部材の断面力に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- ①軸方向力は部材を伸ばしたり縮めたりする力である
- ②曲げモーメントは部材をたわませる働きを表す
- ③せん断力は部材を回転させる働きを表す量である
- ④断面力は部材を仮想的に切断して求められる
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断面力とは、部材の中である位置を仮に切ったとき、切り口の両側が互いにやり取りしている力のことです。実際に切るわけではなく、頭の中で切って、片側だけを取り出してつり合いを考えることで求めます。
断面力は三種類あります。軸方向力は部材の長さ方向に働き、部材を引き伸ばしたり押し縮めたりします。せん断力は断面に沿って働き、切り口の上下(あるいは左右)をずらすように作用します。曲げモーメントは部材を反らせ、たわませる働きです。
したがって、せん断力を「回転させる働き」とするのは誤りです。回転させる働きを表すのは曲げモーメントであり、せん断力ははさみで紙を切るときのように、面に沿ってずらす力です。この二つを混同すると、せん断力図と曲げモーメント図の意味も取り違えてしまいます。
断面力を求める手順は、まず支点反力を求め、次に着目点で切って、片側に残った荷重と反力のつり合いをとる、という流れです。
(根拠:構造力学における断面力(軸方向力・せん断力・曲げモーメント)の定義によります)
他の選択肢が不適切な理由
「軸方向力は部材を伸ばしたり縮めたりする力である」は正しい記述で、引張力と圧縮力に分けられます。
「曲げモーメントは部材をたわませる働きを表す」も正しい記述で、単位はkN·mで表します。
「断面力は部材を仮想的に切断して求められる」も正しい記述で、切った片側のつり合いから計算します。