管路におけるエネルギー線と動水勾配線に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- ①エネルギー線は動水勾配線より速度水頭だけ高い
- ②動水勾配線はエネルギー線より速度水頭だけ高い
- ③エネルギー線は流れの方向に必ず上昇していく
- ④動水勾配線は管の中心線より常に上方に位置する
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管の中を流れる水が持っているエネルギーは、高さによる位置水頭、押される力による圧力水頭、速さによる速度水頭の三つに分けて表します。いずれも長さの単位で表すので、そのまま図に高さとして描けるのが便利な点です。
この三つを足し合わせた高さを結んだ線がエネルギー線です。これに対し、位置水頭と圧力水頭の二つだけを足した高さを結んだ線が動水勾配線です。つまり両者の差は速度水頭にほかならず、エネルギー線は動水勾配線より常に速度水頭の分だけ上にあります。
この二本の線を描くと、管路の状態が目で見て分かります。エネルギー線は損失があるぶん流れの方向へ必ず下がっていき、その下がり方の急さが損失の大きさを表します。管が細くなって流速が上がる区間では速度水頭が増えるため、動水勾配線だけが大きく下がります。
また、動水勾配線が管の中心線より下に来ると、その区間の圧力は大気圧より低い負圧になります。負圧が続くと水中の空気が分離して流れを妨げるため、サイフォンなどではこの点の確認が欠かせません。
(根拠:水理学におけるエネルギー線及び動水勾配線の定義によります)
他の選択肢が不適切な理由
「動水勾配線はエネルギー線より速度水頭だけ高い」は誤りで、上下が逆です。速度水頭を加えた分だけエネルギー線のほうが高くなります。
「エネルギー線は流れの方向に必ず上昇していく」も誤りで、損失によってエネルギーは減るため、流れの方向へ下がっていきます。
「動水勾配線は管の中心線より常に上方に位置する」も誤りで、負圧になる区間では管の中心線より下に位置します。