土の締固めの目的に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- ①土の密度を高めて透水性を小さくする
- ②土のせん断強さを増加させ支持力を高める
- ③土の間隙比を大きくして排水性を高める
- ④盛土完成後の圧縮沈下を少なくする
答えと解説を見る
締固めとは、土に外から力を加えて中の空気を追い出し、土粒子どうしを密に詰め直す作業です。水を抜くのではなく、空気を抜くという点がまず基本になります。
空気が抜けて土粒子が密になると、同じ体積の中の土粒子の量が増えます。その結果、密度が上がり、すき間が減るので水が通りにくくなり、粒どうしのかみ合いが強くなってせん断強さと支持力が高まります。さらに、あらかじめ縮めておくので、完成後に自重や交通荷重で沈下する量も小さくなります。これらが締固めの目的です。
したがって、間隙比を大きくするという記述は締固めの働きと正反対であり誤りです。間隙比とは土粒子の体積に対するすき間の体積の比ですから、締め固めれば必ず小さくなります。盛土で排水性を高めたい場合は、締固めをゆるめるのではなく、排水層や暗渠などの排水施設を別に設けて対応します。
(根拠:締固めによる土の力学的性質の改善という土工の基本的な考え方によります)
他の選択肢が不適切な理由
「土の密度を高めて透水性を小さくする」は正しい記述で、堤防やため池の遮水にも利用される効果です。
「土のせん断強さを増加させ支持力を高める」も正しい記述で、のり面の安定や路床の支持力確保の目的にあたります。
「盛土完成後の圧縮沈下を少なくする」も正しい記述で、供用後の路面の不陸を防ぐために欠かせない目的です。