由
「鉄筋表面の薄い赤さびは全て除去してから用いる」は誤りで、密着した薄いさびは付着を害さないため除去は不要です。除去すべきなのは浮きさびや泥、油です。
「かぶりは部材の位置によらず同じ値としてよい」も誤りで、環境条件や部位に応じて必要な値が変わります。
「海岸に近い構造物のかぶりは内陸部より小さくする」も誤りで、飛来塩分の影響を受ける環境ではかぶりを大きくします。

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